認定NPO法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン
会員の方々の推薦と投票により寄付先として選ばれました
一般社団法人「新しい贈与論」は、会員の方々が、寄付や贈与について学び、毎月変わるテーマに沿った推薦と投票によって寄付先を選ぶコミュニティ(ギビングサークル)です。ディペックス・ジャパンは、その活動に着目した会員の方々の推薦と投票によって選ばれ、84.5万円の寄付を受領いたしました。

ディペックス・ジャパンでは「語り」(ナラティブ)を社会資源と捉え、500名を超える病気や障害の当事者とその家族にインタビューを行い、それぞれの体験や思いを映像、音声、文字により記録、社会科学における質的研究の手法を用いて、各分野の専門家の知識と融合させてデータベース化したものを、同様の病気や障害を持つ人々と家族および医療関係者、病気や障害について知りたいすべての方々に向けてウェブサイトに公開しています。
新しい贈与論は、推薦の理由として、ディペックス・ジャパンの「語り」の特徴が、その温度と細やかさにあるとし、「温度とは、通常であればカットされがちな言い淀みなどを残し、語り手の語りを出来る限りそのまま伝えようとする姿勢」、「細やかさとは、一つの病気を、その単体として捉えるのではなく、診断、治療、症状との付き合い方、家族としての受け止め方など様々な切り口、視点からの語りに触れることが出来る点」が挙げられました。また、語りが「自らの経験を無償で差し出すことは、対価を求めない贈与であり、聞き手はやがて自らの物語として他者に語ることで、贈与の循環を生み出す取り組みでもある」として、語りの持つ無償性と循環性に言及しました。
語りをそのまま伝えようとする姿勢と障害や病いの語りを様々な切り口で届けることは、まさにディペックス・ジャパンが創設以来、当事者の語りを届けるために心がけてきたことです。
新しい贈与論のニュースリリース「一般社団法人ディペックス・ジャパンへ寄付を行いました」の推薦文全文と、会員の方々の投票理由の一部抜粋をご覧いただけます。
https://theory.gift/news/2025-07
改めて、新しい贈与論ならびにディペックス・ジャパンの活動を応援してくださる皆さまに、深く感謝申し上げます。
【特定非営利活動法人 健康と病いの語りディペックス・ジャパン】
設 立 2007年4月1日
活動内容 患者のインタビューを元にしたデータベースの構築と活用
代表者氏名 理事長 中山健夫
「体験したからこそ伝えたいことがある、体験した人にしか語れないことがある」
当事者主体の医療・福祉の実現を理念として2007年に設立された認定NPO法人です。イギリスのオックスフォード大学が開発した患者の体験をデータベース化する国際的な組織DIPEx(Database of Individual Patient Experiences)をモデルに、ディペックス・ジャパンとして活動を始め、2009年NPO法人化と同年、「乳がんの語り」を公開しました。
以来、病気や障害に向き合う人々とその家族、医療関係者に向けて「前立腺がん」、「認知症」、「クローン病」、「新型コロナウィルス」のほか、「慢性の痛み」、「医療的ケア児」、「障害ナースの語り」など複数の病気に共通する症状や悩みを持つ患者や家族、「大腸がん検診」、「臨床試験・治験」体験者など11種類の語りのデータベースで動画・音声・文字情報を無料で公開しています(2025年7月現在)。月平均延べ75,000名(2024年)が訪れるウェブサイトには、500名を超える当事者および家族の、合計1,000時間超のインタビューのうちの1割余りを公開しています。
・ご寄付のお願い 予期せぬ病気になったとき、同じ病気を経験した人の話を聞きたいと思ったことはありませんか?患者の語りを、動画やテキストで、誰でもいつでも、無料で自由に見られるように。