アイザック株式会社
〜挙式や指輪にかける予算は20〜40万円が最多、100万円以上も多数!山田昌弘・中央大教授が語る、中高年に広がる「ときめき消費」〜
株式会社ラス恋(アイザックグループ/本社:東京都渋谷区/代表取締役CEO:山口 昂星)が運営する、対象年齢が40歳以上の恋活・婚活マッチングアプリ「ラス恋」は、2025年8月、アプリユーザー1,671名を対象に“最後の恋(ラス婚)”に関する意識調査を実施しました(監修:中央大学文学部 教授 山田昌弘)。

その結果、62.5%が「婚姻届にこだわらない関係」を望み、「同居しない関係」を選ぶ層が約半数にのぼるなど、従来の「結婚=同居=婚姻届」という前提からのシフトが明らかになりました。一方で、“ラス婚”を記念する挙式や指輪などへの支出意欲も旺盛で、体験(イベント)は20万円前後、モノ(記念品)は10万円前後が中心。合わせると20〜40万円がボリュームゾーンという傾向が見られ、恋が中高年の消費を力強く動かしている実態が明らかになりました。

調査名称 |
40〜80代ユーザーを対象とした「ラス婚における消費」に関する意識調査 |
調査期間 |
2025年8月22日(金)〜8月26日(火) |
調査方法 |
マッチングアプリ「ラス恋」アプリ内アンケート |
調査対象 |
40〜80代のユーザー1,671名 |
■調査結果サマリ
・婚姻届は出さない派が62.5%
「必要な時が来たら出す」も含め、法的な形式に縛られない恋愛観が主流に。
・別居希望が54.8%
「恋人関係を続けながら生活は自立」が、”ラス婚”のスタンダード。
・“ラス婚”記念費用は20〜40万円が最多ゾーン
イベント(食事会・挙式など)+記念品(指輪など)を合わせると20〜40万円がボリュームゾーン。
・高額消費層も一定数存在
記念イベント、記念品購入にそれぞれ「50万円以上」かけたいが1割、「100万円超」と回答した人も数%見られ、ジュエリーや旅行などラグジュアリー市場との親和性が示唆された。
■調査詳細
【1】婚姻届なし・別居多数派──“紙より言葉”を信じる関係性

「あなたにとってどんな「ラス婚」の形が理想ですか?」の問いに、最も多かったのは「必要な時が来たら婚姻届の提出も視野に入れる別居パートナー(恋人関係)」で524pt(31.4%)。続いて「婚姻届を出し、同居もするパートナー」が499pt(29.9%)でしたが、「婚姻届は出さずに同居する事実婚」263pt(15.7%)、「婚姻届の提出も同居もしない“ゆるやかな恋人関係”」257pt(15.4%)と続き、婚姻届を前提としない“柔らかなパートナーシップ”が全体の約6割を占める結果となりました。
さらに、Q2. プロポーズの形は? という問いでは「お互いに伝え合う」が最多(47.2%)。
自由回答では「相思相愛を確認したいから(49歳/男性/大阪府)」「しっかり考えてからお互いの想いを伝えるべきだと思う(47歳/男性/埼玉県)」といった声が寄せられ、婚姻届よりも“言葉での約束”を重視するという傾向が浮かび上がりました。
【2】年代で二極化──40代は“第二の結婚生活”、70代以上は“ゆる恋”へ
同じ設問の回答を年代別でみると、40代では「婚姻届を出し、同居もするパートナー」が最多で約4割。
一方で70代以上では「婚姻届の提出も同居もしない、ゆるやかな恋人関係」が4割超となり、年代によって“再婚・同居志向”から“ゆるやかな恋人志向”へと大きくシフトしていることがわかりました。
【3】関係性のあり方──恋人か、人生の伴走者か

