株式会社T2
自動運転トラック分野で初 各社の燃料を試験利用へ
株式会社T2（東京都千代田区、代表取締役CEO：熊部 雅友）は、出光興産株式会社、伊藤忠エネクス株式会社、株式会社宇佐美鉱油、宇佐美グループの三和エナジー株式会社、ENEOS株式会社、ENEOSグループの株式会社ENEOSウイングおよび太陽石油株式会社の石油業界7社と、トラックドライバー不足を背景に今後普及が見込まれる自動運転トラック向けに、CO₂排出量の削減に貢献する「カーボンニュートラル燃料」（以下、「CN燃料」）の利用を拡大すべく、燃料の試験利用を通じた給油オペレーションの改善活動など、相互に協力していくことで合意しました。
自動運転トラックの分野において、広く石油業界とCN燃料の利用拡大を推し進めていく取り組みは今回が初めて*¹となります。
CN燃料をめぐっては、カーボンニュートラル社会の実現を目指して国を挙げて普及活動が進められる一方、現状では給油スポットの数が限定されている上、一部の燃料については給油時に手続きが必要となるなど、オペレーションの煩雑さが利用者にとって課題とされています。
こうした状況に対し、T2では、ドライバーの乗車を必要としないレベル4*²自動運転トラックによる幹線輸送*³を2027年から開始すべく、高速道路のインターチェンジ付近に、自動運転（高速道路）と有人運転（一般道）を切り替える拠点の開発を進めており、拠点の敷地内に給油スポットを整備しやすい特徴があります。さらに、長距離輸送を前提とする自動運転トラックでCN燃料を積極的に用いればCO₂排出量の削減に一定寄与できると見込まれるため、自動運転トラックは今後CN燃料の利用を拡大させていく上で鍵になりうると考えています。
今回の合意ではT2が石油業界各社からCN燃料の供給をそれぞれ受けた上で、自社の自動運転トラックで試験的に利用します。まず、T2がパートナー企業と実施中のレベル2*⁴自動運転トラックを用いた実証から取り入れつつ、2025年7月より開始した商用運行*⁵における利用も検討していきます。
第一弾として、▼軽油にバイオディーゼル燃料を5％未満混ぜた「B5軽油」を宇佐美鉱油および三和エナジーから、▼廃食油や廃動植物油脂を主な原料とし、CO₂排出量を実質100%削減可能*⁶な次世代の軽油代替燃料として期待される「リニューアブルディーゼル」を伊藤忠エネクスから供給を受け、住友化学グループとT2ですでに始めている実証*⁷で2025年中にも利用する予定です。あわせて、本実証の状況も踏まえながら、▼B5軽油を利用してもなお排出される残り95%のCO₂に対してカーボンクレジットを付与することで、使用した燃料油の100％分をオフセット*⁸できる、出光興産の「出光カーボンオフセット fuel B5 軽油」（ICOF B5）の利用も視野に入れていきます。
さらに、▼二酸化炭素と水素を原料として石油に代替する燃料として注目される「合成燃料」については、パートナー企業との実証において、将来的にENEOS、宇佐美鉱油、三和エナジーおよびENEOSウイングと利用方法を検討していくほか、▼西日本に主要な基盤を置く太陽石油とはCN燃料の安定供給のあり方を協議していきます。こうした個別の取り組みについて、今回合意した各社との間で進捗を順次共有していくことで、給油オペレーションなどの課題の抽出および改善活動につなげていきます。
*¹ T2調べ（2025年8月7日時点）
*² 特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態（参照：https://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf）
*³ 工場で生産された商品を全国の配送拠点に主要な輸送ネットワークを通じて効率的に運ぶこと
*⁴ ドライバーの監視のもとに行われる特定条件下での高機能自動運転
*⁵ 本件に関するリリース：https://t2.auto/news/2025/0701.pdf
*⁶ 温対法・省エネ法に基づく
*⁷ 本件に関するリリース：https://t2.auto/news/2025/0508.pdf
*⁸ 排出したCO2を植林や再生可能エネルギーの活用などによって得られたカーボンクレジットで相殺し、環境負荷を軽減する仕組み
会社概要
本社所在地：東京都千代田区内幸町二丁目2番3号 日比谷国際ビル１階
代表者：代表取締役CEO 熊部 雅友
設立日：2022年8月30日
事業内容：自動運転システムの開発、レベル 4 自動運転トラックによる幹線輸送サービス事業、幹線輸送に付随した関連サービス事業、その他関連サービス事業
企業サイト：https://t2.auto/