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スーダン北ダルフール州でコレラまん延 64万人超の子どもに感染リスク ユニセフ、人道アクセス訴え 【プレスリリース】

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公益財団法人日本ユニセフ協会

北ダルフールのタウィラで、コレラの治療センターに入院している親子(スーダン、2025年7月31日撮影) © UNICEF/UNI841523/Jamal

【2025年8月3日 ポートスーダン発】

紛争下にあるスーダンの北ダルフール州でコレラの症例が急増していることを受け、ユニセフ(国連児童基金)は対応拡大に向けての準備を進めるとともに、支援を届けるための安全なアクセスや資金を緊急に要請しています。

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2025年6月21日に最初の症例が確認されて以来、北ダルフール州のタウィラでは1,180件以上のコレラの症例(うち推定300件は子ども)が見つかり、少なくとも20人が命を落としたと報告されています。これは、今年4月以降、激しい戦闘から逃れてきた国内避難民50万人以上を受け入れたタウィラで、症例が急増したことを示しています。

 

7月30日時点で、ダルフール地方の全5州におけるコレラ症例数は約2,140件に達し、少なくとも80人が亡くなったことが確認されています。

 

今年 4 月以降、北ダルフールでの紛争が激化しており、5 歳未満の子ども64 万人以上の命が、コレラに加え、暴力、疾病、飢餓の危険にさらされています。数十万もの人々が、戦闘が続く州都エル・ファーシルから、約70キロメートル離れたタウィラへの避難を余儀なくされています。タウィラに到着した人々は、食料や水、避難所が足りていないことに加え、病気の脅威が拡大する危険な状況に直面し続けています。

多くの避難民が集まる、北ダルフールのタウィラの様子(スーダン、2025年4月16日撮影) © UNICEF/UNI781060/Jamal

北ダルフールでは病院が爆撃され、戦闘地域周辺にある保健医療施設は、閉鎖を余儀なくされています。これに伴い人々の保健医療へのアクセスが著しく制限されていることに加え、清潔な水の不足と劣悪な衛生環境が、特に過密な避難所において、コレラや他の致命的な疾病がまん延する危険性を高めています。

 

最近の調査によると、北ダルフールで重度の急性栄養不良に苦しむ子どもの数は、この 1 年間で 2 倍に増加しています。これはコレラと重なることで、致命的な組み合わせとなります。飢えによって体が弱っている子どもは、コレラに感染しやすく、感染によって命を落とす危険も一層高まるからです。命を守るための栄養や、保健医療、水の提供をただちに、かつ安全に受けられない状況が続くと、予防可能だったはずの疾病で子どもが亡くなるリスクが、高まり続けるでしょう。

 

ワクチンやすぐに食べられる栄養治療食(RUTF)などの命を守るための物資は、ほとんど底を突いています。人道アクセスがほぼ全面的に遮断され、援助物資の輸送車両隊は略奪や攻撃を受けているため、その補給もますます困難になっています。物資やサービスの提供に対する煩雑な行政上の手続きが依然として続いていることで、状況がさらに深刻化しています。

北ダルフールのタウィラにあるユニセフが支援する診療所で、栄養治療食を口にする子ども(スーダン、2025年5月4日撮影) © UNICEF/UNI789976/Jamal

ユニセフ・スーダン事務所代表のシェルドン・イェットは次のように述べています。「コレラは予防可能で治療も容易であるにもかかわらず、タウィラをはじめとするダルフール各地で猛威を振るい、特に、最も幼く最も脆弱な子どもの命を脅かしています。私たちは、現地のパートナーと協力し、感染拡大を抑制し命を守るために全力を尽くしています。しかし、絶え間ない暴力により、支援のニーズが私たちの対応能力を上回るペースで増大しています。ユニセフは、この状況を早急に打開し、必要とする子どもたちに支援を届けるため、安全かつ妨げのないアクセスを確保するようこれまで同様引き続き訴えていきます。彼らには、1日たりとも待つ余裕はありません」

 

ユニセフは、保健、水と衛生(WASH)、コミュニティの関与など、あらゆる面において、集団感染から命を守る対応に取り組んでいます。タウィラでは、経口補水塩(ORS)のパックが配布され、ユニセフが支援する給水トラックの運行、給水施設の修復、水貯蔵システムの設置により、約3万人が、塩素処理された安全で清潔な水に毎日アクセスできるようになりました。ダバ・ナイラでは、15万以上の人々に衛生用品が配布され、家庭での水処理に塩素錠剤が活用されています。

 

ユニセフは、感染拡大を抑制し、人々の回復や制度の立て直しなどを支援するため、140万回分を超える経口コレラワクチンを配布する準備を進めており、またパートナーと連携してコレラ治療センターの強化に取り組んでいます。配布物資には、コレラキット、せっけん、プラスチックシート、トイレ用厚板も含まれます。ソーシャルメディアや、対面での会話を通じたコミュニティへの啓発活動により、予防と早期治療に関する意識が高まっています。ユニセフはまた、コレラ緊急対応室の設置を取りまとめました。それは現在、パートナー間で週2回行われる会議の拠点として機能しています。さらに対応の最前線においては、ユニセフの技術専門家が現地のケースマネジメント、状況把握、感染予防、地域保健ボランティアの訓練を支援しています。

 

ユニセフは、タウィラおよびダルフール地方全州の子どもに支援を届けるための、持続的かつ妨げのない安全なアクセスを直ちに確保し、彼らの命が失われることを防ぐよう、スーダン政府およびすべての関係者に引き続き要請しています。

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■     注記

ユニセフは集団感染の拡大を食い止め、命が失われることを防ぐため、保健、水と衛生、社会・行動変容の分野におけるスーダンでの緊急コレラ対策に、3,060万米ドルの追加資金を緊急に必要としています。

 

2024年8月12日に公式に集団感染が宣言されて以来、スーダンの18州のうち17州で9万4,170人以上のコレラの症例と2,370人以上の死亡が報告されています。

 

ユニセフは、他国連機関を含むパートナーと、ワクチン提供に関する国際調整グループ(ICG)の枠組みを通じて協力し、140万回分を超える経口コレラワクチンを供給する準備を進めています。最も脆弱な人々への迅速かつ効果的な保護を担保するため、この連携において、ユニセフはワクチン調達、コールドチェーン、コミュニティの関与を取りまとめています。

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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(https://www.unicef.org )

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。(https://www.unicef.or.jp )

出典:PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ (2025年8月5日 16時09分)

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