株式会社スタジオテイル
他人の人生に触れることで、視野が広がる。73%が自伝を「生き方・働き方のヒントを得る手段」と回答%

私たちは自分の人生を選ぶことしかできません。しかし、自伝を開けば、自分とはまったく違う時代や環境を生きた人々の声に出会えます。
『みんなの転職「体験談」。』( https://studio-tale.co.jp/career-stories/ )では、20~60代の読者400名にアンケートを行い、「人生観が変わった」と感じた自伝を自由回答で挙げてもらいました。
アンケート概要
テーマ 「人生観が変わったおすすめ自伝アンケート調査」
集計期間:2025年7月1日~2025年7月31日
ランキング形式:複数回答可とし、ひとつの作品に対する総ポイント(全体投票+特におすすめとして挙げた票)で順位付け
調査機関:自社調査(インターネット)
回答者:20代~60代 の社会人(全401名 20代:49名 30代:116名 40代:128名 50代:68名 60代以上:40名)
400人が選んだ「人生観が変わった」自伝ベスト20

選ばれた作品は、古典的名著から近年出版された作品まで幅広く、ジャンルもビジネス書やエッセイ、漫画と多岐にわたりました。
以下の表は順位、作品名・著者、票数(全体投票数/特におすすめとして挙げた票の合計)をまとめたものです。

順位 |
作品・著者名/ポイント |
概要 |
---|---|---|
20位 |
『毎日が冒険』高橋歩/4pt |
バーを開き出版社を立ち上げ、世界を旅して村づくりまで手がけた冒険家の半生。 |
19位 |
『社長失格』板倉雄一郎/5pt |
通信会社ハイパーネット創業者が会社の倒産と自己破産に至る経緯を赤裸々に明かす。 |
18位 |
『水木しげる伝』水木しげる/6pt |
戦地で腕を失いながら妖怪漫画家として歩んだ水木しげるの半生を描く。 |
17位 |
『失踪日記』吾妻ひでお/7pt |
仕事の重圧から失踪し依存を経て再生する漫画家の体験をユーモラスに語った回想録。 |
16位 |
『福翁自伝』福沢諭吉/8pt |
明治の啓蒙家・福沢諭吉が生い立ちや学問への情熱、欧米視察や慶應創設を振り返る。 |
15位 |
『浅草キッド』ビートたけし/9pt |
浅草のストリップ劇場を舞台に芸人修業と師弟の絆を描いた青春回想。 |
14位 |
『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル/10pt |
アウシュビッツでの収容所体験をもとに、極限下で人が生きる意味を見いだす姿を描く書。 |
13位 |
『不恰好経営』南場智子/11pt |
DeNA創業者が起業から上場までの失敗や葛藤を率直に振り返る奮闘記。 |
12位 |
『かくかくしかじか』東村アキコ/13pt |
厳格な師との出会いを通じて挫折やスランプを乗り越え漫画家になるまでを描くエッセイ漫画。 |
11位 |
『幸せのちから』クリス・ガードナー/15pt |
ホームレス状態から証券ブローカーへ成功したクリス・ガードナーの実話。 |
10位 |
『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』長谷部誠/16pt |
サッカー日本代表キャプテンの経験に基づく56のメンタル習慣を紹介。 |
9位 |
『生き方』稲盛和夫/18pt |
稲盛和夫が人生と仕事の意味を探り、自身の経験を基に生き方を考える一冊。 |
8位 |
『SHOE DOG(シュードッグ)』フィル・ナイト/24pt |
ナイキ創業者フィル・ナイトが資金繰りや葛藤を乗り越え世界的ブランドを築く過程を回想。 |
7位 |
『チャップリン自伝』チャールズ・チャップリン/27pt |
ロンドンの貧困からハリウッドの成功まで、喜劇王の歩みと社会へのまなざしを綴る。 |
6位 |
『だから、あなたも生きぬいて』大平光代/28pt |
いじめや暴力団生活を経て弁護士となった著者が再生への道を語る。 |
5位 |
『五体不満足』乙武洋匡/30pt |
手足のない身体で学びやスポーツに挑戦し、人々との支え合いを描いた自伝。 |
4位 |
『道をひらく』松下幸之助/32pt |
松下幸之助が体験をもとに仕事や人生の心得を短い文章で語る随筆集。 |
3位 |
『奇跡の人ヘレン・ケラー自伝』/37pt |
視覚と聴覚を失った少女が言葉と出会い世界を広げる過程を綴った回想録。 |
2位 |
『窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子/39pt |
電車の教室で学ぶ少女が個性を認められながら成長するともえ学園の日々を描く。 |
1位 |
『アンネの日記』アンネ・フランク/48pt |
ナチス占領下で隠れ家に潜む少女が日常と希望を綴った世界的に読まれる日記。 |
上位に挙げられた作品には、「過酷な環境でも希望を失わない姿勢」や「自分らしく生きる力強さ」といった共通点がありました。
1位の『アンネの日記』は、ナチスの迫害を受ける中でも未来への夢を持ち続けた13歳の少女の記録で、多くの読者が「どんな状況でも希望を持ち続ける大切さ」を感じ取っています。
2位の『窓ぎわのトットちゃん』は、電車を教室にした学校でのびのびと学ぶ少女の物語で、「他人と違っても良い」というメッセージが支持されました。
3位の『奇跡の人ヘレン・ケラー自伝』では、視覚と聴覚を失ったヘレン・ケラーが言葉と出会い世界を広げていく過程が描かれ、困難に挑む姿に勇気づけられたという声が多く寄せられました。
中盤から後半にかけては、経営者や芸人、漫画家といった職業人の自伝が並びます。
『SHOE DOG』や『不恰好経営』では、表舞台の裏にある資金繰りや仲間との葛藤が赤裸々に描かれ、成功の陰にある苦労が共感を呼びました。
また、『失踪日記』や『福翁自伝』などは、社会の光と影をユーモラスに描いたり、反骨心あふれる姿勢を伝えたりする作品として票を集めました。
読者が自伝に求めること

