エーザイ株式会社
国立長寿医療研究センター監修のもとエーザイ提供の「認知機能低下リスクの低減に寄与する宅配食/ミールキット開発の手引き」等をもとに、ウェルネスダイニングがMCIと認知症の疾患啓発活動・宅配食の開発に着手

エーザイ株式会社hhceco事業戦略部(東京都、以下 エーザイ)は、このたび、ウェルネスダイニング株式会社(東京都、以下 ウェルネスダイニング)と認知機能低下および認知症のリスク低減に向けて、疾患啓発活動および公衆栄養の向上をめざした連携を開始したことをお知らせします。
健康的な食事は成長や発達、疾患予防など、生涯を通して極めて重要な役割を果たし、近年では、認知症やMCI(軽度認知障害)の予防にも有効である可能性が報告されています。認知機能低下の早期発見と早期対応の重要性に関する理解が高まる中で、適切な食事は認知症リスク低減の重要な選択肢の一つと考えられています。
エーザイは、生活習慣病に配慮した宅配食を展開するウェルネスダイニングと連携し、生活者に対するMCIを含む認知症への理解促進と早期対応を支援する疾患啓発を行います。今後、両社は以下の3つの取り組みを進めます。
1.疾患啓発活動の推進に向けた知識の向上
エーザイは当社が持つ認知症領域の知見を活用しMCIおよび認知症に関する教育を、ウェルネスダイニングの管理栄養士・スタッフへ実施し、疾患啓発活動の推進に向け、知識を向上させます。
2.疾患啓発活動
エーザイは、ウェルネスダイニングの宅配食利用者に対して、MCIや認知症に関する情報を、管理栄養士による電話での個別フォロー、チラシ、メールマガジン等を通じて定期的に提供し、疾患啓発を行います。
3.認知機能低下リスク低減に寄与する宅配食メニューの開発
エーザイは、国立長寿医療研究センター監修のもと作成した「認知機能低下リスクの低減と栄養に関するガイダンス」および「認知機能低下リスクの低減に寄与する宅配食/ミールキット開発の手引き」を、ウェルネスダイニングの宅配食メニューの開発のために提供します。
エーザイはヒューマン・ヘルスケア(hhc)理念に基づき、公衆栄養の社会実装を推進しており、ウェルネスダイニングがエーザイのhhc理念に賛同し、今回の連携に至りました。両社は、「食」と「情報提供」を通じて認知機能低下および認知症のリスク低減をめざします。
エーザイは、他産業との連携による認知症エコシステムを構築することで、社会的インパクトを創出し、誰一人取り残さない「認知症と共生する社会」の実現をめざしています。今回のウェルネスダイニングとの連携を通じて、“食”の面からの人々のウェルビーイングと認知症対策に貢献して参ります。
以上
参考資料
1.「認知機能低下リスクの低減と栄養に関するガイダンス」および「認知機能に関する学術知見を活用した、宅配食/ミールキット開発の手引き」について
エーザイは、WHOが提供する栄養的介入の観点から、国立長寿医療研究センターの櫻井孝研究所長等の論文を含めた8,269件の国内外論文をレビューし、国立長寿医療研究センターの監修のもと、食品関連企業がアカデミアの知見を活かして新たな事業を行えるよう、「認知機能低下リスクの低減と栄養に関するガイダンス」と「認知機能に関する学術知見を活用した、宅配食/ミールキット開発の手引き(=認知機能低下リスクの低減に寄与する宅配食/ミールキット開発の手引き)」を取りまとめました。
<認知機能低下リスクの低減と栄養に関するガイダンスの概要>
高齢期は、糖尿病などの生活習慣病を意識した過栄養予防から、フレイル対策を意識した低栄養予防へとシフトする時期であり、同時に認知症の発症リスクが高まる時期でもあります。認知機能低下を伴う高齢者では、嗜好や食生活の変化により過栄養のリスクが高まる場合や、身体機能や活動量の減少等により摂食量が低下して低栄養のリスクが高まる場合もあり、一般の高齢者よりも栄養の過不足が生じやすいといわれています。本ガイダンスでは、国内外の認知機能低下リスクを低減する栄養素や食事に関する研究をレビューし、どのような食事が認知機能低下リスクを低減する可能性があるのかについて理解を深めることを目的としています。
<認知機能に関する学術知見を活用した、宅配食/ミールキット開発の手引きの概要>
一般の宅配食/ミールキットメニューは、日本人の食事摂取基準(2020年版、最終更新:2020年1月21日)や日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(2023年4月公表)などを参考に策定されています。本手引きは、これらの基準を遵守した上で「認知機能に関する学術知見を活用した、宅配食/ミールキット開発のメニュー」を開発するための情報を、管理栄養士の方など、メニューを開発される皆さま向けにまとめた参照資料です。
2.ウェルネスダイニング株式会社について
「からだ想い、家族想いのあったか健康応援団」を企業理念に掲げ、制限食に特化した気配り宅配食や、嚥下対応のやわらか宅配食の企画・販売を行っています。社内に管理栄養士が常駐しており、食事制限中においても”食の楽しみ”を忘れず、前向きな気持ちになれるようなご提案やサポートを心がけています。宅配食を購入してもらうことが目的ではなく「健康になってもらうこと」を目的として、商品に関するご相談だけでなく普段のお食事についてのご相談も積極的に承ることで、健康な食生活をトータルサポートすることに努めており、“日本で一番、栄養相談を承る会社”を目指して参ります。
【会社概要】
所在地:東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル6階
代表者:代表取締役 中本 哲宏
設立:2011年6月
サービスサイト:https://www.wellness-dining.com
コーポレートサイト:https://www.wellness-dining.com/corporate/
3. エーザイ株式会社について
エーザイ株式会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念とし、この理念のもと、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」「グローバルヘルス領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
また、当社は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット(3.3)である「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に向けた活動に世界のパートナーと連携して積極的に取り組んでいます。
エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jp をご覧ください。