すららネット
アダプティブな対話式 ICT 教材の開発と提供を行う株式会社すららネット(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:湯野川孝彦)は、2025年8月23日(土)、「すらら 探究チャレンジ 2025」最終プレゼンテーション大会をオンラインで開催しました。
厳正な審査の結果、最優秀賞はNagasaki Global Junior Innovators(真未来塾/長崎県)の「―力を合わせて地球を救え― 地球よろこ部、新入部員募集中!」が受賞しました。最優秀賞のほか、優秀賞、優良賞、審査員特別賞、奨励賞が授与され、全国から寄せられた多様な視点と創造的な解決策が光る大会となりました。

すららネットは2015年から、学年や地域を越えて全国の子どもたちが答えのない課題解決に挑む探究型イベントを開催し、延べ2600人以上が参加してきました。テーマは特定の教科に縛られず、唯一の正解がない社会性の高い課題を設定。異なる背景を持つ仲間とICTを通じて交流し、多角的な視点やコミュニケーション力を養います。これにより、実社会で役立つ思考力や判断力、表現力を自然に育むことができます。
11年目となる本年は、「すらら 探究チャレンジ」としてリニューアルしました。今年のテーマは「それって本当に環境にイイの? ~世の中の環境問題への取り組みを調べて、より良い方法や新しい取り組みを提案しよう!~」。5月から約3か月間にわたって実施した4つのプログラムとクエストには、全国の小中高生延べ150名が参加しました。そして最後のプログラムのレポート提出では、25チームからレポートを提出いただき、社内審査を通過した「優秀チーム」5チームおよび、オンライン展覧会での投票によって選ばれた「展覧会選出チーム」1チームの合計6チームがオンラインで最終プレゼンテーションを行いました。
すららネットの探究イベントで、真未来塾が通算7回目の最優秀賞受賞!
ストーリー性と一次情報の収集力、提案のメタ認知が高評価に
長崎県の真未来塾に通う中学1年生3人と高校2年生1人で構成されたNagasaki Global Junior Innovatorsが最優秀賞を受賞しました。真未来塾は第3回から本イベントに参加しており、塾として通算7回目の最優秀賞受賞となります。
同チームの発表は、キャラクター設定やストーリーを巧みに構築したプレゼンテーションで、聞く人を引き込む世界観を演出。さらに、アンケートやインタビューといった一次情報を自ら収集、現場に足を運ぶことでしか得られないリアルな課題を抽出し、それを新たなアイデアに結び付けた点が評価されました。また、提案内容を自ら検証し、課題発見から調査・分析、解決策の具体化に至るまでをストーリーに沿って表現する「提案のメタ認知」に対する取り組みも際立ちました。丁寧なプロセスに加え、エンターテインメント性のある発表が審査員を魅了し、今回の最優秀賞受賞となりました。

長崎市内の小中高生129人に独自調査を実施、電力会社や上下水道局など地域の現場に直接取材調査を通じて、生活と環境のリアルな課題を明らかにしました。
解決策として出たアイデアを実際に取り組みながらも、新技術だけに頼るのではなく、自らの行動を振り返る大切さを提示。提案のメタ認知の姿勢が光りました。
そして課題発見から解決策、自己検証までをストーリーで表現。エンターテインメント性と探究の深さを兼ね備えた結論で締めくくりました。
<受賞の感想>
自分たちらしい発表で最優秀賞を受賞できたことを嬉しく思っています。難しいと感じることもありましたが、先輩や友だちと協力して完成させることができました。
チーム全員で協力して、答えのない問いに向かって考えていくことがとても楽しく、文章を書くことや、取材に行って現在の環境のことについて改めて知ることができ、さまざまな面で成長できたと感じています。
他のチームのプレゼンテーションも大変すばらしく、自分たちと異なる考えも知ることができ、良い経験ができたこともとても嬉しかったです。