アンケートでは、作品のランキングだけでなく「自伝にどんな価値を感じるか」も自由記述で尋ねました。寄せられた声を整理すると、大きく三つの視点に分けられました。
視野の広がり・価値観の変化


読者の思い |
代表的な感想 |
---|---|
自分とは違う時代や環境へのまなざし |
「別の時代を生きた人の視点から学ぶことで、自分の選択にも自信が持てた」 |
迷いや葛藤と向き合うきっかけ |
「他人の失敗や試行錯誤に触れ、自分のものさしが揺さぶられた」 |
自伝を読むことで、多くの人が「自分では選ばなかった人生への入り口」を見つけていました。異なる時代や職業、価値観に触れることで自分の考えが揺らぎ、新しい視点が生まれるといいます。
あるクリエイティブ職の男性は「他人の人生に触れることで視野が広がり、自分の選択に自信が持てるようになった」と語り、営業職の女性は「自伝には、自分では体験できない物語から教養を広げる力がある」と述べました。こうした声からは、自伝が人生を見つめ直すツールとして役立っている様子が伝わります。
励まし・心の支え


読者の思い |
代表的な感想 |
---|---|
落ち込んだときに勇気をくれる存在 |
「自伝を読むと『この谷を乗り越えよう』と背中を押してくれる」 「偉人も山あり谷ありの人生を送ってきたと知り、自分も頑張ろうと思えた」 |
悩みへの新しい視点 |
「成功や挫折の背景を知ることで、自分の悩みに対する見方が変わった」 「自分を肯定する言葉に出会い、心が深まった」 |
多くの回答者が、自伝を「心の支え」として読んでいることが分かりました。特に辛い状況にあるとき、著者が経験した挫折や再生の物語が励みになるようです。
ある女性読者は「どんな偉人にも山あり谷ありの人生があると知り、自分の谷を乗り越える勇気が出た」と話しています。
また、別の男性読者は「他人の人生を鏡のように映して、自分の悩みや迷いに新しい視点を得られた」と述べており、失敗談や葛藤に共感することで自己肯定感が育まれていることがうかがえます。
別の人生への「疑似体験」


読者の思い |
代表的な感想 |
---|---|
他者のストーリーや表現に触れたい |
「その人自身がどんな言葉で綴っているのかが興味深い」 「心に残った表現を日常会話でも使っている」 |
時間や経験を凝縮した学び |
「長い年月を経なければ得られない気づきが一冊に詰まっている」 「わずかな時間で別の人生を体験できることに価値を感じる」 |
現実では選べない人生を、読書によってなぞる――そう語る人も多くいました。
クリエイティブ職の女性は「自伝は他人のストーリーや価値観に触れられるもので、著者がどんな言葉で綴っているかが興味深い」と話し、50代の男性は「一冊に凝縮された経験を短時間で読めることに価値がある」と答えています。
自伝を読むことで、現実では経験できない人生を疑似体験し、その表現や感情に触れる楽しさを味わっている様子が伺えました。
おわりに
今回のアンケートから、自伝が単なる読み物にとどまらず、読者にとって「もう一つの人生を生きるための道具」となっていることが明らかになりました。他人の人生に寄り添うことで、自分の視野が広がり、心が励まされ、疑似体験から洞察を得ることができる――そうした魅力が、作品選びや読書の動機を支えています。
アンケート結果の詳細および回答者のそのほかのコメントについては、以下サイトにて紹介しています。合わせてご参照ください。
『人生が変わる!読んでよかったおすすめ自伝20選|共感・気づき・勇気をくれる一冊』
https://studio-tale.co.jp/career-stories/guide/autobiography-ranking/
情報サイト:みんなの転職「体験談」。