婚姻届は出さない(62.5%)、別居希望(54.8%)が多数派で、人生後半のパートナーシップは「制度に縛られず、気持ちでつながる」スタイルが新常識になりつつあります。
Q1(理想のラス婚の形)では、「必要な時が来たら婚姻届も視野に入れる別居パートナー」31.4%と、「婚姻届あり・同居」29.9%が拮抗。さらに「婚姻届なし・同居(事実婚)」15.7%、「婚姻届あり・別居(週末婚)」7.7%と続き、恋愛・結婚観の多様化が進み、“ラス婚=婚姻届を提出する結婚”という固定観念を脱した構造となっています。
自由回答でも「二人の気持ちが大事(52歳/女性/福岡県)」といった声が多く、形式より気持ちを尊重しながら、各自のライフステージに合った関係性を模索する姿勢が浮き彫りになりました。
【4】恋が動かす「ときめき消費」──20〜40万が最多、50万円以上も約1割

<「ラス婚」記念イベントについて>
「『ラス婚』に際して、どのようなイベント(結婚式・セレモニーなど)を催したいですか?」の問いで最も多かったのは「相手と相談して決めたい」が837pt(38.3%)。続いて「結婚式らしいことはしたくないが、記念に何かイベント的なことはしたい」210pt(9.6%)、「二人きりでの挙式やフォトウェディング」191pt(8.7%)、「旅行先での記念セレモニー(リゾート婚など)」135pt(6.2%)と、“形式ばらないセレモニー”が人気を集めました。
一方、「特に何もしたくない」と答えたのは178pt(8.1%)にとどまり、全体の約9割が“最後の恋を祝いたい”と考えていることがわかりました。
自由回答でも「旅行先で特別な思い出を作りたいから(61歳/女性/大阪府)」「家族にその幸せを見てほしい。(53歳/男性/千葉県)」「1度目の結婚は指輪も式もしなかったから(54歳/女性/愛知県)」といった声が寄せられ、“人生の節目をもう一度祝いたい”という強い動機が消費を後押ししている様子が浮き彫りになりました。
「ラス婚」の記念イベントにかけたい費用は、「10〜20万円」の回答が最も多く(21.8%)、次いで「5〜10万円」(21.0%)、「20〜50万円」(19.1%)と続きました。一方で、100万円以上を投じたい層も約3%存在し、挙式や旅行など“特別なセレモニー”に大きな投資をする姿勢もうかがえました。
<「ラス婚」記念品購入について>
「ラス婚を決めたあと、記念品として何を購入したい・されたいですか?(※複数回答可)」 の問いで、最も人気を集めたのは「結婚指輪(ペアリング含む、おそろいの指輪)」で741pt(48.6%)。
「婚約指輪・ジュエリーなど(女性へのプレゼント)」282pt(18.5%)、「時計・ジュエリーなど指輪以外のおそろい装飾品」228pt(15.0%)、「夫婦茶碗や夫婦箸、パジャマなどおそろいの日用品」182pt(11.9)%と続きました。
一方で「特に必要ない」と答えた人は全体の23.2%にとどまり、約8割が何らかの記念品を購入したいと考えていることがわかりました。
記念品購入の理由には「二人だけのお揃いが欲しい(50歳/女性/静岡県)」「二人が繋がっている証として(64歳/男性/長野県)」など、婚姻届に代わる“絆の証”を求める声が多く見られました。
「ラス婚」の記念品購入費用では、「5〜10万円」が最多(24.4%)ですが、「50万円以上」と答えた人も7.4%、100万円以上も1.6%見られ、ジュエリーや高級時計など、よりラグジュアリーな選択肢を望む声も確認できました。
記念イベント、記念品にかけたい費用を合わせてみると、20〜40万円程度をかける人が最も多いゾーンとなります。一方で、イベントでは100万円以上が3.2%、記念品でも100万円以上かけたい層が1.6%存在し、旅行や高級ジュエリーなど、ラグジュアリーな選択肢を望む声も確認できました。
■中央大学文学部教授・山田昌弘教授が考察〜中高年の”ときめき”による消費〜
愛情やお金といった切り口から、恋愛や結婚を含む家族社会学を専門とする中央大学文学部教授・山田昌弘氏に、今回の「ラス婚に関する意識調査」の回答結果について、学術的な背景を交えてご考察いただきました。
ラス恋が増える背景
今、中高年で婚活、恋活をする人が増えています。その背景には、「独身者の増加」「長寿化」という二つの要因があります。例えば、今から35年前、1990年には、50代の独身者は1割程度、その大半は死別者でした。しかし、未婚者や離別者が増えることで、2020年には、50代の独身者は男性約35%、女性約30%となりました。ほぼ三人に一人が独身者で、この割合は年々高まっています。
