株式会社博報堂
夏休みシーズンに入るも、物価高や酷暑の影響で消費意欲指数は8月のなかで過去最低値。消費意向は「旅行」などで前年比減
株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。
※7月3-7日に調査
2025年8月の消費意欲指数は46.5点。前月比では-0.2ptと横ばいで、前年比では-0.8ptとやや低下しました。

【8月のポイント】
【Point1】酷暑や物価高が影響し、夏休みや帰省シーズンに向けた意欲は伸び悩む
夏休みや帰省シーズンとなる8月は、例年消費意欲指数が高くなる月ですが、今年は前月から-0.2ptと横ばいで推移しました。前年比では-0.8ptとやや低下し、2012年の調査開始以来、8月として最も低い数値となっています。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて、消費にポジティブな回答(7月349件→8月371件)はやや増加し、ネガティブな回答(7月879件→8月851件)はやや減少しました。具体的には、ポジティブな回答で、「(夏休みがあるからなど)季節的な意欲向上(7月78件→8月124件)」が増加しています。ネガティブな回答では、「暑い季節は出かけたくない(7月26件→8月117件)」が大きく増加し、「欲しいものがない・意欲がない(7月384件→8月338件)」が減少しました。
前年と比べると、消費にポジティブな回答(24年8月364件→25年8月371件)、ネガティブな回答(24年8月840件→25年8月851件)はともにほぼ横ばいとなっています。具体的には、ポジティブな回答で、「(季節もの以外で、買い物など)出費の予定・欲しいものがある(24年8月76件→25年8月97件)」がやや増加し、「旅行の予定がある/行きたい(24年8月68件→25年8月42件)」がやや減少しました。ネガティブな回答では、「暑い季節は出かけたくない(24年8月97件→25年8月117件)」がやや増加しています。また「物価高・値上げ・円安」は、3ヵ月連続で微減傾向ではあるものの、前年と比べると増加しており(24年8月82件→25年7月152件→25年8月126件)、依然注視する必要がありそうです。
夏休みや帰省シーズンに向けて例年高まる旅行への意欲が伸び悩んでいることや、酷暑や物価高の影響もハードルとなり、8月の消費意欲は例年より低めとなりそうです。
【Point2】消費意向は前年比で「旅行」など外出関連が減少し、家ナカ関連で増加
「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は27.7%で、前月比で+0.7pt、前年比で-0.4ptと、ともに横ばいで推移しました。
16カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「飲料」が20件以上増加し、「ファッション」が20件以上減少しています。前年比では「書籍・エンタメ」で20件以上増加し、「旅行」「ファッション」「食品」「外食」の4カテゴリーで20件以上減少しました。
夏休みや帰省シーズンではありますが、「旅行」や「ファッション」を中心とした外出関連カテゴリーで前年より消費意向が落ち着き、「書籍・エンタメ」の家ナカ関連カテゴリーで前年より消費意向が高まる月となりそうです。
本調査のデータは、生活総研のホームページ(https://seikatsusoken.jp/shohiyoho/2025-08/)から
ダウンロードしていただけます。