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OptQCがNEDO「ポスト5G研究開発事業」に採択

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OptQC

国産光量子コンピュータ、1万量子モードの実用化へ始動

光量子コンピュータの開発を行うOptQC株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役CEO:高瀬 寛)は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(以下、本事業)」において、2件の研究開発テーマで採択されました。

1件目は、OptQCが単独で実施する光量子コンピュータ本体の開発に関するテーマ(以下、テーマ1)で、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)との共同研究体制のもと、10,000量子モードに対応する次世代光量子プロセッサの開発を進めます。
2件目は、光子数識別器と呼ばれる量子誤り訂正に不可欠な要素デバイスの開発に関するテーマ(以下、テーマ2)で、こちらは産総研とOptQCが共同で取り組みます。

本件は、NEDOより2025年7月31日付で公表されております(採択一覧PDF資料)。

目次

光方式により、世界最大級の量子プロセッサの実現を目指す

OptQCは、東京大学で長年にわたり蓄積されてきた光量子技術を基盤に、2024年に設立されたスタートアップです。光方式は、室温動作、高スループット、光通信技術との親和性などの利点を持ち、従来方式に比べて構造的なスケーラビリティに優れるとされています。特に、空間的な並列化ではなく、時間軸上で量子モード(※)を多重化できる「時間領域多重」は、大規模化を見据えた有望なアプローチとして注目されています。

しかし実際にスケーラブルな光量子プロセッサを構築するには、ひとつ大きな壁があります。それが「高速性と量子性のトレードオフ」です。時間領域多重方式では、計算速度を高めるほど時間あたりに扱える量子モード数が増えるため、高速化がそのまま量子コンピュータの大規模化につながります。その一方で、高速化にともない高い量子性を維持するのが難しいという制約が存在します。このため、高速化と量子性の両立が長らく課題とされてきました。

テーマ1では、このトレードオフを「ノイズレス光増幅」という先進的な技術によって根本的に克服します。時間領域多重とノイズレス光増幅の融合により、高速かつ高い量子性を両立した新しい光量子プロセッサの構成技術を確立し、世界最大級となる10,000量子モードの制御を実現します。これにより、ポスト5G時代の計算基盤としての可能性を示すとともに、AI、量子化学、材料設計など多様な産業分野への応用が期待されます。

※量子モード:量子ビット(離散的な二準位系)を連続的な無限次元に一般化した概念

本事業の位置づけと、他事業との連携による波及効果

テーマ1は、産総研G-QuATで構築中の商用1号機の知見を踏まえ、その後継機としてスケールと性能の大幅な向上を図るものです。特に今回開発するプロセッサは、1号機の100倍にあたる10,000量子モードに対応し、光方式ならではの拡張性を実証します。

さらにOptQCは、テーマ1を通じてプロセッサ本体の開発を担うとともに、テーマ2を通じて量子誤り訂正に不可欠な光子数識別器の開発にも産総研と共同で取り組みます。こうした本体と周辺部素材の連携によって、光量子コンピュータ全体の性能向上が期待されます。

また、OptQCが運営する光・量子技術メンバーシップ制度「HIQALI(ヒカリ)」には、20社を超える企業が参加しており、量子技術の社会実装に向けたセミナーや技術レクチャーを通じて連携を進めています。商用1号機の利用開始に向けた準備段階として、実証や操作支援に先立つ理解促進と対話の場を設けており、得られたフィードバックはプロセッサ設計や実装仕様にも反映されています。

OptQC代表取締役CEO 高瀬 寛 コメント

NEDOの研究開発事業に採択いただいたことを、大変光栄に思います。量子コンピュータの実用化においては、単体の計算装置だけでなく、それを支える部素材や評価基準、産業連携が不可欠です。

私たちは“光”という日本が得意とする技術に立脚し、性能とスケーラビリティを両立した計算装置を世界に先駆けて実証したいと考えています。今回の事業は、商用化と社会実装を見据えた大きな一歩であり、産総研をはじめとするパートナーと共に、グローバルに通用する光量子コンピュータ技術の確立を目指して邁進してまいります。

会社概要

会社名:OptQC株式会社
所在地:〒171-0022 東京都豊島区西池袋1-21-7 住友不動産池袋西口ビル 10階
代表者:代表取締役CEO 高瀬 寛
設立:2024年9月2日
事業内容:光量子コンピュータの研究・開発・提供
URL:https://www.optqc.com/

本件に関するお問い合わせ先:OptQC株式会社 広報担当(E-mail: press@optqc.com)

出典:PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ (2025年8月6日 07時00分)

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