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Bondalti社のポルトガル工場において旭化成とCAC社によるイオン交換膜法食塩電解プロセスが商業運転開始

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旭化成株式会社

~電力削減と資源活用を追求する次世代食塩電解技術で、より低環境負荷な社会へ~

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「旭化成」)は、世界30カ国・160工場以上で採用されているイオン交換膜法食塩電解プロセス※1(以下「本プロセス」)のサプライヤーとして、本プロセスのエンジニアリングをリードするCAC Engineering GmbH(本社:ドイツ・ザクセン、CEO:Jörg Engelmann、以下「CAC」)と協業し、ポルトガルの大手化学企業であるBondalti Chemicals, S.A.(ボンダルティ、本社:ポルトガル・リスボン、President:João de Mello、以下「Bondalti」)のポルトガル・Estarreja工場において、本プロセスの商業運転を開始したことをお知らせします。

旭化成、CAC、Bondaltiの3社は、本プロセスを構成するEstarreja工場に設置した9槽の電解槽のうち1槽を「実証実験槽」として活用し、通常運転と並行して実証試験を実施します。旭化成のワンストップソリューション、CACの高度なエンジニアリング技術、そしてBondaltiの熟練した運転技術を融合させることで、電力消費量のさらなる削減と資源の有効活用を図り、環境負荷の低減を目指した次世代の食塩電解技術の確立に取り組んでまいります。

本取り組みは、ポルトガル政府の「Recovery and Resilience Plan※2」の支援を受けており、Bondaltiが掲げる脱炭素目標の達成を後押しします。

Bondaltiの実証実験槽と設置に携わった旭化成、CAC、Bondaltiの日欧合同のプロジェクトメンバー

現在、EUにて適用が開始された「CBAM(国境炭素税)」などの脱炭素規制強化や「CSRD(企業サステナビリティ報告指令)」による情報開示強化に合わせ、欧州のクロールアルカリ産業※3でも、製品の製造過程での電力使用量や資源効率まで含めた環境負荷が評価されています。さらに電力価格の高騰も重なり、電力消費の削減と資源の有効活用がこれまで以上に重要な課題となっています。

こうした状況を踏まえ、3社は、実証実験槽の運用を通じたプラントの最適化に取り組みます。旭化成は50年にわたる事業実績からの経験に加え、2020年に買収したRecherche 2000 Inc. ※4が提供する運転監視システムやソフトウェア解析サービス、さらには新形状電極の開発技術までを組み合わせた包括的なソリューションを提供し、CACおよびBondaltiと連携して、欧州のエネルギー戦略に適応した運転条件の調整など、従来では難しいとされてきた新たな運転手法にも挑戦してまいります。

また、旭化成が主導する金属リサイクルのエコシステム構築に向けた取り組み※5の一環として、今回の実証試験で使用した食塩電解セルと電極の金属リサイクルを実施する予定です。

3社は、この取り組みを通じて、食塩電解プロセスのさらなる省電力化と資源循環を実現し、持続可能な化学産業の未来に貢献してまいります。

各社責任者のコメント

Bondalti Director of Estarreja Factory David Lopes

「最先端の新しいクロールアルカリ工場の立ち上げは、パートナーである旭化成、CACの専門知識と、当社の人材による献身と高い技術力によって実現しました。この成果は、当社が掲げる持続可能なイノベーションと卓越した運営への取り組みにおける戦略的な節目となるものであり、責任ある化学製造の分野で先導するという当社のビジョンをさらに強化するものです。」

旭化成 交換膜事業部長 角 佳典

「Bondalti、CACとの協業により、本プロセスの商業運転を予定通り開始できたことをたいへん嬉しく思います。3社の強みを結集し、次世代食塩電解槽の運転を実現するとともに、クロールアルカリ業界全体の更なる発展と、脱炭素社会の実現に貢献していきます。」

