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Job総研『2025年 共働き意識調査』を実施 キャリアに影響7割 “見えざる格差”に女性から諦めの声

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Job総研(パーソルキャリア)

~未だ残る「やって当然」の空気感 “収入差での家事育児分担”に賛否~

 転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研』は、442人の社会人男女を対象に「2025年 共働き意識調査」を実施しました。本調査は、共働きの見えざる格差や家事育児の分担割合への思い、また、収入差で家事育児分担を変えることへの賛否とその理由、共働き意識によるキャリアへの影響、そして”共働き=男女平等が進んでいるのか”などを調査したものです。

【性別役割分担の見直し】

 共働き世帯の増加に伴い、家事や育児は夫婦で分担するものという意識が広がっています昨今では、男性の育児参加を促し、女性のキャリアを支えるなど社会全体の意識改革が進む中、性別役割分業を見直す動きも加速し、男性育休取得率も過去最多となりました。また、厚生労働省は、「共に育てる」に取り組める社会を目指すため、プロジェクト名を「イクメン」から「共育」へと変更しています。一方で、実際は家庭内において平等な家事育児の分担がなされているとはいえない状況です。社会、家庭においても支え合いが求められる時代が到来している中、社会人は共働きに対してどのような意識を持っているのでしょうか。
 Job総研では442人の社会人男女を対象に、共働きの見えざる格差や家事育児の分担割合への思い、また、収入差で家事育児分担を変えることへの賛否とその理由、共働き意識によるキャリアへの影響、そして”共働き=男女平等が進んでいるのか”について「2025年 共働き意識調査」を実施しました。

【調査概要】
調査対象者:現在就業中のJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件 :全国/男女/20~50代
調査期間 :2025年8月1日〜8月7日
有効回答数:442人
調査方法 :インターネット調査

【TOPICS】
・全体の83.1%が共働きにおける見えざる格差があると回答 格差の中身は「やって当然の空気感」が最多
・共働き生活の家事育児は、”男性”が多く担うのは「違和感」、”女性”が多く担うのは「仕方ない」が多数
・全体の60.2%が収入差で共働き生活の家事育児分担を変えること”に賛成 女性の賛成派が少数
・全体の67.2%が、共働きが前提になったことで自身のキャリア選択に影響がある 女性で顕著
・キャリアへの影響では「はたらく場所や時間に制約を感じる」「転職、異動、昇進に慎重になる」が多数

【共働きの見えざる格差】

 回答者全体の442人に共働きにおける見えざる格差の有無を聞くと、「あると思う派」が83.1%で大多数を占め、内訳は「とてもあると思う」が16.3%、「あると思う」が33.5%、「どちらかといえばあると思う」が33.3%となりました。また、見えざる格差の中身を聞くと、「やって当然の空気感がある」が43.2%で最多となり、次いで「一方が無意識に家事を担う」が41.4%、「一方が諸々の調整を引受ける」が32.6%となりました。

【共働き生活の家事育児分担】

 回答者全体の442人に共働き生活における家事育児の分担割合への思い聞くと、”男性”が多く担うのは「違和感がある派」が69.4%で過半数を占め、”女性”が多く担うのは「仕方ないと思う派」が56.6%で過半数を占めました。また、”共働き生活で家事や育児は女性が多く担う”という考えへの印象を聞くと、「理想的でないが実際多い」が39.1%で最多となり、次いで「社会ではその傾向が強い」が35.5%、「誰が担うかより納得感が大事」が31.4%となりました。

【収入差と家事分担への賛否】

 回答者全体の442人に、“収入差で共働き生活の家事育児分担を変えること”への賛否を聞くと、「賛成派」が60.2%と過半数を占め、内訳は「とても賛成」が8.6%、「賛成」が14.0%、「どちらかといえば賛成」が37.6%となりました。「賛成派」の男女別では、男性が64.9%、女性が51.6%と、男女で賛否が分かれました。

