Basque Trade & Investment
バスク州政府貿易投資事務所(BT&I)と日本貿易振興機構(ジェトロ)の呼びかけにより、2025年5月20〜22日開催の「WHS2025」において、両地域の水素関連企業が30件超の商談を行いました。
■ バスク州の情報
・スペイン北部に位置するバスク州は、製造業を強みとする伝統的なものづくり地域です。かつての主要産業である鉄鉱石採掘や造船で培った技術力とノウハウが、現在も基幹産業の中核を担っています。
・1970年代の経済危機を契機に、抜本的な産業構造改革を伴う都市計画の包括的な見直しに着手し、のちに「ビルバオ効果」として世界的に注目される都市再生を実現しました。
・州データ:人口約220万人|面積7,234 km2 (いずれも宮城県とほぼ同等)
・代表的な産業:自動車、エネルギー、ICT、機械・工具、環境技術、バイオメディカル etc.
・工業力: 州GDPの25%を工業が占める(日本は約20%)。産業クラスター制度、専門人材の育成、投資促進、技術革新のためのエコシステム整備など、戦略的な域内産業政策を遂行。
・革新性: 強靭な産業エコシステムを基盤とした欧州屈指の革新地域。欧州委員会の「European Innovation Scoreboard」では、スペイン最高位のスコアで「強力な革新地域」に分類。
・独立性: 中央政府から移譲された税の徴収・管理権限に基づく高度な自治権を背景に、独自の財政政策を伴う長期的な産業戦略を推進。

□ バスク州の水素産業: 「バスク水素回廊(BH2C)」
バスク州では、産官学の緊密な連携を土台に、水素の製造から貯蔵・輸送・利用に至る域内のバリューチェーンの構築を目的とする「バスク水素回廊(BH2C)」の整備を進めています。バスクはEUの水素供給の要所に位置づけられていることから、EUの政策とも連動しています。
※ 詳細は過去のPR TIMES記事:「日本企業向けに「バスク州水素産業ウェビナー」を開催。バスク州の水素サプライチェーンの強みを生かした協力体制の基盤づくりに」をご覧ください。
■ 「World Hydrogen 2025 Summit & Exhibition」でのBtoBマッチング
バスク州政府貿易投資事務所(BT&I)は、日本貿易振興機構(ジェトロ)と連携し、2025年5月20日〜22日にオランダ・ロッテルダムで開催された「World Hydrogen Summit & Exhibition(WHS2025)」において、バスク企業14社と日本企業約30社によるBtoBマッチングを実施しました。30件を超える商談が行われ、水電解部品、供給インフラ、脱炭素技術など、水素関連の幅広い分野が取り上げられました。
参加した日本企業からは、「大企業から中小企業、地域機関・研究機関まで、バスクの多様なステークホルダーと接点を持つことができて有意義だった」、「中長期的な協力の可能性を探る良い機会となった」、「水素関連事業はやや停滞気味な側面もあるが、将来を見据えて連携を深めていきたい」など、前向きな声が多く寄せられました。また、ジェトロの関係者からも「期待を上回る成果だった」と評価されるなど、バスク州が日本にとって有望な連携先となりうることを改めて示すことができました。
今回のマッチングは、産官学の強固なコミットメントや「バスク水素回廊(BH2C)」に代表される水素関連事業への継続的な取り組みを通じて、バスク州のような小規模な地域でも日本企業の有力な事業パートナーとなり得ることが示されました。



□「WHS2025」に参加したバスク企業

バスク企業・団体 |
web |
ABC Compressors |
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Alerion |
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Basque Energy Cluster (BEC) |
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Basque Trade & Investment (BT&I) |
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Basque Hydrogen Corridor (BH2C) |
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Calvera Hydrogen |
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Ceit |
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Ente Vasco de la Energía (EVE) |
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H2SITE |
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Iberdrola |
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Sener |
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Talleres Hadimek |
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Tecnalia |
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Tubacex |
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Tubos Reunidos |
※ WHSに出展した日本企業はWHSウェブサイトからご確認ください(マッチングに参加していない企業を含みます)
■ 本件に関するお問い合わせ
バスク州政府貿易投資事務所・浦山|yurayama@basquetrade.eus