そして、今、人生100年時代と言われています。1960年頃の日本の平均寿命は男性65歳、女性70歳前後でした。2023年には男性81歳、女性87歳まで伸びました。亡くなる人が一番多くなる年齢は、男性88歳、女性92歳です。長くなった老後を配偶者なしで過ごすのは寂しいと思えば、ラス恋、ラス婚を目指す人が増えるのは時代の流れと言えます。
「恋人以上、夫婦未満」? 結婚届けや同居にこだわらないカップルの絆
若い時点での恋愛のゴールは「結婚して子どもを育てること」といってもよいでしょう。恋愛自体を楽しむ人もいますが、そんな人でもいずれは、結婚して子どもを持ちたいという人が今でも多数派です。例外はありますが、子どもを育てるには、やはり、一緒に住んで結婚届も出すことが当然と考えられています。
しかし、シニアの恋愛は違います。子どもを産み育てたいというのは例外中の例外でしょう。となれば、恋愛のゴールは結婚とも限りません。結婚届を出さない事実婚、結婚届は出すが一緒に住まない別居婚や週末婚、結婚届も出さないし生活も一緒にしないいわゆる「恋人」関係で十分という人もいます。それだけ選択肢も多様になっています。
本調査の「あなたにとってどんなラス婚の形が理想ですか」という問いに関しては、調査詳細にあるように、ラス婚、ラス恋の目的が多様化していることがわかります。従来型の同居し婚姻届を出すという従来型の結婚を目指す人も男女とも3割くらいいて、特に40代では男女とも4割近くいます。一方、70代男性は9.5%(女性は25%)となっています。
逆に男女差が目立ったのは、事実婚(届けは出さず同居する)で、男性は18%なのに対し、女性は10.5%、特に60代、70代男性で多くなっています。差は大きくないですが、男性は同居にこだわり、女性はやや婚姻届にこだわる人が多いようです。やはり、男性は家事などの世話を女性にしてもらうのが当然と思っている人がまだいるからかもしれません。
調査詳細にあるよう、「婚姻届を視野に入れながら恋人関係を続けたい」というのが一番に来るのは、やはり、子育てを視野に入れざるを得ない若い人と違い、届けや同居を焦る理由はないと考える人が多いからでしょう。だけども、ただの恋人では不安、二人の関係が強いことを確かめたい、いわば「恋人以上、(伝統的な)結婚未満」の関係を求めている人が多いのではないかと思います。
プロポーズは男性から?
日本では、「告白」という文化があります。お互いに「好き」とか「付き合う」ことを確かめ合うまではただの友達。告白して初めて恋人となって、手をつないだりキスなどできるようになるという日本特有の習慣です。欧米ではあまりみられません。
伝統的に日本では、プロポーズは男性からという習慣があり、今の若い人でもそうです。調査結果をみてみると、「お互いに気持ちを伝えある形がいい」が男性では一番多いですが、女性は過半数が「相手からプロポーズされたい」と答えています。自分からプロポーズするという人は、わずか0.6%です。若い頃そうだったということもありますが、今後は欧米のように女性も積極的にプロポーズしていくということが必要な時代になっている気がします。
ときめき消費
今の50代、60代の人は、経済のバブル期(1986-1992)に青春時代を送っています。バブル期から2000年くらいにかけてが、日本で若者の恋愛が一番盛んだった時期なのです。当時のカップルは、高級レストランで食事したり、ドライブしたり、できて間もないディズニーランドなどでゴージャスな時間を過ごすという「デート消費」が盛んでした。記念日に都心の一流ホテルで一夜を過ごしたり、高価なブランド品をプレゼントし合うカップルの姿がマスコミでよく報道されました。当時の全ての若者がこのようなデートをしていたわけではないですが、できなかった人でもおしゃれなイベントに憧れていた人が多かったはずです。
そして、30年たって独身となり、また、恋愛の機会が巡ってきた。昔ときめきを感じたイベント関係をもう一度体験したい、当時は無理だったけど、お金に余裕がある今なら憧れのデートをしてみたいなど考えて、記念のイベントや記念のプレゼントを重視する中高年が増えているのだと思います(調査概要)。いわば、「トキメキ消費」再びですね。
今後盛んになる中高年恋活、婚活
このように、今後、中高年の恋活、婚活は独身者が増え寿命が延びたという人口学的要因、恋愛が盛んだった時代に青春時代を過ごしたという世代的要因があり、ますます盛んになっていくでしょう。結婚届けや同居という伝統的な形にとらわれないからこそ、二人の絆を「記念のイベント」「記念品」で確かめたいという人が増えていくと思います。
■中央大学・山田昌弘教授 プロフィール