【賛成/反対の理由】

 “収入差で共働き生活の家事育児分担を変えること”に賛成と回答した266人にその理由を聞くと、「稼ぐ方が仕事に集中した方がいい」が47.7%で最多となり、次いで「効率よく家庭を回せる」が31.2%、「時間、体力差での分担が合理的」が29.7%となりました。反対と回答した176人にその理由を聞くと、「責任は収入関係なく共有」が49.4%で最多となり、次いで「収入差での分担は不満が出る」が44.9%、「両者が両立意識を持つべき」が43.8%となりました。

【共働きによるキャリアへの影響】

 回答者全体の442人に共働きが前提になったことで、自身のキャリア選択に影響があるかを聞くと、「影響がある派」が67.2%と過半数を占め、内訳は「とても影響がある」が12.9%、「影響がある」が21.0%、「どちらかといえば影響がある」が33.3%となりました。キャリア選択に影響ありと回答した297人に具体的な影響を聞くと、「場所や時間に制約を感じる」が46.5%で最多となり、次いで「転職、異動、昇進に慎重になる」が39.7%、「相手のはたらき方を意識する」が35.0%となりました。

【共働き=男女平等か】

 「キャリア選択に影響がある派」の男女別では、男性が64.1%、女性が73.9%となり、男女間でギャップが見られました。回答者全体の442人に、共働き=男女平等が進んでいるのかを聞くと、「進んでいると思わない派」が47.3%となり、内訳は「全く進んでいると思わない」が16.1%、「進んでいると思わない」が16.3%、「どちらかといえば進んでいると思わない」が14.9%となりました。

 (※1)集計データの詳細は別紙「2025年 共働き意識調査 報告書」をご参照ください

【回答者自由記述コメント】

女性からは”キャリア”、男性からは”平等”に関するコメントが多く集まりました。

◾️女性目線
・共働きだが、子どもの面倒、家庭と仕事を両立するためにも仕事を半分諦め、転職した
姑から仕事を辞めろと言われパート勤務に。キャリアを捨てなければいけなかった事が辛かった
・出産が影響しないキャリアが普通にならなければ結局女性の負担は減らせない
・出産と同時に退職したが、復職をしようと思ったときには同じ職種に戻れなかった

◾️男性目線
・女性の出産を考えると、どうしても仕事に関われない期間が生じるので完全な平等は難しいと思う
・平等であるべきという考えは現実的に難しい。家庭ごとの正解があるという考えが浸透するといい
・お互いに得意分野があるのだから一概に同じことをするのが平等ではない

・共働きの目的は経済的なゆとり。家事の平等性を重視して収入が減るような事になっては本末転倒

※その他、共働きに関するコメントは「JobQ Town」にて確認いただけます。
https://job-q.me/29448

【調査まとめ】

 今回実施した「2025年 共働き意識調査」では、約8割が共働きにおける“見えざる格差”を認識していることが明らかになりました。「やって当然の空気感」や「家事を一方が無意識に多く担ってしまう」など、相手への遠慮や言い出しづらさから“暗黙の了解”に基づく分担が起きていることが、日常の中にストレスが蓄積されやすい構造を生んでいると考えられます。

 また、家事育児の分担に関しては、「男性が多く担うのは違和感がある」が最多となった一方、「女性が多く担うのは仕方ない」とする声が挙がりました。これらの回答の背景には、「現実としてそういう場面が多い」「今の社会ではその傾向が強い」といった実感があり、依然として“家事育児は女性の役割”という固定観念が社会に根強く残っていることが伺えます。一方で、「誰が多く担うかより納得感が大切」という声も多く、形式的な50:50の関係より、家庭ごとの状況に応じた柔軟な分担が求められている実態も見えてきました。
 共働き家庭で生じる”収入差”と家事育児負担で見ると、全体の約6割が賛成と回答するものの、女性の反対派は男性より約1.3割高くなっていることから、男女間の意識の差や、性別による受け止め方の違いが明らかになりました。一見合理的な「稼ぐ人が仕事に集中する」という考え方も、裏を返せば“家事は収入の少ない方が担う”という考えの固定化を加速させかねません。一方「責任は収入に関係なく共有すべき」「不満につながる」「両者が両立意識を持つべき」などの反対意見も出てきており、単なる効率や合理性では割り切れない、家庭内での尊重や対等性を重視する価値観を示していると言えるでしょう。

