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第一弾は、評論家の與那覇潤さんによる教養講座――「推し」でも「アンチ」でもない生き方は可能か? 文芸評論の双璧「江藤淳と加藤典洋」に学ぶ
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【記念すべき第一弾は、評論家の與那覇潤さんによる教養講座!】
●與那覇潤さんが語る【「推し」でも「アンチ」でもない生き方は可能か? 文芸評論の双璧「江藤淳と加藤典洋」に学ぶ】
戦後昭和と平成のそれぞれを代表する、文芸評論家だった江藤淳と加藤典洋。
1999年、66歳にして自死した江藤は、没後25年にあたる昨年、復刊や関連書の発売が相次ぎました。また、戦後50年にあたる1995年に『敗戦後論』で大論争を呼び、令和にはいって最初の月(2019年5月)に病没した加藤典洋の不在を惜しむ声もまた、戦後80年目の今年に入って絶えません。
『成熟と喪失』『閉された言語空間』などで、戦後日本の現実に抱く違和感のゆえんを探り続けた江藤。『アメリカの影』での鮮烈な江藤批判でデビューし、本人とのたった一度の共演は喧嘩別れに終わりながらも、やがてその歩みを受け継ごうとした加藤。
これまででは「あり得ないこと」ばかりが続く世界で、社会や人間が根本的に壊れてしまったと感じ、現状を全否定する欲求が噴き出す現在。この人しか信じないと「推し」の言うことを鵜呑みにするか、相手がなにをやっても貶し続ける「アンチ」になるか。
両極化が進む分断の時代をケアし、乗り越えるヒントを、江藤と加藤が遺した批評は教えてくれます。今年5月に『江藤淳と加藤典洋 戦後史を歩きなおす』(文藝春秋)を上梓した評論家の與那覇潤氏に話を聞きました。
【こんな方におすすめ!】
・名前をよく聞く江藤淳と加藤典洋、または批評とは何かに興味のある方
・二極化した議論ばかりが横行する、息苦しい世の中に違和感を覚える方
・もはや湧きにくい「戦後80年」の実感を、文学の力で捉え直したい方
【出演者紹介】
與那覇潤(よなは・じゅん)
評論家。1979年生まれ。学者時代の専門は日本近代史。地方公立大学准教授として教鞭をとった後、双極性障害にともなう重度のうつにより退職。精神科医・斎藤環氏との共著『心を病んだらいけないの? ―うつ病社会の処方箋―』(新潮選書)で、2020年に小林秀雄賞受賞。21年、コロナ禍での歴史学界の堕落を批判し学者廃業を宣言。代表作に『中国化する日本』『知性は死なない』(ともに文春文庫)、『平成史』(文藝春秋)ほか。
聞き手・山内宏泰(やまうち・ひろやす)
愛知県生まれ。出版社勤務ののち、フリーランスライターに。文学、美術、写真、社会、教育、伝記などのテーマを扱う。著書に『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』など。作家・文学者の交流の場である「飯田橋文学会」でも活動。
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