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作品にあふれる丸岡愛 故・西ゆうじさん偲び原作漫画展

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坂井市役所

「日本一短い母への手紙」「蔵の宿」「あんどーなつ」…福井県坂井市

59歳の若さで亡くなった在りし日の西さん(展示写真より)。右は「漫画 日本一短い母への手紙」の漫画パネル=福井県坂井市丸岡町の「一筆啓上日本一短い手紙の館」

 旧丸岡町(現福井県坂井市)生まれで、「蔵の宿」「あんどーなつ」などの漫画の原作者で知られる、西ゆうじさん(1963-2013)の原作漫画を紹介する企画展「一筆啓上賞と西ゆうじマンガ展」が、坂井市の一筆啓上日本一短い手紙の館で9月15日(月)まで開かれている。展示された漫画に、丸岡城天守や城下の商店、越前おろし蕎麦、地元の酒蔵などが描かれ、西さんの“丸岡愛にあふれた”展示となっている。

目次

コンビ組んだ北見けんいちさんら漫画家がコメント

 西ゆうじさんは旧丸岡町安田新出身。大学卒業後、映画監督の鈴木清順氏に師事し、テレビドラマの脚本から作家活動を始めた。深夜ラジオ番組や舞台演出などを幅広く手掛け、1998年から週刊「漫画TIMES」誌上で、「蔵の宿」を連載、2010年までの長期連載となった。ほかに主人公を福井県生まれに設定した「あんどーなつ 江戸和菓子職人物語」をはじめ、「華中華(ハナチャイナ)」など食べ物や料理を題材にした数々の漫画を世に出した。「蔵の宿」「あんどーなつ」はテレビドラマ化もされた。2003年からは坂井市と丸岡町文化振興事業団による日本一短い手紙コンクール「新一筆啓上賞」の審査委員も務めた。02年からは福井県ふるさと大使。その後胃がんを患い、2013(平成25)年、59歳の若さで死去した。

 「一筆啓上賞と西ゆうじマンガ展」は、同館の開館10年と西さんの十三回忌に合わせ企画された。遺族やコンビを組んだ漫画家や編集社の協力で、展示を構成。メインは一筆啓上賞とのコラボとなった漫画「日本一短い母への手紙」(週刊漫画サンデー連載)の漫画パネルで、一筆啓上賞の「母」をテーマにした作品をモチーフに、西さんが物語を創作、一話一話画家が交代で作画を担当。その中には「釣りバカ日誌」の北見けんいちさんや「ダメおやじ」の故・古谷三敏さんら有名漫画家も参加している。展示されている漫画には、季節折々の丸岡城天守が出て来る場面のほか、「洋品の店 カトレア」や「丸岡屋洋菓子店」など昭和を偲ばせる丸岡市街の商店の場面もいくつか並ぶ。

蕎麦打ちや酒造り…漫画のあちこちに丸岡を織り込む

企画展入り口に飾られた「一筆啓上賞と西ゆうじマンガ展」のタイトルパネル

 会場には、「漫画日本一短い母への手紙」で、コンビを組んだ漫画家3人からのコメントも、パネル展示されている。北見けんいちさんは、同じカメラ好きだった西さんとの思い出をつづり、「取材で福井県を訪れた時、西さんに勧めてもらったライカで撮影しました。そのライカは今でも大切にしています。」とコメント。

 おだ辰夫さんは「原作ができあがると、西さんから電話がかかってきて、デニーズで二人だけの打ち合わせが始まる。通常は、まず編集者に見せるものなにに業界掟破りの手法でした」とコメント。ひきの真二さんは「私は漫画の背骨はストーリーだと思っていたので、西さんと仕事ができたおかげで、オリジナルで漫画を描くには早い段階で諦め、この世界で生き残るために自分の得意分野をみつけ、それを特化していこうと決意することができました。こうして長年仕事ができているのも西さんとの出会いがあったからです。」などとコメントし、西さんの人柄や生き方が漫画家の成長にも影響を及ぼしてきたことが分かる。

 西さんは、作品の中に福井・丸岡の食文化を上手に織り込んでおり、例えば丸岡名産の越前おろし蕎麦の蕎麦打ちシーンや、酒蔵のモデルとされる「久保田酒造」の酒造りが、漫画の中に登場することも多い。会場には、そうした酒造りや蕎麦打ちの場面が描かれた「蔵の宿」や「あんどーなつ」などの漫画パネルと同酒造のパンフレットを組み合わせたり、蕎麦店としてオープンした一筆啓上茶屋の写真を組み合わせたりと工夫が凝らされ、漫画の中に描かれた“丸岡”を感じることができる。

 このほか、「蔵の宿」の続編で、西さんの絶筆となった作品「雪と花と」は、西さんの原稿の現物20話分がガラスケース内に展示されているほか、無類のカメラ好きだった西さん自身が、手書きで描いた「ライカ」などクラシックカメラのスケッチ画も展示されている。さらに、丸岡を家祖とする旧財閥の住友家の原点の教えを描いた漫画「住友四百年 源泉」(画・長尾朋寿)の第1話の漫画パネルもある。

丸岡の蕎麦打ちの写真とコラボレーションさせた「蔵の宿」の蕎麦打ち場面の漫画パネル(左)。右は西さんが亡くなるまで連載が続いた「蔵の宿」続編「雪と花と…」の登場人物パネル

 企画した公益財団法人・丸岡文化財団の竹内孝治さんは「この展示を見ていただければ、西さんがいかに漫画を通じて、丸岡を大々的にPRしてくれたかが分かる。若くして亡くなった西さんの丸岡愛を感じてもらえば…」と話している。

8月23日 手紙の館開館10周年記念イベント、入館無料

 なお、期間中の8月23日は開館記念日に当たり、入場無料で記念イベントを当日午後1時半から、同館で開く。2008年の第16回一筆啓上賞(テーマ「夢」)の時、当時8歳で、大賞を射止めた現FBC(福井放送)アナウンサーの手賀梨々子さんが、過去の大賞作品を朗読する。また同財団の田中典夫理事長と2人の対談形式で「手紙にまつわるエトセトラ」と題して、トークショーを行う。当時は、西ゆうじさんも選考委員だっただけに、トークでは西さんのエピソードにも触れる。当日は入場無料。

 同展の入館料は、高校生以上200円、中学生100円、小学生以下は無料。同じ券で、一筆啓上賞の常設展が見学できる。9月15日までの期間中は休館日無し。開館時間は午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。問い合わせは、丸岡文化財団=☎0776(67)5100

出典:PR TIMES

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