 共働きが前提になったことによるキャリアへの影響については、約7割が「影響あり」と回答。中でも女性は7割強と男性よりも高く、「はたらく場所や時間に制約を感じる」「転職・昇進に慎重になる」「配偶者のはたらき方に配慮するようになった」などの声が挙がったことから、家庭と両立をしようという意識がキャリア選択に影響を及ぼしている実態が明らかとなっています。こうした結果から、共働きが当たり前となった今もなお表面化していないジェンダーギャップが存在しており、それらが女性のキャリア選択に影響を及ぼしていると考えられます。
 共働き増加の背景の一つに女性の社会進出がありますが、共働き=男女平等が進んでいると言えるのでしょうか。共働きが当たり前となった社会において、「男女平等が進んでいる」と感じるかどうかは意見が分かれました。表面上は平等に見えても、無意識下にある“性別による役割期待”や“社会制度の歪み”が、依然として家庭内外のバランスに影響を与えていると考えられます。共働きが当たり前となる現代において、完全な平等を実現することは容易ではありません。形式的な”平等”ではなく、その背景にある意識や構造の偏りに目を向け、個々の家庭での柔軟な合意形成を図ることで、”平等”よりも「公平」や「対等」を目指していく姿勢の必要性が見える調査結果となりました。
 「明日の常識を、ココから。」をコンセプトとする『Job総研』では、世の中で当たり前とされている事を疑い、はたらき方に関連する様々な調査を実施してまいります。そしてリアルで透明度の高い情報を発信することで、個が活躍する社会の実現に向けて貢献してまいります。

パーソルキャリア株式会社 Job総研 PR担当

高木 理子(たかぎ りこ)

2020年からのインターンを経て2022年に新卒入社。コンテンツマーケティンググループ所属後、2023年に広報へ異動し”はたらく社会人”を中心に様々な観点から意識や行動などについて調査研究を実施するJob総研にて調査研究を担当。Job総研を通して「社会とつながる」を個人のビジョンに掲げ、市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することではたらく社会人や就活生の選択機会に貢献する事を目的として活動している。

■(※1) 2025年 共働き意識調査 報告書(本調査)

報告書では、同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます
https://job-q.me/articles/15842

■Job総研についてhttps://job-q.me/categories/job-souken >

 『Job総研』は今後もキャリアやはたらくに関する調査を続けるだけでなく、調査で拾いきれない「社会・企業・個人」3つの観点からの声を収集することで、これまで以上に確立した取組を行ってまいります。その手段として、アンケート調査によって明らかにした事実をもとに、はたらく現場でのリアルな疑問を収集し、それに対する個人の回答も収集します。そして世の中で当たり前とされている事を疑い、明日の常識をココから見つけられるコンテンツとしての情報発信をしてまいります。

■JobQ Townについてhttps://job-q.me/ 

 「あなたが知りたい”はたらく”は誰かが知っている」をコンセプトに運営するJobQ Townの累計登録者数は40万人を超え、キャリアや転職に関する情報交換と相談ができるサービスです。具体的な企業名を検索して、現役社員や元社員による口コミだけではなく、仕事全般に関する悩みや就職・転職への不安など漠然とした内容も含まれ、匿名によるユーザ同士でコミュニケーションを取りながら、より良い選択をつくる場になっています。

■JobQ Town”はたらき方・キャリア”に関するQ&A
https://job-q.me/categories/career

■パーソルキャリア株式会社について< https://www.persol-career.co.jp/ >

 パーソルキャリア株式会社は、-人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス転職サービス「doda X」を通じて人材紹介、求人広告、新卒採用支援などを提供しています。2022年5月にはプロフェッショナル人材の総合活用支援ブランド「HiPro」を立ち上げ、副業・フリーランス領域にも本格参入。グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指します。

当社のミッションについて:https://www.persol-career.co.jp/mission_value/

出典:PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ (2025年8月22日 09時30分)

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