フューチャーライフエクスペリエンス・「TEAM EXPOパビリオン」広報事務局
〜フューチャーライフヴィレッジに「しゃべりかけるミャクミャク」コーナー新設、漫画家メッセージボード展も好評〜
大阪・関西万博のフューチャーライフヴィレッジで開催中の 内閣府「ムーンショットパーク ~見て!触れて!感じる!新・未来~」では、未来社会の可能性を“見て・触れて・感じる”体験型展示を週替わりで9月15日まで実施しています。
ムーンショット型研究開発制度は、超高齢化社会や地球温暖化などの重要な社会課題に対し、国が設定した10の野心的な目標(ムーンショット目標)を掲げ、挑戦的な研究を推進する制度です。 ムーンショットパークでは、重要な社会課題に対する学びと、アバター/ロボットの活用・健康寿命の延伸や資源循環・気象制御など、ムーンショット目標が目指す2040年、2050年の未来社会を体感・体験することができます。


【8/20~8/31までの展示】
■ 脳波でゲームをコントロール!ブレインピック体験
脳が発する微弱な信号(脳波)を読み取り、手足を使わずに機械やキャラクターを操作できる「Brain-Computer Interface(BCI)」の体験が行われました(混雑時は整理券方式となります)。
来場者は、フォートナイト内の特設スタジアムでキャラクターを走らせるゲームに参加。コントローラーを使うのではなく、脳波を測定する装置を装着し、「走る」動作を思い描き脳波とシンクロすることでキャラクターが動く体験をすることができます。シンクロ率を高めれば高めるほど、長い距離を走ることができますが、どれくらいシンクロしているかという数値も可視化されるため、参加者は、脳波がキャラクターと同期していく感覚を実際にゲームを通して味わうことができました。
この展示は、単に遊ぶだけではなく「脳と機械が直接つながる」ことを自分の体で確かめられる稀少な機会です。病気や事故で失われた身体機能の回復支援など、医療・福祉分野での活用も期待されており、2050年には日常生活の一部として幅広く普及する未来像を提示しています。



■ 未来のてるてる坊主ってどんなカタチ?
近年頻発するゲリラ豪雨や線状降水帯による被害を減らすため、リアルタイムで降雨の強さや頻度を制御する「豪雨制御技術」の研究を紹介する展示が行われました。
展示の冒頭では、2050年の未来を描いたアニメーション映像を鑑賞。そこでは、雨を制御する技術開発が進んでおり、女子高校生、建築家の男性、アーティスト製作も行う会社員女性という、立場が異なる3人の主人公が、市民会議で自らの意見を述べなければならない状況に直面し、それぞれが抱える葛藤や雨と向き合っていく様子が描かれ、鑑賞後には、実際に研究開発が行われている豪雨制御技術をパネル展示で紹介。海上に設置される洋上カーテンを模擬した風洞実験などを通じて、研究開発の一端に触れることができました。
映像と実験が組み合わされることで、来場者は「気候を制御する未来」が現実的な選択肢として示される様子や、それを受容するのか否かの選択が迫られる未来社会のあり様を、臨場感を持って体感できる展示となりました。



■ 台風を脅威から恵に
台風の勢力を人為的に弱める「台風制御」と、台風の膨大なエネルギーを活用する「台風発電」に関する研究を紹介する展示です。日本初の台風専門機関として台風研究をリードする「台風科学技術研究センター」を中心に、2050年に向けた安全で持続可能な社会の実現を目指しています。
展示では、過去の大型台風をモデルに、巨大な地図上で進路や勢力の変化をシミュレーション。さらに、床上・床下浸水や住宅被害額が台風制御によってどれほど抑えられる可能性があるのかを、数値としてわかりやすく可視化します。こうした工夫により、来場者は台風災害リスクの低減に向けた研究の可能性を“目で見て”理解できる、迫力ある動く展示が見られました。
また、研究者が印象深いと選んだ複数の台風のミニチュアモデルが並び、台風ごとの形や動きの違いを比較しながら理解することができる点も見どころのひとつでした。



【9/2~9/15からの展示】
■ 未来の地球は変えられる!~技術の力で解決しよう(温暖化や食料問題)~
「過去の地球」と「未来の地球」の2つのゾーンで、地球に対する現状の危機感と未来への期待感を体験・体感を通じて学ぶ展示です。

■展示内容
この100年間で人類の生活はとても便利になりました。一方で、大量生産と大量消費によって、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの大量排出や海洋へのマイクロプラスチック流出等の問題を引き起こしています。特に、近年では地球温暖化を起因とする気候変動の影響が世界各地で甚大化しており、将来の食料不安も抱える状況となっています。
本展示で、地球環境の再生と食料問題の解決によって地球環境を回復させながら都市文明が発展していく道のりを体験することができます。
■見どころ(地球環境の再生)
海洋プラスチックエリアでは、生活に欠かせない様々なプラスチック製品から、年間800万トンものゴミが海に流れ込む現実を体験します。深海5,500mから採取されたプラスチックごみの現物も展示され、海洋プラスチック問題の深刻さをリアルに把握できます。
窒素化合物では、ハーバー・ボッシュ法による化学肥料が飛躍的な農業生産拡大をもたらし、私たちの生活を豊かにした一方で、化学物質が地球環境の限界値である「プラネタリー・バウンダリー」を超えている現状を、模型、映像、グラフィックで解説します。

「未来の地球」では、「ムーンショット型研究開発制度」で進められている、未来の地球を創る技術の一端を紹介します。 Cool Earth(地球冷却)の展示では、AR技術を活用し、空気中のCO2を直接回収するDAC(Direct Air Capture:直接空気回収)装置の仕組みをわかりやすく可視化します。
また、Clean Earthの展示では、海洋生分解性プラスチックの釣り糸が海で分解される様子を映像で紹介。窒素化合物についても、N₂Oを食べるゲームや排水からの資源循環、藻類からのバイオ燃料生産など楽しみながら学ぶことができるジオラマ展示をおこなっています。

