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【セミナーレポート】新規事業開発の壁を突破する 〜顧客の声の反映と外部プロ活用で成功する新規事業開発手法とは〜

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株式会社EmpowerX

2025年5月、大手企業の新規事業開発部門の責任者を対象としたウェビナー「新規事業開発の壁を突破する」が開催されました。本セミナーでは、オリックス株式会社が手掛ける文書管理サービス「PATPOST」の立ち上げ事例を軸に、その戦略と実行を支えたINCLUSIVE株式会社、株式会社EmpowerXの3社が登壇しました。

今回はセミナーテーマとなった新規事業を成功に導くための顧客との向き合い方、そして外部パートナーとの理想的な連携とは?をご紹介します。

目次

【登壇者】

・オリックス株式会社 法人営業本部 デジタル戦略推進室 「PATPOST」プロジェクトマネジメント担当 岩野 徹也 氏

・INCLUSIVE株式会社 アカウントプランニング本部 ユニットマネージャー 内山 彰敬 氏

・株式会社EmpowerX 代表取締役 大野 将也 氏

机上の空論を捨て、顧客の現場へ

オリックスは、新規事業として立ち上げた「PATPOST」を2023年5月より提供しています。きっかけは2021年8月、同社役員から岩野氏をはじめとする検討チームに与えられた「文書管理ストレージ」をテーマとする事業開発ミッションでした。現在は2025年3月末時点で2,000社以上が導入するサービスへと成長しています。

その成果の背景には、岩野氏含む新規事業担当者3名が、開発前から提案資料を作成し、企画時点で顧客ヒアリングを開始していたことがあります。岩野氏は「会議室で計画を練るのではなく、早くからお客さまの声に触れることを重視しました」と語ります。緻密な計画立案や仮説構築に時間を費やすよりも、まず顧客の一次情報に触れることを優先したのです。「もっと早くお客さまに聞いておけば、このプロセスは丸ごと不要だったのに」と後悔する事態を避けたい、そんな切実な思いが原動力となりました。

また、ヒアリングで重視されたのは「どのような機能が欲しいか?」といった直接的な問いではなく、「日々、どのような業務フローで仕事を進め、どこに課題を感じているか?」といった、業務実態の把握でした。

こうした取り組みを経て、岩野氏は「実際にクライアントの経理業務を数日間体験させてもらったことで、根強く残る紙文化や膨大な手作業による非効率さを肌で感じることができました」と語り、現場に身を置くことでしか得られない生の情報の価値と顧客ニーズの解像度を高める重要性を強調しました。

特に大企業において、新規事業が乗り越えなければならない障壁の一つが「社内承認」です。セミナーでは、オリックスの岩野氏が、この壁をいかにして突破したか、その具体的な戦略を明かしました。その鍵は、市場規模の予測データといったマクロな資料ではなく、極めて具体的で「手触り感」のあるパイプラインのリストにありました。

岩野氏は、「オリックスの社内では『手触り感』が非常に重視されます。抽象的な市場の可能性を語るよりも、バイネーム(固有名詞)で『この企業が導入してくれる』と示す方が、圧倒的に説得力があるのです」と語ります。

例えば、「どの企業のどの部署で、誰がどのような課題を抱え、なぜPATPOSTが必要なのか」と、具体的に物語れるレベルまで顧客の解像度を高めそれを社内にもプレゼンしていたのです。

さらに、「こうした顧客が10~30社ほど控えている」という量的な裏付けが、説得力を確固たるものにしました。岩野氏は、「もし自分が説明を受ける立場だったら、これほど確実性の高い話はありません。この具体的なパイプラインがあったからこそ、役員も投資判断がしやすかったのだと思います」と振り返ります。加えて、パイプラインを構築する過程で顧客と重ねた対話は、プロダクト開発のフィードバックとなり、サービス改善の加速にもつながりました。

このアプローチについて、EmpowerXの大野は、「セールスの現場でパイプラインや個社名を見るのは当たり前ですが、役員報告という上位レイヤーの場にまで、特定の一人の顧客(N1)を徹底的に深掘りするアプローチが一貫して持ち込まれていることに驚きました。これはオリックスの文化なのだと感じました」と、その徹底ぶりに感銘を受けた様子でした。

成功を加速させる外部連携術

「PATPOST」の成功は、オリックス社内の力だけで成し遂げられたわけではありません。SaaSの営業戦略やウェブマーケティングの手法は、外部の専門的知見を持つプロフェッショナルとの連携を積極的に活用しました。

「PATPOST」はマーケティング主導の営業戦略を推進する方針を採用し、プロモーション戦略と実行をINCLUSIVE社、営業の最前線を担う活動をEmpowerX社に委託しました。専門分野に強い外部との連携を生かすことで、事業立ち上げのスピードを大幅に加速させることに成功しました。

なお、パートナー選定においては社内の信頼できる人物からの紹介(リファラル)を重視しました。特に営業パートナーについてはSaaSや対象業界(経理業務など)への深い専門性を重視し、信頼関係の構築をスムーズにし、社内調整のハードルを下げる効果もあったといいます。

ただ、成功の鍵となったのは単なる「業者」としてではなく、「ワンチーム」として事業の中核に迎え入れたことでした。岩野氏は「毎日の朝会には、業務委託先のパートナー企業にもすべて参加してもらいました」と明かします。具体的には、Slackなどのツールを駆使して常に情報をフラットに共有し、情報格差を徹底的に排除しました。

EmpowerXの大野も、「オリックスの営業チームと我々のチームで合同の勉強会を定期的に開催し、互いの成功事例やノウハウを共有しました。この相互に刺激し合える関係性が、チーム全体の士気と成果を大きく向上させました」と、一体感のある連携の重要性を語りました。

泥臭さとテクノロジーの融合が次世代の新規事業を創る

セミナーの最後、岩野氏は生成AIの可能性に触れ、仮説立案や資料作成といった業務の効率化において最新テクノロジーの活用は不可欠であると述べました。しかし、それでもなお登壇した3者が口を揃えたのは「最終的な答えは、常に顧客のいる現場にしかない」という、事業開発の変わらぬ真理でした。

こうした考えは、新規事業の成功が決して綺麗な計画書の上だけで成し遂げられるものではないことを強く示しているように感じます。新規事業成功への道は、現場に深く入り込み、顧客が抱える課題を自分のことのように捉え、高速で仮説と検証を繰り返す、泥臭い活動の先にあるのです。そしてその骨の折れるプロセスを加速させ、成功へと導くために、専門知識を持つ外部パートナーとのオープンな協力関係はもはや不可欠であるのかもしれません。

オリックスが提供する、電子帳簿保存法対応※・AI-OCR搭載の文書管理サービス「PATPOST」公式サイトはこちら

https://patpost.jp/

※電子取引データ保存の場合は、別途、訂正・削除防止に関する事務処理規定の制定・遵守が必要となります。

EmpowerX 会社概要

株式会社EmpowerXは「世の中をEmpowermentする」をミッションに掲げ、クライアントの事業成長に営業支援で伴走する営業支援企業です。営業現場で培われた専門性と事業全体を俯瞰し成功へ導く戦略構築力を強みに、売上に直結する質の高い商談機会を創出・拡大しています。戦略策定から現場での実行までをハンズオンで支援し、クライアント企業の事業成長を実現しています。

会社名:株式会社EmpowerX

代表者:代表取締役 大野将也

所在地:東京都品川区東五反田2丁目9-5 サウスウィング東五反田4階

設立:2022年11月

URL:https://empowerx.co.jp/

出典:PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ (2025年9月2日 14時19分)

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