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【レポート】「メイクはまだ早い」は親世代の古き価値観?小学生にも浸透する「メイク+スキンケア」の習慣

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株式会社ミンテルジャパン

~小学生の美意識の高まりと子ども向けBPC製品*の需給ギャップが新たな商機に~

 市場調査会社Mintel Groupの日本法人であるミンテルジャパン(東京都千代田区)が発表した「ベビー&キッズ BPCトレンド – 日本 – 2025年」では、従来の常識を覆す美容の低年齢化トレンドを明らかにしました。

※ミンテル:ロンドン本社を含め14か国にオフィスを構え、美容やライフスタイル、食品・飲料分野における消費者調査に強みを持つ市場調査会社。2021年より日本市場向けにミンテルジャパンレポートを発刊。

*BPC製品:化粧品、スキンケア用品、ヘアケア製品、オーラルケア用品、ボディケア用品、香水など美容と身だしなみを整えるための製品やサービス全般

 アメリカでは化粧品専門店「Sephora」でエイジングケア製品を購入する10-12歳の少女たち、通称Sephora Kids(セフォラキッズ)が社会現象となるなど、美容の低年齢化は世界的な潮流となっています。この潮流は日本も例外ではなく、本調査では、小学校高学年女子の48%(ほぼ2人に1人)がメイクアップ製品を使用した経験を持つことが判明しました。

 また、「小学生のメイクは早すぎる」と答えた親のうち、その子どもがメイクユーザーである割合は4割に上り、親の考えと実際の購買行動が一致しておらず、子どもの意思を尊重する姿勢も垣間見えます。さらに、小学生の多くがマニキュアやリップグロスなどの「遊び」のメイクを楽しむ一方で、小学校高学年女子の8割近くがスキンケアを実施するなど、「習慣」としてのスキンケアにも意識を向けています。

 しかし、子ども向けを訴求する専用のBPC製品は少なく、成長する需要に追いついていないと推測されます。そうした中、小学生向けスキンケアラインの登場や学校を通じた教育的アプローチなど、子どもの肌や髪のニーズの違いに着目した企業の動きも見られ、新たなビジネスチャンスの存在を示唆しています。

※本リリースの調査結果をご利用いただく際には、必ず【ミンテルジャパンレポート『ベビー&キッズ BPCトレンド – 日本 – 2025年』より】とご明記ください。

ミンテルジャパンレポートについて詳しくはこちら:https://www.mintel.com/jp/jr-Aug-2025-3

目次

アメリカで話題の「セフォラキッズ」現象が示すメイクの低年齢化
日本でも小学生女子の半数近くがメイク経験あり、世界的な潮流が浮き彫りに

 アメリカでは、12-14歳の女性のうち46%が過去1年間にメイクアップ製品を利用したという調査結果(ミンテルレポート「カラーメイクアップ・トレンド – 日本 – 2024」)が示すように、メイクの低年齢化が話題となっています。また、化粧品専門小売店「Sephora」の店舗で、子どもたちがエイジングケア製品に多額のお金を使うという話題も、SNSをにぎわせています。

 これらの子どもは「Sephora Kids」と呼ばれ、多くはα世代の少女です。α世代とは、Z世代に続く世代で、2008年前後かそれ以降に生まれた人を指しますが、「Sephora Kids」はその中でも若い、10-12歳ごろの女児を指します。アメリカでは、州や地域によって学校制度が異なるため、日本の小学6年生にあたる年齢でも、上級生と一緒に過ごす機会が多い地域があります。そうした環境では、自分の見た目を気にするようになるのも理解できることです。

 そして、この潮流は日本も例外ではありません。

 実際、メイクアップ製品を使用したことのある小学生女子の割合は、低学年で39%、高学年で48%に上ります。

 興味深いのは、小学生男子でもメイクアップ製品の使用経験のある子どもの割合が、低学年で20%、高学年で16%もいることです。加えて、男子小学生のメイクアップ製品の定期使用者は、低学年で7%、高学年で8%と一定数存在します。18-29歳の男性の間では、「メイクの経験があって今後も行いたい」と答えた人の割合が12%だったことを考慮すると、中学、高校と進むにつれて、女子ほどではないものの、男子のメイク経験率も上がっていくと見られます。