1957年東京都生まれ。東京大学文学部卒業、同大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。専門は家族社会学。中央大学文学部教授。若者の就労・結婚観を分析し、「パラサイト・シングル」を提唱したことで社会現象を巻き起こす。
その後も 「格差社会」という言葉を広め、さらに 「婚活」という概念を世に出してブームの火付け役となるなど、時代の変化を捉えた鋭い提言で知られる日本を代表する社会学者。近著に『希望格差社会それから』(東洋経済新報社)がある。現在は、未婚化・少子化の要因や人生100年時代の家族・恋愛のあり方について研究・発信を続け、メディア出演・著作・講演などを通じて幅広い社会的議論をリードしている。
■ラス婚研究所ついて(https://laskoi.jp/blog)

「ラス婚研究所」は、40代以上の恋愛・婚活の実態を、データと声の両面から読み解き、社会に発信していく専門機関です。
今後も定期的なアンケート調査、インタビュー、体験ストーリーの収集を通じて、「人生後半の恋が、もっと自然に語られ、共感が広がる社会」の実現を目指します。
<ラス婚研究所・第一回座談会を実施>
なお、2025年9月6日(土)には、本調査結果を深掘りするユーザー座談会を開催予定です。当日は恋愛・婚活コンサルタントとして多くの中高年を支援してきた菊乃氏をゲストに迎え、実際のユーザーの声を直接聞ける場として、取材いただけるメディアの皆さまも歓迎しております。ご関心のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
【「ラス婚研究所」内人気レポート】
・【イベントレポート】ラス恋男性ユーザー向け「プロフィール写真セミナー」
■株式会社ラス恋 概要

株式会社ラス恋は、「恋する自由とときめきが、すべての人に開かれた社会をつくる。」をミッションに掲げ、40代以上を対象としたマッチングサービス「ラス恋」を企画・運営しています。
運営母体は、複数の恋愛・婚活アプリを展開してきたグループであり、9年以上にわたるマッチングアプリ運営の知見と実績を有しています。また、ISMS(情報セキュリティマネジメント)認証を取得しており、安心・安全なサービス運営体制を確立。人生100年時代を迎え、年齢を重ねてもなお「誰かと寄り添って生きたい」と願う人々に寄り添い、年齢や立場を問わず、ときめきと出会いの選択肢を社会に広げていきます。
会社名: 株式会社ラス恋
代表取締役CEO: 山口昂星
所在地: 〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西1-10-1 フジワラビルディング 2F
Webサイト: https://laskoi.jp/
■アイザック株式会社 概要

アイザックグループは、「世の中を、実験しよう。」をミッションに掲げるラボラトリーカンパニーです。100%自己資本・黒字経営という揺るぎない基盤のもと、次世代の“エゴ”にベットし、常に新たな時代の選択肢を創造し続けています。主なグループ会社には、ArtX株式会社(アート×テクノロジー)、リンク株式会社(マッチングサービス)などがあります。
会社名: アイザック株式会社 / aisaac inc.
代表取締役CEO: 田中和希
設立: 2015年12月
所在地: 〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西1-10-1 フジワラビルディング 2F
事業内容: Webサービスの企画・開発・運営
コーポレートサイト: https://aisaac.jp/