TOPPANホールディングス株式会社
複数拠点の暑さ指数値などを常時モニタリング・一元管理が可能、2025年6月より事業者に義務化された熱中症対策を支援
TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:大矢 諭、以下 TOPPAN)と、TOPPANデジタル株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:坂井 和則、以下 TOPPANデジタル)は、TOPPANグループが提供するスマート点検支援サービス「e-Platch™」に、新機能として熱中症リスク可視化ソリューション(以下、本ソリューション)を追加しました。2025年8月1日より、製造業界、建設業界などを中心に提供を開始します。
本ソリューションは、LPWA規格「ZETA」の特長を活かし、電波が届きにくい環境や複数拠点における熱中症リスクを可視化することが可能です。WBGT(暑さ指数)計とデータ変換機器「ZETABOX™」を接続し、「e-Platch™」アプリケーションにてデータの閲覧・一元管理・ユーザー設定の値を超えた場合のアラート通知ができます。また、表示パネルとの連携により、WBGT値と気温を現場でも可視化し、リアルタイムで熱中症リスクを確認することができます。これにより、作業環境におけるWBGT値や温湿度などの表示・常時監視・自動記録を可能にし、2025年6月1日に施行された改正労働安全衛生規則による熱中症対策の義務化に対応した従業員の安全確保、記録・管理などの業務効率化に貢献します。

■ 開発の背景
2025年6月に施行された労働安全衛生規則の改正により、一定の条件を満たす作業(※1)を行う場合、事業者に具体的な熱中症対策が義務化され、違反した場合は罰則が適用されます。 熱中症による重篤な事故を防ぐための措置として、事業者は報告体制の整備、実施手順の作成、全従業員への周知が義務づけられています。また、熱中症リスクを評価するための指標であるWBGT基準値を超える場合には熱中症の予防・対策を実施することが挙げられています。
特に製造業や建設業では、機械や装置など設備周辺の高温になりやすいエリアや、屋外作業などの環境により熱中症による労災リスクは高まっており、対策が急務とされています。しかし、広大な敷地の中に管理が必要な拠点が点在する現場も多く、担当者の手作業での測定や記録・管理には人的コストがかかるほか、測定漏れや記録ミス、緊急時の対応遅れといった重大な事故につながる可能性のあるリスクを伴うという課題があります。
TOPPANとTOPPANデジタルは、このたび、2022年6月より提供しているスマート点検支援サービス「e-Platch™」の新機能として、「e-Platch™」のZETA通信による遠隔自動検針を活用した熱中症リスク可視化ソリューションを追加しました。本ソリューションの導入により、事業者の熱中症対策における安全管理体制の構築を支援します。
■ 「e-Platch™」の新機能「熱中症リスク可視化ソリューション」の特長
・計測・記録の自動化・多拠点の一元管理で、現場の管理負担を削減
WBGT値や温湿度などをセンサーが自動で常時監視し、データはクラウドに蓄積されます。これにより、これまで担当者が広大な敷地を巡回し、行っていた計測・記録作業の負荷を軽減します。また、全国に点在する工場や事業所も、一つのアプリケーションで統合的に監視可能なため、本社や管理部門の担当者は、場所を問わずに全拠点の状況をリアルタイムで把握できます。拠点横断での状況比較や、全社統一の安全基準の適用を容易にします。
・JIS規格準拠のWBGT計による正確な測定と現場でリアルタイムに熱中症リスクをお知らせ
厚生省労働省が事業者に使用を求めているJIS規格に準拠したWBGTセンサー(JIS B 7922:2023 CLASS1.5)と熱中症危険度表示パネル(鶴賀電機製造)を採用し、正確なWBGT値の測定と、現場のリアルタイムな熱中症危険度情報を提供します。パネルを現場に設置することで、管理部門だけでなく、現場の作業員もリアルタイムでWBGT値を確認でき、より能動的な安全行動を促します。
※表示パネルの連携は、オプション機能となります。
・熱中症対策から、工場全体のDXへ繋がる拡張性
「e-Platch™」は、温湿度センサーだけでなく、漏水やCO₂、電力使用量など、多様なセンサーを追加できるプラットフォームです。また、既存のアナログメーターに後付けするだけで遠隔監視を可能にするソリューションや、各種計測器のデータを無線化するデータ変換機器「ZETABOX™」により、大規模な設備更新を行うことなく、工場全体のDXを支援します。
■ 今後の目標
TOPPANグループは、本ソリューションを主に熱中症リスクの高い環境での作業が必要とされる製造業界、建設業界などへ提供していきます。熱中症可視化ソリューションをはじめとする「e-Platch™」のさらなる機能拡充・拡販を推進し、2025年度までに600件の導入を目指します。
■ スマート点検支援サービス「e-Platch™」について
「e-Platch™」は無線通信を使用し、点検作業に必要な各種データを自動収集し、見える化するシステムです。アプリケーションの活用により各センサーに設定した閾値を超えた際に自動でアラートメールが送信される為、点検負荷の低減が可能です。後付け設置が可能なDXソリューションで点検作業の業務改善をサポートします。
「e-Platch™」を導入したTOPPAN熊本工場では「e-Platch™」によるロス改善活動を進め、2023年度で従来の点検作業時間の約70%に匹敵する約380時間/月を削減。捻出したリソースで外部に委託していた作業を内部に取り込むなど業務の最適化や取得データを用いたロス改善を進めることで5,040万円/年の費用削減効果を確認しています。TOPPANでは顧客ごとの課題抽出や導入効果の試算などの提
案にも注力しており、「e-Platch™」を通じて多くの企業において経営課題となっている環境配慮型の工場運営にも貢献していきます。
「e-Platch™」製品紹介ページ: https://solution.toppan.co.jp/smartdevices/service/eplatch.html
※1 WBGT値28℃以上または気温31℃以上の環境で、連続1時間以上または1日4時間以上の作業
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以 上