日本ミシュランタイヤ株式会社
※本リリースは仏パリで2025年7月3日発表した英文リリースの抄訳です。
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ミシュランは、タイヤと道路の摩擦により生じるタイヤ摩耗粉塵の排出量の評価において、欧州で最大の会員数を誇るドイツ自動車連盟※1から2回連続で圧倒的な優位性を認められました。
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タイヤの摩耗粉塵は、欧州「ユーロ 7規制※2」の対象となる世界で憂慮すべき課題です。
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ミシュランは20年にわたりイノベーションにおけるリーダーシップを活かし、タイヤの摩耗への理解とその削減に取り組んできました。
「すべてを持続可能に」を企業ビジョンとするミシュラン(日本法人本社:群馬県太田市、代表取締役社長:須藤元) は、2025年6月、厳格なテスト基準を用いることで知られるドイツ自動車連盟から発表された、新たな調査結果を公表しました。数多くのタイヤブランドによる160種類のタイヤ(サマー、オールシーズン、ウィンタータイヤを含む)を対象にしたタイヤの摩耗粉塵排出量の調査で、プレミアムブランド12社のタイヤの平均値と比べ、ミシュラン製タイヤは摩耗粉塵が26%少ない結果となりました。
ミシュランは、タイヤの寿命を通じて一貫して優れた性能を発揮する製品を提供するため、耐久性、粉塵排出量の削減、原材料の最小限の使用などに取り組んできました。上記の結果は、同社が追求してきた革新性による成果と言えます。そして、ミシュランのアプローチは、当然ながら粉塵排出量が少ないタイヤを実現します。ドイツ自動車連盟の調査でも、それが高い安全性とともに発揮されていることが示されています。
タイヤの摩耗粉塵は、欧州のユーロ 7規制が対象とする世界的な課題に
欧州だけ見ても、車両走行で発生するタイヤ摩耗粉塵は年間約50万トン排出されています。
2024年7月に制定されたユーロ7規制では、今後欧州市場で販売されるすべてのタイヤの摩耗粉塵量を明確にすることが可能となり、将来的には、ここで制定される基準に満たないタイヤは販売できなくなります。
この規格は明確に欧州におけるタイヤ粉塵排出量の大幅な削減を目指しています。
ミシュランの20年におよぶ取り組み ― タイヤの摩耗を解明し削減へ
ミシュランは、タイヤと路面の摩擦によって生じる摩耗粉塵排出量の軽減を目指して、20年以上にわたり革新を続けてきました。この取り組みにより、2015年から2020年の間に、タイヤの摩耗粉塵排出量を5%削減する革新技術の開発を実現しました。これは、同期間中に10万トンに及ぶタイヤ摩耗粉塵を削減したことに値し、同社は今後数年間で、この数値をさらに改善する目標を掲げています。
この目標を達成するため、ミシュランは研究開発に多額の投資 (2024年に7億8,600万ユーロ) を継続的に実施し、摩耗に関する理解を深めています。またミシュラングループは、その素材に関する専門知識と合わせて、長年にわたり、原材料の最適化に焦点を当てた設計戦略を基盤としてきました。
2023年末、ミシュランはフランス国立科学研究センター (CNRS) とクレルモン・オーベルニュ大学と共同で、研究施設「BioDLab」を設立しました。同研究所のミッションは、摩耗粉塵の生物劣化メカニズムに関する理解を深めること、および粉塵を環境に同化させるためのツール開発です。
この取り組みを通じて、ミシュランはタイヤの摩耗と粉塵の減少への理解をさらに深めることを目指しています。達成目標には、排出物質の削減、科学的根拠に基づく対応策の提供、さらに実際の技術的ソリューションの開発が含まれています。目標を達成するためには、厳格さと継続的な投資が不可欠です。
※1ドイツ自動車連盟 (Allgemeiner Deutscher Automobil-Club : ADAC)
※2ユーロ7規制:自動車の排出物を厳しく制限するEUの最新環境規制

ADACの調査報告書は以下よりご覧ください:
https://assets.adac.de/image/upload/v1749035559/ADAC-eV/KOR/Text/PDF/33478_dppcxx.pdf
【130年以上にわたりイノベーションを牽引】
ポリマー開発、プロセス工学、ハイテク素材の専門技術、データ活用、その他の多岐にわたる分野で、ミシュラングループは創業以来、イノベーションを優先事項の中核に据えてきました。これを継続的に実行するために、研究開発部門に多くを依存してきました。ミシュラングループは、世界中に6,000人以上の研究者を擁し、年間12億ユーロのイノベーション予算そして11,000件の有効特許を誇ります。これらを基にして、モビリティの向上や変化する生活の改善を目指し、あらゆるソリューションを継続的に開発しています。
【すべてを持続可能に】
ミシュランは「すべてを持続可能に」という企業ビジョンのもと、人(People)、地球(Planet)、利益(Profit)三方良しの理想を叶え、2050年までに100%持続可能なタイヤを製造することを約束しています。大西洋で帆船による海上輸送の推進、東南アジアの天然ゴム栽培および森林保全の最適化、自動車産業の電動化への貢献など、グローバルに脱炭素への取り組みを進めています。ミシュランのサステナビリティ経営強化に向けたコミットメントは、以下をご参照ください。
2050年のビジョン:
https://news.michelin.co.jp/articles/michelin-tires-will-be-100-sustainable-in-2050
2030年に向けた戦略:
https://news.michelin.co.jp/articles/make-everything-sustainable-michelin-announces-strategy-to-2030
SDGsへの貢献:
https://www.michelin.co.jp/csr
【最後まで続く性能を目指して、「Performance Made to Last」】
路面の唯一の接点であるタイヤには、たくさんの性能が求められます。その一つに、摩耗が進んでもタイヤに求められるすべての性能を装着初期から長期にわたり安定して発揮させる性能があります。それは、より高い安全性と経済性に貢献し、人々のモビリティライフを充実させ、日々の生活をより豊かにすることに繋がります。さらに、安全性と経済性に優れたタイヤは、安心して摩耗末期まで使用することができ、消費されるタイヤをより少なくすることを可能にします。タイヤ製造に必要な原材料使用量や廃棄タイヤの抑制にもつながり、環境負荷の少ないサステナブルなタイヤを実現します。ミシュランは最後まで続く性能を目指して、「Performance Made to Last」という思想のもとタイヤを開発しています。
【ミシュランについて】
ミシュランは、人々の生活に変化をもたらす複合材料と体験機会を提供する世界的企業です。130年を超え工学材料のパイオニアとして、人類の進歩とより持続可能な世界の実現に一貫した貢献をしてきました。
高分子複合材料の深いノウハウをいかし、モビリティ、建設、航空、低炭素エネルギー、ヘルスケアなど様々な産業分野で重要な用途に使用される高品質なタイヤや部品を製造するため、常に革新を続けています。製品に込めた思いと、お客様目線のニーズをとらえ、ユニークで充実した体験を提供します。フリート向けデータやAIベースのコネクテッドソリューションの提供、ミシュランガイドの厳選したレストランやホテルのおすすめまで、事業領域は多岐にわたります。フランスのクレルモンフェランに本社を置くミシュランは、129.800人の従業員を擁し、世界175カ国で事業を展開しています。