株式会社セールスフォース・ジャパン

※本記事は2025年6月25日に米国で公開されたNew MuleSoft Innovations from Salesforce Enable Secure, Scalable AI Agent Orchestration for Agentic Transformationの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
Model Context Protocol(MCP)対応により、あらゆるアプリケーションやAPIを、わずか数クリックで AIエージェントが活用可能なツールやリソースに変換
Agent2Agent(A2A)対応により、AIエージェント間で安全かつガバナンスを担保したアクションの連携を実現
統合開発環境(IDE)における新たな生成AIツールにより、開発者の生産性が向上し、プロジェクトの迅速な開発が可能に
株式会社セールスフォース・ジャパン(代表取締役会⻑兼社⻑ 小出 伸一、以下Salesforce)は、安全かつスケーラブルなAIエージェントのオーケストレーション基盤構築を支援する、MuleSoftの新たなAI機能を発表しました。これらの機能は、Model Context Protocol(MCP)やAgent2Agent(A2A)といったAIエージェント向けプロトコルをサポートし、既存の統合基盤、API、アプリケーションをAIエージェントに理解・活用可能なかたちで公開し、堅牢なガバナンスのもとでマルチAIエージェントによるワークフロー構築が可能になります。さらに、開発者の生産性を高める生成AIツールにより、MuleSoftは企業のAIエージェント対応を支援します。
Salesforceが先日発表した「Agentforce 3」に含まれるMCPのネイティブサポートに加えて、顧客はMuleSoftの新機能を活用して、API(英語)をMCPサーバーに変換し、制御性を保ちながらAgentforceのAIエージェントとの相互運用性を拡張できます。
また、今回の新機能により、企業はITインシデントの解決を自動化し、顧客体験を向上させると同時に、ITチームがより戦略的で付加価値の高い業務に集中できるようになります。たとえば、Datadogのような可観測性・セキュリティプラットフォーム上で、重要なサーバーエラーを検知する観測エージェントを構築し(AIエージェント→システム)、専門のデータベーストリアージエージェントに通知します(AIエージェント→AIエージェント)。さらに、このトリアージエージェントがエラーシグネチャをナレッジベースで検索、修正方法を特定し、修正エージェントに対して該当のクラウドサービスを再起動させたうえでSlackにステータスを投稿する(AIエージェント→AIエージェント→システム)といったマルチAIエージェント連携による自律的な処理が可能になります。
重要な理由
企業がより多くのAIエージェントを導入し、利用するアプリケーションやAIモデルの数が急増する中で、技術インフラは一層複雑かつ分断されたものになっています。実際に、「インテグレーション」はAI導入における最大の障壁とされ、ITリーダーの95%が有効なAI活用を妨げる最大の課題と挙げています。 従来のエンタープライズアーキテクチャはアプリケーション実行には適しているものの、何千、あるいは何万ものAIエージェントを全社的に管理するためには設計されていません。この構造的な転換により、オーケストレーション、インテグレーション、ガバナンスの新たな課題が浮き彫りになっています。
MuleSoftはこれまでも、企業のデジタル変革を支える統合・API・自動化ツールを提供してきました。そして今、AIエージェントが競争優位の中核となる時代において、MuleSoftのAIエージェントオーケストレーション機能は、企業がAIエージェント変革を実現するための新たな武器となります。
さらに詳しく
MuleSoftの新たなAIおよびAIエージェントに特化した機能は、企業がAIエージェントを活用した自律型の業務運営体制を築くうえで不可欠です。
新たなAIエージェントオーケストレーション機能には、以下が含まれます。
MCPサポート
MCPは、LLM(英語)やAIエージェントとSalesforceのような多様な外部システムとの間で、シームレスかつ安全な双方向通信を可能にする標準化されたオープンソースのフレームワークとして急速に支持を集めています。
MuleSoftのMCPサポート(英語)により、LLMやエンタープライズシステムとの統合がわずか数クリックで可能になり、あらゆるシステム上でAIエージェントがガバナンス(英語)のもとにアクションを実行できるようになります。
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MuleSoft MCP Connector:すべてのAPIにMCPを付与し、あらゆるアプリケーションやAPI をAIエージェント対応資産に変換
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MuleSoft for Agentforce: Topic Center:Agentforce含むすべてのAIエージェント基盤に対し、APIをインテリジェントなアクションへ変換
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MuleSoft Flex Gateway: MCP Support:統一プラットフォーム上でAIエージェントやモデルとの通信を安全に標準化

