東御市
文化と技を次代に伝える、現代刀剣界の名匠を紹介する一冊
全国に約300人しかいないとされる刀鍛冶の中でも、正宗賞受賞・無鑑査認定という極めて高い評価を受ける刀匠・宮入法廣(みやいり のりひろ)氏。
その歩みと仕事を紹介する冊子『刀剣作家 宮入法廣の仕事』が、このたび完成しました。

本冊子では、氏の生い立ちから修業時代、無鑑査認定・正宗賞受賞といった功績、さらには正倉院宝物や金錯銘鉄剣の再現といった代表的な仕事まで、年表・写真・作品解説などを交えてわかりやすく構成。刀剣に詳しくない方でも読み進めやすい内容になっており、日本刀文化への関心の入口としても最適です。
また、宮入氏が大切にしてきた「鉄そのものの美しさ」や「五カ伝の探求」、さらには地域との関わりや後進への想いも丁寧に取り上げ、文化資料としても読み応えのある一冊に仕上がっています。
宮入 法廣(みやいり・のりひろ)
1956年長野県生まれ。大学卒業後、刀剣界の第一人者・隅谷正峯氏に師事し、その後父・清平(清宗)氏のもとで修業を積む。
1995年に無鑑査刀匠に認定され、2010年には現代刀職展において最高位である正宗賞を受賞。正倉院宝物や金錯銘鉄剣の再現なども多数手がけ、現代刀剣界を代表する刀匠として国内外で高く評価されている。
冊子概要
タイトル:刀剣作家 宮入法廣の仕事
判型・ページ数:A4判/全24ページ/フルカラー
発行日:2025年6月15日
発行:東御市
デザイン:水野図案室
撮影:大井川茂兵衛(株式会社Hi-Bush)
助成:一般財団法人地域創造
主な掲載内容
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刀匠・宮入法廣氏の略歴と年表
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師匠・隅谷正峯氏や父・清平氏との関係
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無鑑査認定、正宗賞受賞までの道のり
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正倉院宝物刀子、金錯銘鉄剣など再現刀制作の裏側
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現代刀職展出品作品の紹介
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地域との関わりや刀剣文化普及の取り組み
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宮入氏の素顔(俳句、日本酒、陶芸等)
配布場所
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「刀剣作家 宮入法廣の仕事」(WEB版)は市公式ホームページでご覧いただけます。
https://www.city.tomi.nagano.jp/category/bunkazai/130432.html
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冊子をご希望の方は文化・スポーツ振興課文化振興係までお問い合わせください。(郵送対応はいたしかねます)
東御市における刀剣文化
長野県東部に位置する東御市は、歴史的にも優れた刀工の故郷です。
江戸時代末期、松代藩お抱えの刀工として仕え、長野県で活躍した山浦真雄と、その弟で江戸三作の一人と称される源清麿は、現代においても高い人気を誇る刀工です。
また、市内にはそうした刀工たちの足跡が残されており、現在も刀剣文化の継承と発信に力を入れた活動を行っています。
令和6年には、刀匠・宮入法廣氏をはじめ、東御市ゆかりの名工を紹介する企画展「東御の刀鍛冶―繋ぐもの―」が開催され、刀剣ファンのみならず幅広い世代に好評を博しました。
さらに、海野宿や湯の丸高原など、自然と歴史が融合した地域環境の中で、刀剣文化は今もなお息づいています。
伝統と創造が交差するまちとして、東御市はこれからも刀剣文化の発信地であり続けます。
お問い合わせ先
東御市 文化スポーツ振興課 文化振興係
担当:小暮、目黒
TEL:0268-71-0670
E-mail:bunka@city.tomi.nagano.jp