CAC COO Jörg Engelmann

「商業運転を開始した生産ラインにおいて、9槽の新しい電解槽を統合するという技術的課題は、非常に高度かつ例外的なものでした。この取り組みは、旭化成との25年以上にわたる長期的な協力関係、そしてBondaltiの経験豊富なチームとの8年以上にわたる複数プロジェクトで築かれた信頼に基づく建設的な協力体制を、あらためて証明するものです。本取り組みは、技術革新、運転の卓越性、大規模プラントエンジニアリングの専門性を、協調的かつ建設的な基盤のもとで融合させることの価値を見事に示しています。」

Bondalti Chemicals, S.A.について

Bondaltiは、エネルギー転換が重要な役割を果たす、革新的かつ持続可能な化学を通じて、より良い世界の実現に貢献することを使命としています。Bondaltiは、2025年のEcoVadisグローバルランキングにおいて化学業界で最も持続可能な企業のトップ1%に選ばれており、ポルトガル最大の産業化学企業であると同時に、イベリア半島最大の塩素製造業者、そしてアニリン販売において欧州のリーダーです。また、Bondaltiは水処理およびリサイクル分野にも事業を展開しており、ポルトガルのエスタレージャおよびスペインのカンタブリアに工業拠点を、ポルトガルのアヴェイロおよびバレイロ、スペインのビーゴに物流施設を、スペインのリオハ、ポルトガルのシントラ、アンゴラのルアンダに水処理施設を有しています。さらに、ポルトガルのリスボン(本社)をはじめ、スペインのバルセロナ、マドリード、ポンテベドラ、サラゴサ、ログローニョにオフィスを構えています。

詳細は、https://www.bondalti.com をご覧ください。

CAC Engineering GmbHについて

CACは、プロセスおよび化学工学分野における信頼性と経験を兼ね備えた、国際的に有数のプラントエンジニアリング企業です。クロールアルカリ、(グリーン)Power to X、炭化水素、化学ソリューションといった事業領域において、大規模プラントエンジニアリング企業としての全サービスを提供しています。CACは、最高水準の性能と効率を追求しながら、低炭素経済への移行を推進することに取り組んでいます。旭化成株式会社(日本)との長年にわたる協力関係と、同社の高品質な交換膜電解槽技術を活用し、CACは25年以上にわたりクロールアルカリ電解プラントプロジェクト向けにカスタマイズされたソリューションの開発・提供・実装を行ってきました。現在、CACは約350名の従業員を擁し、そのうち約300名がドイツ・ケムニッツの本社に勤務しています。60年以上の歴史の中で、世界各地に500以上の産業プラントを建設してきました。

詳細は、https://www.cac-chem.de をご覧ください。

※1 イオン交換膜法食塩電解プロセス:食塩水を電気分解して塩素と苛性ソーダを製造する方法の一つで、従来の水銀法や隔膜法に比べ、環境負荷が低く安全性に優れることから、現在クロールアルカリ業界で主流となっている。

※2 Recovery and Resilience Plan:EUの「NextGenerationEU」基金を活用した国家戦略であり、ポルトガルではグリーン・トランジションや産業競争力強化を目的とした投資・改革が推進されています。

※3 クロールアルカリ:食塩水を電気分解して塩素と苛性ソーダを製造するプロセスで、有機物、無機物、

医薬品、石鹸・洗剤などの多くの最終用途に使用されています。

※4 2021年9月8日 「旭化成、イオン交換膜法食塩電解プロセスにおける新サービスの市場実証を開始」

   https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2021/ze210908.html

※5 2025年4月23日「旭化成・Nobian・フルヤ金属・Mastermelt、4社共同で食塩電解用セル・電極の金属リサイクルに関する実証開始」https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2025/ze250423.html

■旭化成 交換膜事業関連ウェブサイト:https://chlor-alkali.asahi-kasei.co.jp/

出典:PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ (2025年9月2日 11時10分)

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