SOMPOホールディングス株式会社
損害保険ジャパン株式会社
一般社団法人全国フードバンク推進協議会
損害保険ジャパン株式会社(代表取締役社長:石川 耕治、以下「損保ジャパン」)と「一般社団法人全国フードバンク推進協議会(以下、「全国フードバンク推進協議会」)」は、近年、社会問題となっている「食品ロス」の削減に取り組むフードバンク向けの専用保険の提供を2025年10月より開始します。
1.背景
消費者庁※1によると、日本国内における食品ロス量は年間約464万トンに上り、非常に多くの食品が本来食べることができるにもかかわらず廃棄されています。
フードバンクは、企業や個人からまだ食べることができるにもかかわらず廃棄されてしまう食品の寄附を募り、生活困窮者、こども食堂、福祉施設などに無償で提供する活動を行っています。この活動は、食品ロス量を削減するうえで極めて重要ですが、日本国内のフードバンク数は2025年6月時点で289団体※2と諸外国と比較※3すると少なく、フードバンクにおける食品取扱量も年間約1.5万トン※4にとどまっています。これは日本国内の食品ロス量全体の0.3%に過ぎず、今後、食品ロス量を大きく削減していくためには、フードバンクのさらなる食品取扱量の増加が必要不可欠です。
また、日本においては食品寄附が原因で生じる賠償責任についての免責制度がなく、食品寄附活動においてフードバンクが過大なリスクを負う恐れもあることから、フードバンクが新たに活動するうえで保険は重要な役割を果たします。
その一方で、フードバンクはNPO法人から地方公共団体までさまざまな事業者が運営していますが、その多くは営利目的ではないことから売上高がなく、売上高で保険料を計算する一般的な賠償責任保険には加入ができないという課題がありました。
これらの背景を踏まえて、損保ジャパンは独自に、フードバンクが取り扱う「食品取扱量」に応じて保険料を計算し、フードバンクが簡易に加入できる専用保険を開発しました。全国フードバンク推進協議会に加盟するフードバンクを対象に販売します。
※1 消費者庁:2023(令和5)年度食品ロス量推計値の公表について 別添1 食品ロス量の推移と削減目標
https://www.caa.go.jp/notice/entry/042653/
※2 フードバンク活動団体一覧(令和7年6月6日時点)(EXCEL : 439KB)
https://www.maff.go.jp/j/syouan/access/index.html
※3 アメリカ:1,300以上、イギリス:2,000以上、フランス:5,400、オーストラリア:2,400以上の⾷糧援助組織
令和2年度消費者庁請負調査「諸外国における食品の寄附の実態等に関する調査業務報告書(みずほ情報総研株式会社)」
※4 食料・農業・農村基本計画 食料・農業・農村基本計画(令和7年4月11日 閣議決定)(PDF : 5,515KB)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/k_aratana/
2.フードバンク向けの専用保険の概要
主にフードバンクが活動中に負う法律上の賠償責任を補償する保険です。全国フードバンク推進協議会を契約者とする団体契約の形で保険を提供します。全国フードバンク推進協議会に加盟するフードバンクを保険の対象とします。
<保険金のお支払い対象となる事例>
・フードバンクのスタッフが食品の搬入中に他人にぶつかってケガを負わせた
・フードバンクで食品の保管方法を誤ったことが原因で食中毒が発生した
・フードバンクから提供を受けた食品で体調を崩した人へ見舞金を支払った など
<フードバンク向け専用保険のイメージ>

3.今後について
消費者庁では2026年4月より、一定の管理責任を果たすことのできるフードバンクの認証制度※5を開始する予定です。その認証制度におけるチェックリストには、「提供食品による事故が発生した場合に備えた保険加入」が含まれるため、この保険はフードバンクの認証制度においても重要な役割を果たします。
したがって、損保ジャパンと全国フードバンク推進協議会は互いに連携し、本保険商品の普及を通じてフードバンクの新たな設立やさらなる活動の支援を行い、食品ロスの削減に貢献していきます。
※5 資料4 第3回食品寄附等に関する官民協議会(2024年12月4日)
一定の管理責任を果たすことのできるフードバンクの認証制度[PDF:594.0 KB]
以上