太陽工業株式会社
暑い夏! 保存した雪山を利用した冷房設備が稼働
大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がける太陽工業株式会社(東京本社:東京都世田谷区、大阪本社:大阪市淀川区、代表取締役社長:能村 祐己)は、今春より南魚沼市役所(新潟県)の排雪を利用した冷房設備の実証実験に協力しています。5月12日からは、屋外に保存した雪山を利用した雪冷熱設備が稼働しており、南魚沼市役所の電力消費削減に効果を発揮しています。

南魚沼市役所では、4月25日に約450トン(上面8m×8m底面15×15m高さ7m)の雪山に屋外雪貯蔵用シートを被せました。雪山を9月まで保存し、この雪を活用した市役所内の温度低減の実証実験を行っています。シートには太陽工業が利雪の専門家である株式会社SnowBiz(新潟県長岡市、代表取締役:伊藤親臣)からの助言や技術指導をもとに新たに開発した断熱効果が高く、防水性も兼ね備えた「屋外雪貯蔵用多層膜シート」を使用しました。当社の断熱膜材における長年の知見や経験、膜加工技術を活かしたもので、アルミ箔シートなど複数の膜材を組み合わせ、加工方法も独自に工夫しています。この多層膜シートで覆われた屋外雪は、6月25日時点のドローン調査で55%が残存していることが確認されています。

太陽工業では、地球温暖化の影響で夏の気温が上がり、猛暑日数も増えている状況のなか、排雪を利用した雪冷熱設備への活用や物資の保存、雪を利用したイベントや施設利用など、雪山の保存ニーズが高まることを想定しています。今回の事例をもとに実用新案を出願するとともに、他地域での活用を呼び掛けていく計画です。
太陽工業のこれまでの雪保存の取り組み

2018年 |
新潟県魚沼市の農産物加工場へ「雪保存用断熱膜材(2層)」を提供 |
2019年8月 |
さいたまスタジアム「東日本連携による雪を活用した熱中症予防対策実証事業」にて 当社エアーテントを設置し、雪解け水活用の雪冷房クールスポット効果を検証 |
2022年 |
学術機関との共同実証「多層膜材を用いた屋外貯蔵実験」 |
2024年12月 |
南魚沼市にて「雪山保存用多層断熱膜材」活用決定 |
2025年4月 |
南魚沼市へ「雪山保存用多層断熱膜材」納入 |
太陽工業株式会社について
太陽工業は、経済性、施工性、透光性、デザイン性に優れた大型膜面構造物のリーディングカンパニーです。「膜の無限の可能性を引き出し、お客さまに感動と快適な環境をお届けします。」の企業理念のもと、軽くて丈夫な素材の特性を活かし、巨大ドームの屋根に象徴される各種建築事業をはじめ、土木や物流、さらには環境分野などにも事業を展開し社会の安全・安心を支えています。
イベントコンサルティングのTSP太陽株式会社ならびに施設運営のアクティオ株式会社をはじめとするグループ会社とともに「世界を、やわらかく。未来を、あたたかく。」することを目指しています。