Agent2Agent(A2A)対応
A2Aは、複数のAIエージェント間での安全でスケーラブル、かつ探索可能な通信を実現する標準プロトコルとして注目されています。異なるAIモデル間の共通言語として、AIエージェント同士の直接的な連携を可能にします。
MuleSoftのA2Aサポート(英語)により、企業全体で、AIエージェント同士が安全に通信し、相互連携できるようになります。
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MuleSoft A2A Connector:あらゆるAIエージェントをA2Aサーバーまたはクライアントとして公開し、シームレスな接続を実現
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MuleSoft Flex Gateway: A2A Support:統一ゲートウェイでAIエージェント同士がお互いを検出を発見・連携し、マルチステップタスクを迅速に実行

新しい生成AIツール
MuleSoftの統合開発環境(IDE)(英語)であるAnypoint Code Builderに搭載された新たな生成AIツールにより、開発者は自然言語プロンプトでAPIや統合を迅速に構築し、生産性を向上できます。
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Anypoint Code Builder: AI IDE support:CursorやWindsurfなど、MCP対応IDEに MuleSoft開発機能を拡張
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Einstein for Anypoint Code Builder: API Spec:自然言語でAPI仕様書を生成し、形式と構文を自動整合させて開発を加速
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Einstein for Anypoint Code Builder: Dataweave:自然言語を通じてMuleSoft独自技術「Dataweave」の習得と変換作業を迅速化
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Anypoint Exchange: AI-generated documentation:API公開時に標準化されたドキュメントを自動生成し、利用者の理解を支援
視点
「MuleSoftによるAIエージェントオーケストレーションは、エンタープライズ統合の次の進化です。API、AIエージェントアクション、ガバナンス、そしてマルチAIエージェントの協調を統合することで、真に知的で実行可能なインタラクションを実現します」
Salesforce、MuleSoft 担当SVP兼GM、アンドリュー・コムストック(Andrew Comstock)
「MuleSoftのおかげで、人事から研究開発、コマーシャル部門に至るまで、AstraZeneca全体にAIを拡張させるためのコンポーザブルアーキテクチャとデータ基盤が構築できました。業界標準の進化に対応し、セマンティック層の重要性を踏まえたコミットメントは、AIエージェント間およびAIエージェントとシステム間の連携を安全かつスケーラブルにオーケストレーションする上で不可欠であり、SalesforceおよびMuleSoftとの戦略的パートナーシップは、我々のAI戦略にとって極めて重要です」
AstraZeneca、チーフ・ディスティングイッシュト・アーキテクト、ウェイン・フィリン=マシューズ(Wayne Filin-Matthews)氏
「我々は、複数のAIエージェントがパーソナライズされた体験を能動的に提供できる新しいカスタマーエクスペリエンスを構築しています。その基盤となっているのがMuleSoftによるコンポーザブルアーキテクチャであり、データをシームレスに統合し、AIエージェントが必要な情報にアクセスし、顧客とアドバイザー双方に価値を即座に提供できる仕組みを実現しています」
RBCウェルスマネジメント、米国・EMEA・アジア太平洋デジタル統括責任者、グレッグ・ベルツァー(Greg Beltzer)氏
製品提供状況
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MuleSoft A2A Connector:ベータ版提供中
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Einstein for Anypoint Code Builder: API Spec:提供中(2026年日本語正式サポート予定)
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Einstein for Anypoint Code Builder: Dataweave:提供中(2026年日本語正式サポート予定)
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Anypoint Exchange: AI-Generated Documentation:提供中(2026年日本語正式サポート予定)
詳細情報:
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MuleSoft Connect:AIセッションの視聴は、こちら(英語)。
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MuleSoft製品の最新イノベーションについては、こちら。
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MuleSoftにおけるAI活用については、こちら(英語)。
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MuleSoft for Agentforceの詳細は、こちら(英語)。
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エージェンティックAIにおける統合の重要性については、こちら。
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AIエージェント変革への備え方とそのメリットについては、こちら(英語)。
Salesforceについて
Salesforceは、あらゆる規模の企業がAIを活用してビジネスを再構築できるよう支援します。企業向けとして初となるデジタル労働力を生み出すプラットフォームであるAgentforceは、Customer 360アプリケーション、Data Cloud、Einstein AIとシームレスに統合し、制限のない労働力を実現します。これにより人とAIエージェントが連携し、信頼性の高い単一のプラットフォームでビジネスを成功に導くことができます。詳細は salesforce.com/jp をご覧ください。
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