【最終審査結果】
■最優秀賞(全国第一位)
チーム名 :Nagasaki Global Junior Innovators
所 属 :真未来塾(長崎県)
タイトル :「―力を合わせて地球を救え― 地球よろこ部、新入部員募集中!」
内 容 :地域や世代を越えて環境保護意識を高めるため、部活動形式で誰もが参加できる
「地球よろこ部」を設立し、多様な課題解決アクションを提案。
■優秀賞(全国第二位)
チーム名 :Neon Pulse
所 属 :個別学習塾G-Braves(千葉県)
タイトル :「地球温暖化対策の4つの提案」
内 容 :火力発電依存による温室効果ガス削減のため、二酸化炭素を
「出さない」「吸収」「利用」「電力にする」という4つの視
点から考えた具体的な地球温暖化対策を提案。
■優良賞(全国第三位)
チーム名 :チームInfinity∞
所 属 :英進館 江津校(熊本県)
タイトル : 「プラスチック 未来の地球を豊かに」
内 容 :日本の深刻なプラスチック問題を背景に、アニメ映画や小中学生向け教材、
アプリで若年層の関心を高め、日常的な取り組みを促す啓発策を提案。
■審査員特別賞(3チーム)
チーム名 :牛丼ライト特盛
所 属 :個別学習塾G-Braves(千葉県)
タイトル :「公園にマイボトル用給水スポットを」
内 容 :ペットボトル削減と節水・CO₂削減のため、公園の水道利用実態を調査し、
千葉市の事例を参考に公園へのマイボトル給水スポット設置を提案。
チーム名 :ヨシニワ
所 属 :高岡龍谷高等学校(富山県)
タイトル :「持続可能な社会を目指すグリーンポイント制」
内 容 : 地球温暖化や資源枯渇などの環境問題に着目し、人々の環境配慮行動を促進・
習慣化するため、行動に応じてポイントを付与する制度を提案。
チーム名 :明野NC
所 属 :英進館 明野校(大分県)
タイトル :「学校給食における食品ロス削減に向けた解決策」
内 容 : 学校給食での食品ロス削減に向け、原因分析や啓発活動、AIを活用した調理量調整、
残食再利用など多角的な対策を提案。
■奨励賞(4チーム) ※順不同
チーム名 : Rabbit
所 属 :英進館 谷山校(鹿児島県)
タイトル :「SAFの実用性 持続可能な航空燃料とは…」
内 容 :航空機燃料によるCO₂排出問題に対し、廃食油などを原料とする持続可能な
航空燃料(SAF)の活用促進と普及啓発を提案。
チーム名 :チームのあお
所 属 :高岡龍谷高等学校(富山県)
タイトル :「リユース瓶管理アプリ BINNY」
内 容 :リユース瓶の回収率低下や輸送コスト増による環境負荷に対し、地域内で回収・
再利用を効率化する管理アプリ「BINNY」を提案。
チーム名 :すららを愛する小6集団
所 属 :堀口塾(神奈川県)
タイトル :「コーラをおいしく飲むためにはどうしたらいいのか?」
内 容 :紙ストローの環境性と使い勝手の課題に着目し、アンケートや比較を通じて
利便性と環境配慮を両立したストロー利用のあり方を提案。
チーム名 :女子チーム
所 属 :英進館 武蔵ケ丘校(熊本県)
タイトル :「身近に使われている紙製品は代替の素材がある?」
内 容 :紙製品が本当に環境に良いのかを検証し、紙ストローやノートの代替として
マイストローや電子メモパッドの活用を提案。
【特別審査員講評】
株式会社第一生命経済研究所 常務取締役 ライフデザイン研究部長 首席研究員 宮木由貴子氏
今回、皆さんは「環境にも人間にも良い」という非常に難しいテーマに挑みました。答えが一つに定まらない課題に対して、なぜその答えに至ったのかを丁寧に説明することがプレゼンテーションの本質だったと思います。
環境や人間を取り巻く状況は、常識や当たり前が大きく変化していく分野です。その中で重要なのは、「なぜだろう(Why)」「何だろう(What)」をしっかりと掘り下げ、その上で「どうしたらいいのか(How)」を自分の考えとして提示することです。受賞チームは、このスキームを的確に組み立て、説得力ある提案として表現していた点が非常に素晴らしかったと感じています。どのチームの発表も素晴らしく、楽しませていただきました。ありがとうございました。
