大阪芸術大学
■最優秀賞・優秀賞・奨励賞を受賞した作品の一部を8月14日(木)~ 9月30日(火)に全国のモレスキン直営店で巡回展示
大阪芸術大学(学校法人塚本学院/所在地:大阪府南河内郡/学長:塚本邦彦)は、イタリアンブランドのモレスキンとパートナーシップを提携し、デザイン学科の学生たちによるアートコンペティション「Unleash Your Genius(才能を解き放つ)」を行いました。8月2日(土)にはコンペティションの授賞式が行われ、上位受賞作品は2025年7月31日(木)~8月23日(土)の間、大阪・関西万博イタリア館で開幕したモレスキンの世界巡回展「Detour Osaka」にて展示されました。また、最優秀賞・優秀賞・奨励賞を受賞した作品の一部は、8月14日(木) ~ 9月30日(火)の期間中、全国のモレスキン直営店で巡回展示いたします。

■アートコンペティション「Unleash Your Genius(才能を解き放つ)」について
ゴッホやピカソも愛用した伝説的ノートブックにインスピレーションを受けたモレスキンは、ブランドのメッセージ「Unleash Your Genius(才能を解き放つ)」を伝えるキャンペーンとして2025年4月より大阪芸術大学との共同プロジェクトを開始しました。
この取り組みは、2025年前期のデザイン学科3年生の授業「デザインプロジェクト」内で行われ、同学科の山角悦三客員教授が指導にあたりました。参加した23名の学生たちは、様々な発想で「才能を解き放つ」というテーマを表現し、できあがった作品を撮影してポスターを制作。各自の創造性が発揮された多彩なポスター作品が提出され、学内での一次審査とモレスキンとのオンライン審査を経て、受賞作品が決定しました。


■イタリア館で上位作品が展示され、授賞式も開催
モレスキンとモレスキン財団が主催する「Detour Osaka」には、世界的なアーティストたちがモレスンのノートブックに創作した作品が集結。伊藤豊雄、隈研吾、佐藤オオキ、妹島和世、ホンマタカシ、押井守、塩田千春、コシノジュンコ、蜷川実花など日本からの参加作品を含め68点が展示されました。アートコンペティションで最優秀賞を受賞した陰下瑞生さん、優秀賞を受賞した岩崎楓さんと浦上夏奈さんの作品も、イタリア館の会場内に特別展示。貴重な芸術作品が並ぶ人気の高いパビリオンだけに、同展でも大勢の来場者が熱心に鑑賞する姿が見られ、学生作品も注目を集めました。
また、8月2日(土)には「Detour Osaka」の開催を記念して、モレスキンのクリストフ・アーシャンボウCEO、モレスキン財団のアダマ・サンネCEOらによるテープカットやトークショーが行われました。また来場者が似顔絵を描き合うワークショップも実施され、デザイン学科の学生もサポート役として参加しました。
さらに同日、アートコンペティションの授賞式も開催。モレスキンジャパン株式会社カントリーマネージャーのニック・ワディントン氏に一人ひとり名前を読み上げられて受賞者が登壇し、山角悦三客員教授から表彰状、クリストフ・アーシャンボウCEOから賞品と激励のメッセージが贈られました。国際的ブランドとともに取り組み、万博会場での展示が実現した今回のプロジェクトは、学生たちに多くの発見や気づきを与え、自信や創作意欲向上につながる経験となりました。







■パートナー企業コメント
モレスキンCEO クリストフ・アルシャンボー氏
手書きは、脳を活性化させる効果があると科学的に示されているだけでなく、人にとって楽しいことでもあります。今回の大阪芸術大学との共同プロジェクトでは、“紙にペンで書く”ことに対するデジタル世代の若者たちの思いを自由に表現してもらいたいと考えました。どの作品も、学生の皆さんそれぞれの才能が光る素晴らしい出来栄えだったと思います。

「Unleash Your Genius(才能を解き放つ)」という私たちのブランドミッションを一人ひとりが深く
掘り下げ、各自の創造性を解き放ってくださったことに、感銘を受けました。
皆さんにはこのプロジェクトでの体験を自信につなげ、自らの才能を信じ、磨き、育ててもらいたいと思います。そしていつか、皆さんの中から「detour」コレクションに参加してくれるアーティストが生まれることを期待しています。
■担当教員コメント
デザイン学科 客員教授 山角 悦三 先生
今回のプロジェクトでは、モレスキンのノートとペンを使用することを条件としながらも、その形状や用途にとらわれず、固定概念を取り払って制作することに挑みました。「Unleash Your Genius」キャンペーンは2025年4月のミラノデザインウィークでも展開され、「脳」をテーマにした作品が発表ましたが、今回はその延長ではなく、日本独自の内容で実施。表現の常識を疑い、破壊するプロセスの中で、より自由な発想を促すことを重視しました。既存の作品例を見ることで発想が狭まることを避けるため、あえて参考資料を見ないよう指導した場面も。学生たちは自由度の大きさに悩みながらも、自分ならではのアイデアを生み出そうと真剣に向き合ってくれました。

