カテゴリー

世紀の歌舞伎史料、大発見!! 戦前戦後にかけ、六代目尾上菊五郎を始めとする大歌舞伎一座の全国巡業を記録した一級史料を収録『戦下の歌舞伎巡業記』8月27日発売!

  • URLをコピーしました!

河出書房新社

歌舞伎狂言作者・竹柴薪助による『旅行日誌』が、孫である著者・岡﨑成美の自宅で発見。太平洋戦争をはさんだ1932~1949年の間、怒濤の時代を生き抜いた歌舞伎関係者、演劇人たちの克明な記録。

株式会社河出書房新社(東京都新宿区/代表取締役 小野寺優)は、岡﨑成美による演劇ノンフィクション『戦下の歌舞伎巡業記』(税込価格3,520円)を2025年8月27日に発売いたします。

2018年、本書著者の岡﨑成美さんの自宅から、古い茶封筒に入った冊子『旅行日誌』が発見されました。それは、岡﨑さんの祖父であり、明治~昭和期に歌舞伎狂言作者として活躍した竹柴薪助氏(1883〜1975)が、1932年から1949年の間に記録した、歌舞伎の巡業日誌でした。

実際の『旅行日誌』(現在は早稲田大学演劇博物館所蔵)

その『旅行日誌』には、六代目尾上菊五郎、十五代目市村羽左衛門、六代目坂東彦三郎、六代目大谷友右衛門、七代目澤村宗十郎、十六代目市村羽左衛門、七代目坂東彦三郎(十七代目市村羽左衛門)…名だたる名優たちとともに、太平洋戦争をはさむ17年間、歌舞伎狂言作者として日本列島を巡業公演した日々のことが、克明に記録されていました。記録数は北海道から九州までおよそ250の巡業地、移動距離は約4万kmにもなります。

座頭役者、立女形、出演する役者たち、上演演目、一座のスタッフ詳細、興行主、興行劇場、宿泊旅館や施設、鉄道や船など交通手段、食事の内容、収支詳細。役者と深く関わり、興行全体を目配りする狂言作者による唯一無二の記録は、第一級の歌舞伎史料、演劇史料と専門家も評価しています。

さらに、編集者としてキャリアが長い著者ならではの、膨大な周辺調査を基盤とした解説も瞠目の内容です。当時の全国紙、地方紙、演劇誌、専門書、鉄道ダイヤ、地図(絵図)、演劇チラシ、企業広告を調査、さらには研究者へのインタビューを実施。歌舞伎への造詣も深い岡﨑さんの解説が入ることで、『旅行日誌』の記録がより鮮明な、人々の物語として立ち上がってきます。本書は史料であると同時に、怒濤の時代を生き抜いた演劇人たちの胸を震わせる物語、歌舞伎に命を懸けた人々の熱情の記録として、破格に面白いノンフィクションとして読むことができます。

すべての歌舞伎ファン、演劇人に読んでいただきたい新刊ノンフィクション『戦下の歌舞伎巡業記』発売にぜひご注目ください!

