株式会社堀場製作所
高い正確性と簡便性を兼ね備え、環境調査から工業プロセスまで多様な水質管理に貢献
HORIBAグループの水・液体計測事業を担う株式会社堀場アドバンスドテクノ(本社:京都市南区吉祥院宮の東町2 代表取締役社長 西方 健太郎|以下、当社)は、水質分析計の統合ブランド「LAQUA(ラクア)」シリーズの新製品であるポータブル濁度計「LAQUA-TB220」を9月3日に発売します。
HORIBAは1950年に国産初※1のガラス電極式pHメーターを開発して以来、独自の技術をもとに水質測定のソリューションを提供し続けてきました。新製品「LAQUA-TB220」は、シリーズ初となる濁度測定に特化したポータブル型水質計として、下水や排水の水質管理から食品・飲料などラボにおける品質管理まで多様な環境での測定に貢献します。
液体に光を当て散乱(反射)する光と透過する光を測定する透過散乱光方式を採用することにより、誰でも簡単に操作しやすいエントリーモデルでありながら、濁り度合いを低濁度から高濁度まで幅広いレンジで正確性と安定性の高い測定※2が可能です。
なお、本製品は、2025年9月3日から5日まで開催されるアジア最大級の最先端科学・分析システム&ソリューション展「JASIS 2025」(幕張メッセ)に出展します。

【開発の背景】
水の「濁り」の程度を測定する濁度計は、環境調査や工業プロセスにおける品質管理などで幅広く利用されています。近年、排水基準の厳格化に加え、自然災害やインフラの老朽化による突発的な水質悪化などへの懸念を背景に、企業や自治体には迅速かつ柔軟な水質管理体制が求められています。こうしたニーズに応えるべく、屋内外を問わず幅広い環境で濁度測定を行えるポータブル濁度計を開発しました。高い正確性と簡便性を兼ね備えた本製品は、水質の異常を早期に把握し、対応するための重要なツールとして、水質の維持管理に貢献します。本製品を「LAQUA」シリーズのラインアップに加えることで、シリーズ全体のさらなる販売拡大をめざします。
【製品の特長】
1.透過散乱光方式の採用により、幅広い測定レンジで正確性の高い測定値を提供
より汎用的に使用できるよう、低濁度の測定に適した散乱光法、高濁度の測定に適した透過光法の両要素を組み合わせた透過散乱光方式を採用しています。これにより、周囲の温度変化やサンプルの色による影響を低減し、ポータブル濁度計のエントリーモデルでありながら、低濁度から高濁度まで幅広い測定レンジ(0.01NTU~2000NTU※3)で正確性と安定性の高い測定※2が可能です。
2.簡便に使用ができ、測定データの利活用が可能
持ち運びしやすいコンパクトサイズ(縦21cm、幅11cm、高さ5.5cm / 410g※4)かつ防水・防塵性※5に優れた設計となっており、多様な環境で迅速に濁度測定が行えます。
測定データは最大2000件まで内部メモリへ保存することができるため、頻繁に測定が必要な現場でも活躍します。また、PCに接続するとデータの転送を行うことも可能で、データの再利用や分析が容易となり、業務の効率化や品質向上に貢献します。
※1 当社調べ。
※2 繰り返し性は「測定値に対して±2%もしくは±0.02NTUの大きい方」である。例えば、測定値1NTUのサンプルは誤差±0.02NTU以下、測定値10NTUのサンプルは誤差±0.2NTU以下となる。
※3 Nephelometric Turbidity Unitの略。水の濁度を測定するための単位で、数値が大きいほど水が濁っていることを示す。
※4 電源となる単3アルカリ乾電池4本の重量を含まない。
※5 防水・防塵構造:IP67 相当(容器の挿入部除く)