調査対象: 一番幼い子どもが小学生である18-59歳の女性インターネットユーザー503人

出典: Mintel、2025年2月

「早すぎる」と思いながらも4割の親が自身の子どもにコスメを購入
理想と現実の狭間で子どものメイク欲求に折れる親の複雑な心境

 メイクの低年齢化が進む中で、小学生がメイクをすることに対する「同じ年代の子どもを持つ親」としての立場は、概ね寛容です。しかし、女子小学生の親となると、話は変わるようです。

 子どもが小学生未満の親たちは、子どもの性別にかかわらず、小学生のメイクに対して早すぎると思う人は3割前後となっています。しかし、子どもが小学生になると、女の子の親の態度は小学生のメイクに対して厳しくなります。特に小学校低学年の女の子の親では、半数が小学生のメイクは早すぎると感じています。

調査対象: 一番幼い子どもが12歳以下である18-59歳の女性インターネットユーザー1,000人

出典: Mintel、2025年2月

 一方で、学校側の対応を見ると、ミンテルが行なった調査では小学生のメイクに対して「学校がメイク禁止」を掲げている割合は2割弱となりました。ほとんどの小学校の規則が小学生のメイクに対する抑止力にならない今、同じ学年の女の子たちがメイクを始めたら、親の考えも柔軟にならざるを得ません。実際、「小学生のメイクは早すぎると思う」と考えている女子小学生の親でも、子どもがメイクを使用している割合は4割となっています。

小学生の美意識は「遊び」のメイク+「スキンケア」へ
子ども用BPC市場の空白-成長需要と供給不足が生む新ビジネスチャンス

 小学生女子のメイクアップ製品使用率を見ると、日本のメイクアップ製品カテゴリーの中では比較的マイナーアイテムであるマニキュアが、小学生メイク使用率でトップに、リップグロス・リップオイルが次点に立つ結果となりました。大人のメイクでは、顔全体、そして目の周りのメイクの使用が多い*のに対し、小学生のメイクがまず注目するのは口周りの部分で、ベースメイク製品の優先順位も当然低くなっています。

 また、子ども用のメイク製品というと玩具メーカーの製品も少なくありませんが、スキンケアもメイク製品も、大人用ではなく、子どもならではのニーズと興味に合わせたBPCメーカー開発のアイテムのさらなる登場が期待されます。

*成人女性のメイクアップ製品使用率:2024年2月(アイメイク製品ベースメイク製品それ以外

調査対象: 一番幼い子どもが女子小学生である18-59歳の女性インターネットユーザー259人

出典: Mintel、2025年2月

 さらに小学生はスキンケアに対する意識も高いことがわかりました。小学校高学年になると、女の子がスキンケアを実施する率は8割近くにまで上がります。

 顔用保湿剤の利用には性差が大きく、男の子の使用率が年齢と共に下がっていくのに対し、女の子は上がっていきます。とはいえ、男の子の使用率は減少しても6割近くあり、注目に値します。

 一方、洗顔料の使用については、性差よりも使用開始の年齢に注目したいところです。個人差も大きいですが、思春期のニキビは小学校高学年から中学生にかけてでき始めるといわれています。洗顔料を使用している小学校高学年の子どものうち、半数以上が大人と共用の製品を使用していると答えています。しかし、思春期のニキビが洗顔料使用の理由なのであれば、子ども専用の洗顔料を使うことが望ましいといえます。

調査対象: 一番幼い子どもが12歳以下である18-59歳の女性インターネットユーザー1,000人

出典: Mintel、2025年2月

 しかし、子ども向けを訴求するBPC製品の割合は少なく、その傾向はコロナ禍以降減少傾向にあります。

*BPC製品には、生理用品、大人用おむつ、脱毛製品は含まない

出典: Mintel GNPD(世界新商品データベース)2019年-2024年

 ミンテル世界新商品データベース(Mintel GNPD)に登録されたデータを見ると、日本では「子ども用」と銘打ったケア新製品の割合は少なく、子ども用BPCカテゴリー新製品のほぼ半数が「おむつ」となっています。

