Criacao Shinjuku
地域連携プロジェクトを開始
宝塚大学 東京メディア芸術学部(新宿区)、成女高等学校(新宿区)、JFL所属サッカークラブのクリアソン新宿、およびNPO法人SoELa(神奈川県川崎市)は新宿区の協力のもと、新宿区の生態系や環境課題を楽しく学べるカードゲーム「マイアース新宿版」の制作プロジェクトを共同で開始しました。
本プロジェクトは、NPO法人SoELaが展開している対戦型トレーディングカードゲーム「マイアース」をベースに、新宿区の自然環境や地域性を反映したオリジナル版の制作に挑むものです。

■「マイアース」とは
「マイアース」は2008年、慶應義塾大学の学生によって開発された環境教育カードゲームです。プレーヤーは「地球温暖化チーム」と「生物多様性チーム」に分かれて対戦し、人間の活動が環境に及ぼす影響などを、ゲームを通して学ぶことができます。パッケージは「海」「川」「陸」の3種類があり、全国の自治体や教育機関と連携した地域版の制作が進められています。クリアソン新宿が法人パートナー契約を締結している大日本印刷株式会社(以下、DNP)が「マイアース」の製造に関わっています。
■新宿版の特徴
1.高校生と大学生が中心となって制作
成女高校生物部の生徒たちが新宿区内の生態系を調査し、食物連鎖の実態を学びながら、カード制作を行います。また、宝塚大学東京メディア芸術学部の学生はカードのデザインやイラストなどクリエイティブを担当。若者たちが主体となって、自分たちの街、新宿の環境を学び、形にします。

2. クリアソン新宿のパートナーとの連携で特別カードも制作予定
プロジェクトには、クリアソン新宿のパートナーにも協力を呼びかけます。地域で活動する団体やパートナー企業の環境貢献を紹介する「特別カード」の制作も計画中です。
3.カード完成後は教育現場や地域イベントで活用へ
完成は2025年内を予定しています。その後は、新宿区内の地域イベント等で活用し、新宿の環境をさらに知り、環境保全への意識を育む教材として広く展開していく予定です。既に新宿区を介して柏木地区町会連合会、柏木地区青少年育成委員会とも協議を開始し、柏木地区での先行的な取組に向けた準備を進めています。
■連携の背景と経緯
本プロジェクトは、クリアソン新宿が法人パートナー契約を締結しているDNPが、マイアースの製造に関わっていることを契機に始まりました。そこから、包括連携協定を結ぶ新宿区の地域振興部と協議し、新宿区および同クラブと包括連携協定を結ぶ宝塚大学東京メディア芸術学部、さらに同大が高大連携協定を結ぶ成女高校へと連携が広がり、行政、学校とサッカークラブと企業が一体となって、さらに広げる取り組みへと発展しました。クリアソン新宿はNPO法人SoELaと共同でプロジェクトを取りまとめ、支えていきます。

■コメント
宝塚大学 東京メディア芸術学部 学部長 渡邉哲意
これまでクリアソン新宿さんとは様々な共同の取り組みを行ってまいりました。今回のお話をいただき、マイアースの内容から教育的効果もあり高校生も一緒に取り組む内容だと思いました。そこで宝塚大学と教育連携を結んでいる新宿区内の成女高等学校さんに声をかけさせていただき、快諾していただきました。このご縁を高大産官の取り組みに発展させ、新宿の活性化につながる取り組みにできればと思っています。
成女高等学校長 小泉潤
このお話が成女高校に来た時、「よくぞ選んでいただきありがとう」という気持ちでした。実は、私は小・中・高と新宿の市ヶ谷に住んでおり、そのことから無類の生物好きで、近くの公園や市ヶ谷のお堀などで、小さな生物を捕まえては自宅で飼育していました。都会にありながら小さな空き地は生物の宝庫でしたが、そこにビルが建つとその環境が破壊され、生物がいなくなってしまうのをとても悲しく思っていました。「大人はそこに住んでいた生物の事を知っているのだろうか」と環境と生物との興味は大きくなり、教員の道を目指したきっかけの一つとなりました。このゲームを通じて、子どもたちに新宿に生息している生物の多様さとその多様さを守るための環境の大切さを知っていただければと思います。
クリアソン新宿 営業部 原田亮
私がDNPの方からマイアースを初めて聞いたとき、「これは新宿の多くの方とともに創り上げ、後世に残せる取り組みになるのではないか」と感じました。高校生・大学生が主体となって制作し、ルールを教え、小・中学生が夢中になって楽しみ、それを企業・大人が支える。これを通じて大都会新宿においても生態系や環境に対して目が向くようになる。そんな活動に繋げられるよう、推進してまいります。
NPO法人SoELa 代表理事 岡部佳文
マイアースは全国各地の生態系をカードゲーム化し地域の子供達の環境教育教材を制作し体験会や環境授業で啓発活動を行っています。今回の新宿版で特筆すべきは、大都会東京の生態系がテーマということです。子供達が普段暮らしている都会でどんな生態系が構築されているのでしょうか?興味深い取り組みとなります。また大学生、高校生が制作する都会ならではの、人間の活動カードも楽しみです。
新宿区 地域振興部 部長 大柳雄志
このたび、「マイアース新宿版」の制作プロジェクトが、産官学・地域の連携によってスタートしたことを大変嬉しく思います。本プロジェクトは、宝塚大学東京メディア芸術学部や成女高等学校の皆さんをはじめ、クリアソン新宿、NPO法人SoELaといった新宿で活躍する多様な主体が、それぞれの強みを持ち寄り、新宿の自然環境や生態系を“楽しく学ぶ”という形で未来につなげていく、とても意義深い取り組みです。環境問題は、誰もが考え、関わらなくてはいけない重要なテーマです。このカードゲーム「マイアース」を通じて、子どもから大人までが、楽しく自然環境や生態系への関心を深められるというのは、まさに“新宿らしい”創造力に富んだアプローチだと思っています。新宿区は、引き続き、このプロジェクトに携わる皆さんの支援をさせていただきたいと考えております。このプロジェクトが教育の現場や地域のイベントなどを通じて広がり、多くの方々に“自然環境を大切にする心”が育まれていくことを願っております。