広島モニュメントプロジェクト実行委員会
広島大学の学生とアーティストが手がける“問いのモニュメント”、Pride of Hiroshimaで展示決定!
■ はじめに|プロジェクト概要
「この地には70年間は草木も生えない」——そう言われた広島に、いま、あらためて花を咲かせたい。
戦後80年という節目に、若者とアーティストが手を取り合い、平和を“語る”のではなく、“問いかける”モニュメントを広島に立ち上げます。
舞台は、広島の復興と未来を象徴する「Pride of Hiroshima」。
花と竹——自然が持つ静けさと力を借りて、声高に語らず、心に残る“問い”をそっと差し出します。

■ 記念ではなく、問いとして。今、差し出す理由
戦争の記憶が薄れ、「戦後」が過去のものになりつつある時代。
しかし、世界ではいまも争いが続き、平和の本質はまだ答えのない問いとして残り続けています。
そんな時代に私たちは、記念でも主張でもなく、“問いを差し出す”という選択をしました。
答えではなく、沈黙の中に残された余白を。
その空間に立ち止まり、考える——その行為こそが、次の平和を生む種になると信じています。
■ 語らずに、そっと差し出す。言葉を使わない問いのかたち
平和を語ることは、ときに誰かを傷つけてしまう。
だからこそ、私たちは“言葉”ではなく、“アート”を用いることを選びました。
花の儚さや、竹の静けさ。
空間の余白に込められた記憶や願い。
それらは誰かの意見を押しつけるのではなく、見る人の心に静かに届く「問い」を残す。
「語りかける」のではなく、「耳を澄ます」。
それが、今回のモニュメントです。
■ 草木も生えぬと言われた地に、いま問いの花を
「70年間は草木も生えない」と言われた地——広島。
その土地にいま、未来を語ろうとする若者たちがいます。
彼らと共に咲かせる“問いの花”は、過去を記念するのではなく、未来に向かって今を見つめ直すための表現です。
沈黙と再生を繰り返してきたこの場所だからこそ、語るのではなく、問いかける。
それはもう一度、広島から平和の本質を考え直すこと。
広島だからこそできることがあると、私たちは信じています。
■ 展示概要
展示名:戦後80年 平和モニュメントプロジェクト 2025
〜 問いかけのかたち – The Shape of a Question 〜
会 期:2025年8月26日(火)〜9月14日(日)
会 場:Pirde of Hiroshima
(広島県広島市中区基町5-25 ひろしまゲートパーク内「シミントひろしま」C棟2F)
開館時間:10:00~18:00
休館日:月曜日
観覧無料・入退場自由
このモニュメントは、学生とアーティストだけで完成するものではありません。
会場に足を運んでくださる一人ひとりが、「言葉の花」を咲かせることで、はじめて完成する全員参加型の問いのアートです。

■ 制作体制・協力
主催:広島大学モニュメントプロジェクト実行委員会
共催:株式会社 美榮
協賛:広島大学、Pride of Hiroshima、ほか
制作・演出:広島大学池坊華道部、華道家 美榮、竹あかり演出家 池田親生
■ プロジェクトの位置づけ
このプロジェクトは、華道家 美榮が全国・世界で展開を構想する「問いのモニュメント」シリーズの一環です。
長崎での展示に続き、今回は初めて学生が主体となり、未来を担う学生との共創で実施される特別な回となります。
若者が問い、花が問い、空間が問いを投げかける——
それは、未来へつなぐ「静かな祈りのかたち」です。
■ 協賛・後援のご案内
本プロジェクトでは、企業・団体・個人の皆さまからの協賛・後援を募集しています。
詳細は下記のお問い合わせ先までお問い合わせください。
この地に、そしてこの時代に生きるすべての人に向けて、静かに問いかける“場”を共につくってくださる仲間を探しています。
■ その他

広島大学池坊華道部
普段の稽古は20人程度で池坊の講師を招き、大学内の一室で和気あいあいとした雰囲気で稽古に励んでいる。華道経験者から初心者まで経験値は様々。最近では留学生も多く華道部に所属。稽古の場は国際交流の場へと広がり、外国語でのやりとりも盛んに行われている。華道の魅力を社会へ届ける活動にも注力しており、華道展での作品展示やイベントでのフラワーアレンジメント体験等も行っている。
美榮 BIEI (華道家)
自然と共にある日本の美意識を根幹に、「記憶」「祈り」「時間」「再生」といった目に見えない概念を花で可視化する独自の表現を追求。伝統文化と現代アート、空間演出の融合を通じて、「自然と人」「空間と記憶」「文化と未来」をつなぐ創作活動を展開。空間装花や地域のモニュメント制作、ブランドとのコラボレーションまで領域は多岐にわたり、華道を“継承”の枠を超えた“創造”へと昇華。テレビ朝日系ドラマ『フォレスト』の生け花監修、SONYとの伝統×デジタル演出など、表現の場を広げている。


池田 親生 IKEDA Chikao (竹あかり演出家)
国内で増えすぎた竹を利用し、竹あかりのオブジェをつくり、それを土に還す一連の流れを作品づくりとし、「人と人・人とまち・人と自然」をつなぐ活動を展開。伊勢志摩サミットG7の夕食会場では装飾を担当。米国ネバダ州で行われる世界一の奇祭バーニングマンにもアーティストとして招集される。全国や世界各地に活動を広げ、「竹あかり」が新たな日本の「文化」として受け継がれることを目指す。2019年、総務省地域創造力アドバイザーに選出。2024年著『バカになる勇気』(きずな出版)を発刊。
Pride of Hiroshima
被爆から復興、そして国際平和都市へと歩んできた広島の軌跡を、企業の実物資料と空間演出によって体感的に伝える施設。映像・音・光による空間演出は、来場者一人ひとりに歴史の記憶と静かに向き合う時間、さらには、自らの想いを「言葉の花」として表現する機会も提供。G7広島サミットの特別展示を継承し、広島ゆかりのクリエイターが手がけたこの空間は、「誇り」と「希望」を未来へつなぐ象徴として、多様な世代に開かれた文化拠点となっている。

■ 最後に
この展示には、答えもメッセージもありません。
ただ、沈黙のなかに残された問いがあります。
それを見つけるのは、一人ひとりの心です。
私たちは願います。
この問いに、誰かが立ち止まり、考えてくれることを。
それが、80年目の平和へのまなざしになることを。
■ お問い合わせ先
広島大学モニュメントプロジェクト実行委員会
担当:橋詰 徹
メール:hashi-toru0101@outlook.jp