株式会社HEM Pharma Japan
8月21日(木)メディアラウンドテーブルを開催
株式会社HEM Pharma Japan(エイチイーエム ファーマ ジャパン)(本社:東京都渋谷区、代表取締役(CEO) チ・ヨセフ、以下「HEM Pharma Japan」)は、2025年8月21日(木)に渋谷ソラスタコンファレンスにて報道関係者を対象としたメディアラウンドテーブル「未来を変える腸内革命 ― パーソナライズド・マイクロバイオームによる健康寿命の鍵」を開催しました。

HEM Pharmaの設立の背景とビジョン
HEM Pharmaは、アムウェイをはじめとする企業との協業を通じて、マイクロバイオーム技術を応用したサービスを展開し、2024年11月にはKOSDAQ市場への上場を果たすなど、急成長を遂げています。
HEM Pharma Japan 代表取締役社長(CEO)チ・ヨセフは、イベント冒頭の挨拶で同社の設立経緯とミッションを紹介しました。
チ代表は「私たちはマイクロバイオーム分野におけるトータルソリューションを提供するリーディング企業を目指しています。本日は“マイクロバイオームとは何か、そしてそれが今後のバイオ・ヘルスケア産業をどのように変えていくのか”についてお話しします」と述べ、同社のビジョンを示しました。
特別講演:私の体の中のもう一人の私 −マイクロバイオームの秘密−
続いて、建国大学(韓国)医学部 助教授 キム・ジュウォン薬学博士が『私の体の中のもう一人の私』と題してプレゼンテーションを行いました。キム博士は、健康寿命の延伸、すなわち“いきいきとした毎日を送ること”においてマイクロバイオームが重要な鍵を握ると強調しました。
「マイクロバイオームとは、体内外に存在する微生物とその遺伝子・機能・代謝物を含む総体を指し、栄養代謝、免疫調整、病原体排除、脳腸相関、代謝バランスなど多方面に影響を及ぼす存在です」と説明した上で、「人間のDNAは99.99%が共通している一方で、腸内細菌は個人間で10%程度しか一致しない」ことを紹介。さらに「生活習慣によっても大きく変化するため、一人ひとりに最適化された個別化戦略の必要性である」と訴えました。
最後にキム博士は、「パーソナライズド・ソリューションの実現には、高品質かつ大規模なデータベースの構築が不可欠である」と結びました。

対談:マイクロバイオームのデータ確保の課題とデータバンクの可能性
次に、チ代表とキム博士による『データ確保の課題とデータバンクの可能性』をテーマに対談が行われました。
キム博士は「研究を進める上で最も重要なのは信頼性のあるサンプルの確保です。特に便サンプルは、採取のタイミングや環境、食事内容など多くの要因に影響を受けるため、安定したデータを得ることが難しいのが現状です。そのため、量と質の両面を満たした高品質なデータベースの構築が不可欠です」と述べました。
これに対し、チ代表も「標準化されたプロトコル(SOP:標準作業手順)に基づいたサンプル収集が必要であり、それが守られなければデータの信頼性は大きく損なわれます」とコメントし、さらに「HEM Pharmaでは、個人の腸内に、どの菌が存在するかという腸内微生物のゲノム情報に加えて、その菌が何を生成し、どのように機能するかを示すメタボロームデータも収集します。これにより、統合的な分析によってマイクロバイオームの機能的解釈につなげています」と解説しました。
両者は、マイクロバイオーム・データバンクが、医療自体を「治療中心」から「予測・予防中心」へシフトしていく可能性を示唆しました。

HEM Pharmaの独自技術「PMAS」と今後の日本展開
続いて、チ代表が、同社の中核技術である 「PMAS(Personalized Pharmaceutical Meta-Analytical Screening/特許第7301220号)」 について解説しました。
チ代表は「パーソナライズド・ソリューションを提供する上で最大の課題は、個々に最適化されたプロバイオティクス製品を提供することの難しさ、そして腸内環境が時間とともに変化するため、その変化に合わせて個人へ提供する製品を見直し、調整し続ける必要があることです。これを解決するためにPMASを開発しました」と述べました。
PMASは、腸内環境を体外で人工的に再現できる世界唯一のプラットフォームであり、異なる成分の有効性検証により腸内で何が起こるかを精密に検証することが可能です。
マイクロバイオーム分野の技術はこれまで大きく三つの世代を経て発展してきました。マイクロバイオーム分析技術の第一世代はメタゲノム(Metagenome)解析で、健康な人と不健康な人の腸内に”どのような細菌が存在するのか”を特定する世代です。
第二世代はメタボロミクス(Metabolomics)解析で、腸内微生物の代謝物を分析することで、腸内微生物が実際にきちんと働いていることを確認できます。
そして、第三世代として登場したのが、Meta-Culturomicsであり、腸内微生物をシミュレーションする技術です。特定物質や薬を飲まなくても、個々人の腸内環境での効果を検証できる技術であり、HEM Pharmaはこの技術をベースに商用化サービスを提供しています。
チ代表はさらに、「PMASは第三世代の技術として確立され、韓国では2022年以降、95,000件以上のサンプルデータを収集しています(2025年6月時点)。今後は日本アムウェイとの協業を通じて、日本国内でもユーザーデータの迅速な収集とフィードバックの仕組みを整備し、PMASアルゴリズムの精度向上とデータベースの拡充を進めていきます」と語りました。

日本アムウェイ合同会社 イリーナ・メンシコヴァによるスピーチ
イリーナ社長は、「アムウェイは日本で60万組以上のお客様に支えられており、腸の健康を含む幅広いウェルネス事業を展開してきました。そこにHEM PharmaのPMAS技術が加わることで、より精度の高いパーソナライズド・ヘルスケアが実現できると確信しています。日本は急速な高齢化が進む社会であり、健康寿命の延伸は大きな課題です。栄養・運動・睡眠を組み合わせた包括的なウェルネスプログラムを提供し、人々がより長く、活力と自立を保ちながら高い生活の質を享受できる未来を描いています。HEM Pharmaと共に、パーソナライズドマイクロバイオームにおいて日本の先進性に貢献したいです」と協業の意義について述べました。

■ 株式会社HEM Pharma Japan会社概要
会社名:株式会社HEM Pharma Japan(エイチイーエム ファーマ ジャパン)
代表者:代表取締役 CEO チ ヨセフ(Yosep Ji)
所在地:〒150-0046 東京都渋谷区松濤1丁目1番3号 ジョワレ松涛4階
設立日:2025年01月06日
事業内容:マイクロバイオーム解析技術に基づく個別化ヘルスケアサービスの提供
■ HEM Pharma Inc.について
HEM Pharma Inc. は、腸内マイクロバイオームに特化したヘルスケア企業であり、腸内マイクロバイオームのシミュレーション技術である PMAS(Personalized Pharmaceutical Metal-Analytical Screening:個人化医薬品メタ分析スクリーニング)を活用した、カスタマイズされたヘルスケア事業と LBP(Live Biotherapeutic Products:生きた治療用微生物製品)創薬プラットフォーム事業、CDO(委託開発)を展開しています。その技術には、PMAS、マルチオミックス分析、マイクロバイオーム、メタボロームなどの統合分析技術と、MBR(Membrane Bio-Reactor)ベースの生産工程技術が含まれます。
会社名:HEM Pharma Inc.
上場市場:Kosdaq
代表者:CEO チ ヨセフ(Yosep Ji)
所在地:京畿道水原市
設立日:2016年12月30日