株式会社髙島屋
■2025年9月6日(土)~12月22日(月) ■高島屋史料館(大阪)

1831(天保2)年正月、京都で創業した高島屋。明治という新しい時代を迎えた時、呉服店の南側に段通店(敷物用織物の店)を開店し、装飾業を始めました。日本各地に洋風建築が増えていくにつれ、窓掛(カーテン)や壁張、壁掛、椅子張など、室内装飾織物の需要がたかまったこともあって、高島屋の装飾業は次第に軌道に乗り始めていきました。
1887(明治20)年には、宮城(皇居)再建にあたり、窓掛ほか装飾織物御用を拝命。これを無事に納めると、諸官省からの御用が高島屋へ相次ぎ、東京に支店を設置する契機となりました。さらに1897(同30)年、「宮内省御用達」の認可を受けると、御用はますます拡大していきました。
そして1915(大正4)年11月、近代初の即位礼となった大正大礼に際して、調度品御用を拝命。高島屋が納めた萬歳旙(ばんざいばん)をはじめとする色とりどりの旗は、即位礼を華やかに彩りました。この経験は1928(昭和3)年11月、昭和大礼における調度品御用拝命時にも活かされることになりました。
本展では、高島屋史料館が所蔵する近代皇室の「御用裂(ごようぎれ)」見本の数々を展観します。くわえて、高島屋の御用図案を手がけた図案家のひとり、中山冝一の図案集『國華』(港区立郷土歴史館蔵)を特別展示し、近代皇室の御用をつとめた高島屋の知られざる歴史をご紹介します。
【展示内容 ~近代皇室 御用裂の世界~】
※本展は会期をⅠ・Ⅱ部に分け、展示作品をすべて入れ替えて構成します。
第1章 皇居造営御用
明治という新しい時代に装飾業を始めた高島屋。日本人の生活様式が次第に洋風へと変化していくにつれて、室内装飾織物の需要が高まることを見据えた新しい事業でした。1887(明治20)年には皇居造営御用を拝命。窓掛など装飾織物を無事に納入すると、皇室はじめ各方面から高島屋への御用が相次ぐことになりました。


第2章 宮内省御用達
1897(明治30)年、高島屋は「宮内省御用達」の認可を受けました。いち早く皇室の御用達業者となった高島屋は、御料車の装飾織物や皇后の洋服地、東宮御所(現 迎賓館赤坂離宮)の内部装飾など、さまざまな御用をつとめていきました。



第3章 大正/昭和大礼御用
1915(大正4)年11月の大正大礼(天皇の即位式)に際して、高島屋は調度品御用を拝命しました。高島屋が「無上の光栄」として謹製した萬歳旛(ばんざいばん)や大錦旛(だいきんばん)など色とりどりの旛(旗)は、即位礼を華やかに彩りました。この経験は、1928(昭和3)年11月の昭和大礼における御用拝命時にも活かされることになりました。






【特別映像:皇居三の丸尚蔵館所蔵 皇室に納められた高島屋製「美術染織品」】
皇室に納められた高島屋製の刺繍壁掛や屏風、ビロード友禅額などを映像でご紹介します。会期中、多目的ルームにおいて上映します。
【イベントご案内】
① 講演会「大正・昭和のご即位を彩った染織の美」
講師:田中 潤 氏(霞会館記念 学習院ミュージアム 研究員)
日時:10月5日(日)午後1時~午後2時30分
会場:多目的ルーム
定員:20名
② 講演会「近代皇室の御用をつとめた高島屋」
講師:高井 多佳子(高島屋史料館 研究員)
日時:11月9日(日)午後1時~午後2時30分
会場:多目的ルーム
定員:20名
※①②いずれも参加無料、要申込み、抽選制 です。当館ホームページよりお申込みください。
学芸員による「企画展ギャラリートーク」
会期中の第1・第3土曜日 午後2時から(約30分)
※お申し込み不要、開始時間までにロビーにお集まりください。
開催概要
【展覧会名】 リニューアルオープン5周年記念展「Imperial Warrant 皇室の御用達」 【会期】2025年9月6日(土)~12月22日(月)
第Ⅰ部 9月6日(土)~10月27日(月)
第Ⅱ部 11月1日(土)~12月22日(月)
【会場】高島屋史料館 企画展示室 (大阪市浪速区日本橋3-5-25 高島屋東別館3階)
【開館時間】午前10時~午後5時 (入館は午後4時30分まで)
【休館日】火・水曜日 ※展示替休館:10月28日(火)~10月31日(金)
【入館料】無料