 製品のタイプによって異なりますが、「大人とは別の製品を使用している」割合は、特にお風呂の中で使用する製品で高くなっています。小さい頃は子ども専用の製品を使用する割合の方が高いのですが、小学生ともなると大人と共用になってしまいます。子どもの肌や髪は思春期前後で大きく変わりますが、それでも大人とは違います。ターゲット人口は減りますが、肌や髪のニーズが違うことに着目し、「子どもが使い続けたい」と感じることを優先した商品設計と、丁寧な教育的発信を心がける子ども用のBPCブランドには十分な商機があります。

出典: Mintel GNPD、2024年1月-12月

ビジネスチャンス

思春期に悪化する可能性のある「シミ」も「年齢特有」の悩み

 フランスのスキンケアブランド、Insolence Skinのターゲットユーザーは、10-15歳の子どもです。興味深いのは、にきびや敏感肌の他にも、思春期に悪化する可能性のあるシミを年齢特有の悩みと捉え、最小限に抑えることに重点を置いているクリームを発売していることです。

Insolence Skin Crème Anti Imperfectionsは、ヘーゼルナッツオイルやプレバイオティクスなど97%天然由来成分配合

出典: Instagram/insolenceskinInstagram/jbskrub

大手メーカー・ブランドは学校を通じて教育

 花王では、2025年も小学校高学年用の試供品セットを学校を通じて配布しています。スキンケアに関する冊子と洗顔料のサンプルがセットになっています。それ以外にも、ビオレUVブランドによる「子どもが楽しみながら日焼け止めを塗りたくなる活動」の一環として、動物園と協賛で「ビオレ太陽の教室・動物と太陽のひみつ」を2023年に開催しました。イベントのマニュアルは2025年現在も公開されており、動物園が活用できるようになっています。

■ミンテル ジャパンレポートについて
新製品開発のヒントになるグローバルトレンドと日本におけるその意味について理解を促し、日本市場における商機を探るレポートシリーズ。「美容・化粧品」、「ライフスタイル」、「食品・飲料」分野のレポートをサブスクリプション方式でご提供しています。グローバルと日本、双方の視点でトレンドを捉えることが可能です。

■ミンテル 世界新商品データベース(Mintel GNPD)について
世界86ヵ国の日用消費財の新商品を、原料や訴求内容から検索することができるデータベースです。世界各国に配置されたミンテルの調査員が、日々新商品の収集を行うことで、毎月約4万点の商品パッケージ情報をデータベース化し、GNPDを構築しています。商品のあらゆる情報を掲載しているため、様々な視点から世界の製品トレンド分析を行うことが可能です。

■市場調査会社ミンテルの強み
ミンテルに在籍する各分野の専門家であるアナリストは、 ミンテルグローバル消費者調査のデータや各国で独自に行う消費者調査、外部データなどを組み合わせて、消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測を行い、レポートを執筆しています。ミンテルは常に「消費者」に焦点を当て各サービスを展開しており、「消費者が何をなぜ求めているかを探るエキスパート(Experts in what consumers want and why.)」をコーポレートスローガンとしています。

■株式会社Mintel Japan(ミンテルジャパン)
ミンテルジャパンは、ロンドンに本社を置く大手市場調査会社「Mintel Group」の日本法人です。専門分野のアナリストと新商品の調査員を世界各国に配置し、独自の消費者調査や新商品情報の収集を行っております。

その独自のデータを基にした消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測に強みがあります。日本では主に「美容・化粧品」「食品・飲料」「ライフスタイル」の3分野に注力し、サービスを展開しています。

≪ご利用条件≫

情報の出典元として【ミンテルジャパンレポート『ベビー&キッズ BPCトレンド – 日本 – 2025年』より】の明記をお願いいたします。

■会社概要

企業名  :株式会社ミンテルジャパン

本社所在地:東京都千代田区丸の内二丁目4番1号

      丸の内ビルディング18階

代表   :リチャード・カー

設立日  :2008年03月

事業概要 :トレンドレポートの販売、市場調査、市場分析等

WEBサイト:https://japan.mintel.com/ 

出典:PR TIMES

本プレスリリースの内容や詳細についてのお問合せは以下までご連絡ください。

企業プレスリリース詳細へ (2025年8月26日 10時00分)

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