上位受賞作品は、ノートを船に見立てて物語性を持たせたり、ノートをばらばらにして翼に仕立てたり、紙をまるめて木を作るなど、常識の殻を破る発想力と、自らの手でイメージを表現する造形力の両方を満たしていたと思います。ポスター出力ではローランド ディー.ジー.さんにご協力いただいて最先端の印刷技術で色彩や質感にもこだわることができ、作品を成果物へとブラッシュアップさせる過程も学べました。世界中からお客様が訪れる万博会場で作品が展示されたことは、自信になるのはもちろん、クリエイターとしての将来にも役立ち後々まで誇れる実績です。ワークショップでのお客様とのふれあいも含めて、学生たちには本当に貴重な経験になったことでしょう。
大阪芸術大学デザイン学科では、様々な企業や地域との産学連携プロジェクトを年間30件以上も展開しており、大学時代だからこそ体験できるような取り組みも多くあります。社会と密接に関わりながら実践的に学び、色々なものに関心を持って視野を広げることで、真のデザインの力を養ってほしいと願っています。
■受賞学生コメント
最優秀賞 陰下 瑞生 さん デザイン学科 3年生(グラフィックデザインコース)
こうしたコンペティションに参加したのは今回が初めてで、本格的な就職活動を始める前に自分の力を試してみたいと思って挑戦しました。最優秀賞という思いがけない結果に、驚きと喜びでいっぱいです。作品の着想は、自分の好きなファンタジー系の絵本や物語の世界観から。ノートとペンを船とオールに見立て、知恵を象徴するネズミが荒波の中へ発想の冒険の旅に出る、というストーリーでブランドメッセージと連動。物語のワンシーンのような作品をめざしました。通常の授業の課題とは違って、自分の好きなものだけを詰め込んで自由に表現することができ、それを高く評価していただけて、二重に嬉しかったです。

ネズミのキャラクターは粘土で作り、北斎の『神奈川沖浪裏』のモチーフから連想した荒波は紙で造形。時間も手間もかかって大変でしたが、苦労した甲斐がありました。見る人に自由に感じ取ってもらえるよう、ネズミにあえて表情をつけていないのもこだわりの一つです。
平面中心だった作品制作から一歩ふみだして、自分には立体的なものづくりにも意外に適性があると発見。また、手書きでアイデアや物語を書き留めるうちに、「書くことって楽しい」と思えるようになり、苦手にしていた自分の思いを言語化することにも向き合えました。表現の幅を広げる新しい可能性や気づきを見いだせたのも、大きな収穫です。
優秀賞 岩崎 楓 さん デザイン学科 3年生(グラフィックデザインコース)
紙とペンがあれば、人はどこまでも高みをめざせる」というイメージで、ノートの翼を持つ天使がペンで天に言葉を届ける様子を表現しました。当初はノートの形状を変えてもいいのかという不安もありましたが、モレスキンの担当者の方の「自由な発想で、逸脱してもいい」という言葉に背中を押され、制作への意欲が高まりました。コスプレやキャラクターの小道具の造形などが趣味。ノートを一枚一枚貼り合わせて羽根を作りながら、全体のバランスを見てボリュームを調整したり、紙をカールさせて陰影が出るよう工夫したりと、試行錯誤するのも楽しかったです。自ら天使に扮しての撮影にも力が入り、スタジオのセッティングや羽根の修復に苦労しながら頑張りました。

山角先生が親身にアドバイスしてくださり、ローランド ディー.ジー.さんの特殊印刷で背景の文字に立体的な質感を加えていただくなどして、より完成度の高い仕上がりを追求できたと思います。
私にとってこれが初めての受賞。万博という素晴らしい場所で多くの人に作品を見ていただくことができ、授賞式には両親も参加してもらえて、本当に嬉しかったです。ノートという形や用途を超えて自分らしい作品を生み出せた経験を、今後の制作にもいかしたい。広告やグラフィック系の進路をめざして、これからも枠にとらわれない自由な発想を大切にしていきたいです。
優秀賞 浦上 夏奈 さん デザイン学科 3年生(イラストレーションコース)
最初はなかなか発想が浮かばず、「ノートに書きためたことが一本の木となって花を咲かせ、いくつもの思考が集まって大きな“アイディアの木”になる」というコンセプトにたどり着くのに時間がかかりました。山角先生から「着想が面白い」と言っていただけて手ごたえを感じたものの、白い紙だけを使って木を表現するのにも苦戦。これまで取り組んできたイラストレーションやデザインワークとは違う立体的な形づくりに悩みました。撮影でもライティングやアングルなど細部までこだわり、フォトショップでの調整や印刷加工を経て、思い描いたイメージ通りのポスターに仕上げることができた達成感は大きかったです。

でもこんな素晴らしい賞をまさか自分が受賞できるとは思わず、連絡をいただいた時は本当に驚きました。万博の会場で実際に展示されている所を見て、やっと「本当に受賞したんだ!」と実感がわいたほどです。授賞式の当日にはパビリオン内を見学でき、本物の芸術の迫力に感動。「Osaka Detour」では一流のアーティストの方々のノートブック作品に目を奪われ、発想や表現の豊かさに刺激を受けました。またワークショップに参加して、色々なお客様と一緒に楽しく似顔絵を描き合ったことも、忘れられない体験です。そんな特別な空間で作品を展示できたことは、大きな自信になりました。将来はデザイン系の仕事に就くのが目標。これを励みにして、今後もどんどん作品制作や学内外の展示に挑戦したいと思います。
■モレスキン直営店巡回展示概要
会場 :モレスキン原宿店
東京都渋谷区神宮前6-31-21 東急プラザ原宿ハラカド1F
モレスキン横浜店
横浜市西区南幸1-4 ジョイナス B1F
モレスキン神戸阪急店
神戸市中央区小野柄通8-1-8 神戸阪急本館 7F
日程 :① 8月14日(木)~ 8月24日(日)
② 8月25日(月)~ 9月5日(金)
③ 9月6日(土) ~ 9月14日(日)
④ 9月15日(月)~ 9月23日(火)
⑤ 9月24日(水)~ 9月30日(火)
■Detour Tokyo概要
会場 :21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
東京都港区赤坂9-7-6
東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
日時 :2025年9月10日(水)~9月23日(火)10時~19時