写真出典『六代目菊五郎』六代目菊五郎記念出版委員会  1950年改造社(『戦下の歌舞伎巡業記』収録)
目次

『戦下の歌舞伎巡業記 柝の音は止まず』目次

まえがき―発見、巡業の日誌

歌舞伎狂言作者・竹柴薪助という人物/巡業一座の作り方

第一部「遠距離巡業ニ出発ス」

昭和七(一九三二)年十月

―中国、九州・尾上菊五郎一座

三十時間以上の長旅/マクズリをマクジリと聞き違える/地方都市の熱気―博多・大博劇場

昭和八(一九三三)年三月

―大阪歌舞伎座・九代目市川團十郎三十年祭追善(東西合同)・市村羽左衛門一座

引雑用という智恵/芸事一家の経済難/自宅が火事に遭う

昭和十(一九三五)年七月

―近畿、東海、北陸、信州、関東、東北・尾上菊五郎一座

雨と客足/地方のユニークな宿

昭和十一(一九三六)年七月八月

―近畿、中四国、北九州、東海・尾上菊五郎一座

一座で句会

第二部「胸突キ八丁、一座ハ進ム」

昭和十二(一九三七)年七月八月

―北九州、近畿、東海・尾上菊五郎一座

六代目の神業/食事の席におちょぼ芸者

昭和十三(一九三八)年八月

―中村吉之丞一行

昭和十三(一九三八)年九月

―近畿、北九州、中国・尾上菊五郎一座

「極悪非道ナリ」/頑強な身体の持ち主

昭和十四(一九三九)年七月八月

―東海、中国、北九州、四国、近畿、北陸・尾上菊五郎一座

久保田万太郎が俳句の師匠/愛娘の発病/慟哭

昭和十五(一九四〇)年九月

―東海、上越、信州、関東・市川三升、大谷友右衛門一座

日本の鉄道ダイヤのすごさ

第三部「戦火ニ舞フ歌舞伎トイフ不死鳥」

昭和十六(一九四一)年一月二月

―大阪・大谷友右衛門一座

昭和十六(一九四一)年七月

―北関東、東海、信州・大谷友右衛門一座

開戦間近の売行き/東海道線不通、蒲郡歌舞伎座火事

昭和十七(一九四二)年八月九月

―東北、北海道、信州、関東・澤村宗十郎一座

買い出しは巡業地で/便りのかわりに食料を

昭和十八(一九四三)年七月八月

昭和十八(一九四三)年八月

―北関東

慰問の特別待遇/頭に包帯

昭和十九(一九四四)年五月十八日〜三十一日

―東海、四国・尾上菊五郎一座

逆境跳ね返す六代目/弁当分け合う連絡船

昭和十九(一九四四)年六月一日〜十日

―四国、中国・尾上菊五郎一座

白米二合の重さ/日本列島はどこでも危険

昭和十九(一九四四)年六月十一日〜七月二十九日

―九州、中国、東海・尾上菊五郎一座

昭和十九(一九四四)年八月

―信州

〝けぶの薪助さん〟/防空警報何するものぞ/花道に上がる客/御園座休場

第四部「現場ノ波乱、戦後モ続ク」

昭和二十(一九四五)年十二月

―京都南座顔見世興行・尾上菊五郎一座

魔界に棲む人々/人力で回す廻り舞台

昭和二十一(一九四六)年七月八月

―関東、信州・尾上松緑一行

歓待の理由/武家出身の苦労人―牧野五郎三郎/シャネル五番

昭和二十一(一九四六)年十二月

―京都南座顔見世興行・尾上菊五郎一座

京都へ旅地獄

昭和二十二(一九四七)年八月九月

―関東、東海・十六代目市村羽左衛門一座

客死した三代目の墓詣で/役者になった薪助

昭和二十二(一九四七)年十二月

―京都南座顔見世興行・尾上菊五郎一座

特別貸切で京都まで/日本歌舞伎界、奮闘/復興へ回り出す歯車/

アメリカ人の歌舞伎への関心

昭和二十三(一九四八)年十一月十二月

―甲信、東海、北海道、東北、関東・市村羽左衛門一座

興行人に木頭を打たせた⁉/名古屋・御園座、二日目に飛び込む

昭和二十四(一九四九)年三月

―大阪・歌舞伎座興行

世代交代の胎動/「うまかったよ」

昭和二十四(一九四九)年十二月

―関東、中部・市村羽左衛門一座

大劇場の時代復活へ

あとがき―不屈の演劇人たち

巻末資料【巡業、公演地と劇場】

参考文献

『旅行日誌』史料協力=早稲田大学演劇博物館

■著者 岡﨑成美 おかざき・しげみ

1956年、埼玉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。文化出版局入社後、「ミセス」編集長、出版局書籍事業部長、文化学園大学講師、文化学園ファッションリソースセンターセンター長、春陽堂書店編集顧問等を歴任。

■新刊情報

書名:戦下の歌舞伎巡業記

著者:岡﨑成美

仕様:四六変型判/並製/272頁

発売⽇:2025年8⽉27日

税込定価:3,520円(本体価格3,200円)

ISBN:978-4-309-03223-8

URL:https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309032238/

※電子書籍の発売予定はありません。

出典:PR TIMES

本プレスリリースの内容や詳細についてのお問合せは以下までご連絡ください。

企業プレスリリース詳細へ (2025年8月27日 09時00分)

大手通販サイトのあらゆる商品の価格を比較、最安値を検索!

まずはお好きなキーワードや商品名を入力して探してみましょう
×
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次