株式会社実業之日本社

実業之日本社(本社:東京都港区 代表取締役社長:岩野裕一)より2024年8月に刊行した、名取佐和子さんの青春小説『銀河の図書室』が、第35回「宮沢賢治賞奨励賞」を受賞しました。
宮沢賢治賞は、宮沢賢治に関する優れた研究・評論・創作などを毎年顕彰するために、花巻市が1991年に創設した賞です。奨励賞は、本賞に準ずる賞となります。
『銀河の図書室』は、宮沢賢治を研究する高校の同好会の部長が突然学校から消えてしまい、後輩たちが宮沢賢治の名作を紐解きながら、消えた部長の謎と「ほんとうの幸い」を模索する青春群像劇。
受賞にあたり、著者の名取さんから喜びのコメントが寄せられました。
【宮沢賢治賞奨励賞受賞のコメント(名取佐和子)】
この度は憧れの人の名が冠された賞をいただき、光栄の至りです。取材先の宮沢賢治イーハトーブ館で購入した会報第3号を読まなければ、『銀河の図書室』は永久の未完成ならぬ単なる未完成で終わるところでした。宮沢賢治を愛し研究されている皆様に感謝し、賞を励みに創作をつづけてまいります。
贈呈式は、2025年9月22日に岩手県花巻市内で行われる予定です。
また、本作は第74回小学館児童出版文化賞の最終候補作に選出されました。本賞は、児童出版文化の向上に貢献すると認められる、幼年ならびに少年少女に薦めたい優れた作品および作家を選び毎年顕彰しています。
授賞発表は2025年9月の予定です。
・宮沢賢治賞公式サイト:https://www.kenji.gr.jp/prize-2/
・小学館児童出版文化賞公式サイト:https://sho.jp/cpc_award
【あらすじ】
「ほんとうの幸い」って、何だろう?
県立野亜高校の図書室で活動する「イーハトー部」は、宮沢賢治を研究する弱小同好会だ。部長だった風見先輩は、なぜ突然学校から消えてしまったのか。高校生たちは、賢治が残した言葉や詩、そして未完の傑作『銀河鉄道の夜』をひもときながら、先輩の謎を追い、やがてそれぞれの「ほんとう」と直面する。今を生きる高校生たちの青春と、宮沢賢治の言葉が深く共鳴する感動長編。
【書籍情報】
『銀河の図書室』
・刊行日:2024年8月1日
・定価:1,870円(税込)
・体裁:四六判
・頁数:320頁
・書籍詳細ページ:https://www.j-n.co.jp/books/978-4-408-53859-4/
【著者プロフィール】

兵庫県生まれ。明治大学卒業。ゲーム会社に勤務した後、独立。2010年『交番の夜』で作家デビュー。著書に第5回エキナカ書店大賞を受賞した『ペンギン鉄道なくしもの係』、『金曜日の本屋さん』『江の島ねこもり食堂』『逃がし屋トナカイ』『ひねもすなむなむ』『文庫旅館で待つ本は』ほか多数。
『銀河の図書室』と同じ県立野亜高校が舞台の『図書室のはこぶね』(2022年単行本刊行、2025年8月文庫化)は、各地の司書が選ぶ「イチオシ本」に選定されるなど、幅広い世代から愛読されている。