You Go Anywhere Pte. Ltd. Managing Director 片野祐斗氏
あるチームが「アプリを作る」という提案をしてくれました。その発想を受け、私の方でAIを使って実際に簡単な試作品を生成してみました。動作する画面を見せながら、子どもたちにAIの実力を知ってもらい、「自分たちにもできる」という感覚を持ってもらいたかったのです。
今の時代、AIを活用すれば試作品レベルのアプリは誰でも手軽に作ることができます。そしてこれからの社会では、AIを使って自分のアイデアを素早く形にする力が必須のスキルになっていきます。今回のプレゼンをきっかけに、ぜひ実際に手を動かし、AIを活用して自分たちの提案を形にしてみてください。今回の活動の次のステップとして挑戦してもらえたら嬉しいです。
「すらら 探究チャレンジ2025」今後の展望
企画運営主幹 杉ノ内智也
10年の歴史をもつアクティブラーニング型のイベントを、今年から「すらら 探究チャレンジ」としてリニューアルし、5つのプログラムとクエストを通して探究のステップを楽しく体験できる構成にしました。 “環境問題”という身近でありながら答えのないテーマに挑戦していただき、全国から延べ150 名の小中高生が参加しました。ICTを活用した意見交換やワークショップを通じて、多様な背景を持つ仲間と出会い、チームで調査・分析・提案を行うプロセスは、単なる学習にとどまらず、互いの考えを尊重し合う貴重な体験になったと考えています。
今回、最優秀賞から奨励賞までの各チームの提案は、社会課題に真正面から向き合いながらも、子どもならではの柔軟な発想やユニークな切り口が光るものでした。レポートは25チームから提出され、レポート一つひとつが現実社会に新たな視点を投げかけてくれるものでした。

これから子どもたちが大人へと成長していく過程においては、自分自身や社会、さらには地球規模の課題に対し、「正解のない問題」と向き合う機会が増えていきます。こうした問題は、従来の授業のように明確な答えがあるわけではなく、子どもたちにとっては難しく感じることもあるでしょう。しかし私たちは、子どもたちにその困難を恐れず、一歩を踏み出してほしいと考えています。
創造力を働かせ、主体的に考え抜き、自らの言葉で答えを持てたとき、子どもたちは新しい世界を広げ、確実に成長していきます。多様な「正解のない問題」に自らの答えを持ち続けることこそが、子どもたちの人生を形づくる大切な糧になると信じています。
「すらら 探究チャレンジ」は、その第一歩を子どもたちに体験してもらう場です。今後も、教育現場と連携しながら、多くの子どもたちが自らの力で未来を切り拓いていけるよう、この取り組みを届けてまいります。
【開催概要】
タイトル 「すらら 探究チャレンジ 2025」
テーマ それって本当に環境にイイの?
~世の中の環境問題への取り組みを調べて、
より良い方法や新しい取り組みを提案しよう!~
開催日時 2025年5月19日(月)~8月23日(土)
参加対象 ・すららネット提供サービス導入校の児童生徒(受講IDの有無を問わない)
・すららネット提供サービスをご家庭で受講しているお子さま
内 容 <プログラム1>アイデアチャットで課題発見:5/19(月)~6/15 (日)
<プログラム2>オンラインワークショップ:6月7日(土)、14日(土)
<プログラム3>チームでレポート作成:5/19(月)~7/16(水)
<プログラム4>レポート展覧会:7/28(月)~8/25(月)
<プログラム5>最終プレゼン大会:8/23(土)
<クエスト>
プログラムの進行に合わせてクエストが出題されます。各種クエストを見事クリアすると
オリジナルグッズを獲得できます。また、すべてのクエストをクリアすると、探究チャレ
ンジ修了書が贈呈されます。