株式会社エンバイオ・ホールディングス
当社子会社である株式会社エンバイオ・エンジニアリング(東京都千代田区、代表取締役:西村 実、以下「EE」)は、有機フッ素化合物(PFAS)による土壌・地下水汚染の対策に新たな技術を導入し、本格的な国内展開を開始しました。従来の手法と比べてコストを半減できると見込んでおり、CO₂排出量も抑制されることで、経済性と環境負荷低減を両立します。
株式会社エンバイオ・エンジニアリングについて

当社グループの中核を担う環境エンジニアリング企業として、土壌・地下水汚染の調査・対策サービスを中心に事業を展開しています。
土壌が有害化学物質で汚染されると地下水にも広がり、深刻な健康被害を及ぼす恐れがあります。こうした土壌・地下水汚染への適切な対応には、地質と地下水に対する高度な専門知識が必要となります。EEは汚染された土地や地下水を掘削せずに浄化する「原位置浄化」技術を国内でいち早く実用化したパイオニアであり、状況に応じて複数の技術を組み合わせた複合提案も得意です。
PFAS汚染への懸念と対策の重要性
近年、国際的に健康・環境リスクが懸念されている有機フッ素化合物(PFAS)は、極めて分解されにくく、土壌や地下水に長期間残留することから「永遠の化学物質」とも呼ばれ、国内でも急速に社会的関心が高まっています。
水道水や周辺環境における検出事例も相次いでおり、国や自治体による調査や規制の動きが進む中、対策の重要性が一層増していますが、汚染部分の土壌を掘り出して処理する場合や汚染地下水からPFASを取り除いた粒状活性炭を処理するには、高額な費用を要する熱処理施設に持ち込む以外に手段がありません。また、汚染物質を敷地外に持ち出すことは汚染の拡散や二次汚染にもつながります。
こうした背景を受け、EEは、従来の「掘削・運搬・処理」を伴う対策に代わる、掘らず・動かさ ず・その場で封じ込めて対策する画期的な技術サービスの提供を開始しました。
バリア+固定化でPFAS汚染を多層的に対策
分解されず長期間残留するPFAS汚染の対策において、汚染物質の広がりを抑えることが重要な課題となっています。EEでは、粒径1ミクロン程度のコロイド状活性炭を用いた、環境負荷とコストの両方を低減する解決策を提供しています。
日本国内で独占販売権を持つ「PlumeStop®(プルームストップ)」は、地下水に溶け込んだPFASをその場で吸着し、広がりを防ぐ技術として注目されています。さらにこのたび、汚染源そのものを固定化することでPFASの浸透を抑える「SourceStop®(ソースストップ)」の本格展開もスタートさせました。

この2つを組み合わせることで、汚染の広がりを防ぐだけでなく、汚染の元にも対処できるようになり、より確実な対策が可能です。米国での導入実績を背景に、日本国内におけるPFAS汚染対策への新たな技術として、大きな期待が寄せられています。

「PlumeStop®」は、コロイド状活性炭を地下水範囲に注入することで、地下水中に“バリアゾーン”を形成し、水は通過させながらも効率的にPFASだけを吸着します。ただし、長期的には吸着材がPFASで飽和して効果が薄れる可能性があります。そこで土壌にあるPFAS汚染源を封じ込める新技術として「SourceStop®」が開発されました。
「SourceStop®」は、汚染された土壌を一度掘り起こして、その土を戻す際に散布し混ぜるだけのシンプルな施工方法です。汚染源を固定化し、深部への浸透を防ぎます。米国での実証では、土壌から染み出すPFASの量を大幅に減らす効果が確認されており、「PlumeStop®」と組み合わせることで、汚染源から地下水までを包括的に対策できる技術です。
EE技術戦略部 最高技術責任者 和知 剛(わち たけし)よりコメント

PFASによる人の健康リスクを低減するためには、PFASそのものを分解する方法とPFASを地中に固定化する方法があります。PFASの分解には多額の費用とエネルギーが使われ、対策の導入が遅れる要因になります。当社のPFAS固定化技術は、低コストと低い環境負荷で健康リスクの低減が実現でき、多くのサイトで対策が進むことにより新たな拡散が防止されます。
私たちは、「汚染を動かさず、その場で封じ込める」という発想のもと、より現実的で持続可能なPFAS汚染対策のソリューション技術を提供し、技術の普及に努めてまいります。
当社について
エンバイオ・グループは、「環境問題に技術と知恵で立ち向かう」というパーパスのもと、「環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献する」というビジョンを掲げ、環境保全に役立つサービスや製品を提供しています。
土壌汚染対策法施行当初から、高コストな掘削工法に代わる環境負荷の低い「原位置浄化」を提唱し、社会のニーズに応えてきました。東日本大震災を契機にスタートした自然エネルギー事業も着実に成長しており、ブラウンフィールドの有効活用も推進しています。
さらに、これまで培った技術力を駆使し、海外における環境課題の解決にも積極的に挑戦しています。
会社情報
■ 会社概要
会社名:株式会社エンバイオ・ホールディングス
所在地:東京都千代田区鍛冶町
代表者:中村 賀一
設立:1999年6月23日
URL:https://enbio-holdings.com/
YouTube公式チャンネル:https://www.youtube.com/@enbiogroups