是非この機会に、[新技術によって未来は変えられる]取り組みを体験ください。
■見どころ(食料問題の解決)
「未来の地球」で、温室効果ガスの発生を抑えながら食料の生産を拡大する取り組みに関して、食料と環境の問題をまとめ、未来の食と農の実現のために開発しているテーマを紹介しています。
2050年までに人口は90億人に達し、現在より1.7倍の食料が必要になります。これまでの食料増産は、化学肥料や農薬に大きく依存してきましたが、その生産や運搬には温室効果ガスが発生します。また、地球温暖化による干ばつや塩害、さらには病害虫や規格外の形状によって、農作物の4割が出荷できなくなるという問題も起きています。加えて、家畜の糞やゲップに含まれるメタンガスも、温室効果ガスの大きな原因となっています。
こうした課題を解決するため、さまざまな研究が進められています。例えば、ムーンショット目標5では、2050年までに牛のゲップに含まれるメタンを8割削減することを目指しています。また、化学農薬を使わない害虫駆除や、化学肥料に頼らず土壌微生物の力で養分を作る技術、さらには水が少なくても育つ環境に強い作物の開発など、地球に優しく食料生産を拡大する技術を開発しています。
これらの取組みを動画や家畜や農地などの模型でお楽しみいただくと共に、8つの研究開発の詳細をQRコードから読めますので、どうぞご覧ください。


ムーンショットパークでは、このほかにも、私たちが2040年、2050年に向けて直面する社会課題に対し、最先端の科学技術がどのような解決策をもたらすのかを、来場者が実際に“見て・触れて・感じる”ことができる展示が続々と展開されてきました。健康や医療、環境問題、エネルギー、ロボットとの共生、さらには宇宙開拓や量子コンピュータといった先端分野まで、幅広いテーマが紹介され、未来社会の多様な姿を体験できると来場者たちにも好評をいただいています。
ムーンショットパーク これまでに展示された内容
https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/expo2025/exhibition.html

タイトル |
内容 |
Cybernetic being Life |
「もう一つの身体」を得る未来を描いた展示。サイバネティック・アバターを通じて、年齢や障害の有無にかかわらず誰もが自在に活動できる社会を紹介しました。分身ロボットで旅行や仕事をこなし、脳波でロボットアームを操作することで身体の不自由さを乗り越え、日常生活を取り戻す、といったシナリオや、身体の限界を超えることで、人間の能力や可能性が広がる未来を体験いただきました。 |
生体内サイバネティック・アバターと歩む未来の健康社会 |
体内に小さなアバターを配置し、病気の兆候をリアルタイムで検知したり、薬をピンポイントで投与したりする技術を紹介。来場者には、自らの体内の様子を可視化する体験を通じ、健康管理が日常生活に溶け込む未来を実感いただきました。 |
慢性炎症ハンターズ ~100歳まで健康に生きられる未来へ~ |
加齢に伴う病気の原因の一つであり、目標7のキーワードである「慢性炎症」をテーマにした体験型展示を行いました。来場者にわかりやすく説明し、ゲームを楽しんでもらうことで、「健康寿命を延ばす」取り組みを知っていただくことができました。 |
挑戦を後押しする未来のロボットパートナー |
人に寄り添い、ときに背中を押してくれるロボットたちをテーマに、利用者の状況や感情に合わせて形や機能を変化させ、旅行や買い物、スポーツといった場面をサポートする姿を紹介。ロボットが単なる機械ではなく、心強い「伴走者」になる未来の姿を展示しました。 |
ようこそ!ロボットと共に歩む2050年の未来へ |
運動透視テクノロジーを体験し、自らの筋肉や骨の動きを可視化。そこから得られるデータをロボットの制御に活かすことで、人に最適な支援を行う技術を紹介し、人とロボットが共進化し、前向きに生きられる社会をつくる研究の一端に触れられる展示となりました。 |
ロボットに触れて、人・ロボット共生社会を体験しよう |
家事・介護・医療分野における人間協調AIロボットを体験。柔らかな動きや自然な対話を通じ、人とロボットが安心して共に暮らす社会の姿を実感いただきました。 |
街中に溶け込んだ未来の健康診断を体験しよう |
採血不要といった身体に負担をかけない日常の延長線上にある健康チェックを体験。気軽に疾病の兆候を把握できる仕組みを紹介し、未来の予防医療の在り方を想像いただける展示となりました。 |
ロボットがつくる月面世界で、何がしたい? |
月面に長期滞在するための拠点を構築するロボット技術を映像と実演で紹介。来場者は「月でどんな暮らしをしたいか」を考え、宇宙開拓の可能性に触れる展示となりました。 |
量子コンピュータってどんなもの? |
量子コンピュータの有効な使い道と期待される、自然界のシミュレーションについて解説を行いました。また精巧な超伝導型量子コンピュータの模型を間近に、未来の技術を感じていただきました。 |
フュージョンエネルギーで実現する未来社会 |
太陽と同じ原理でエネルギーを生み出す核融合研究を紹介。環境にやさしく、資源の枯渇の心配がない未来社会を支える可能性について展示を通じて伝えました。 |
あなたの「想い」が届く未来:自在ホンヤク機 |
脳波を解析し、体験者同士のシンクロ状態を音や光で表現する体験展示。言葉を超えて人とつながる新しいコミュニケーションの形を来場者に示しました。 |
アバターランドで楽しもう! |
ホスピタリティ豊かなアバターと触れ合い、教育や医療、遠隔での社会参加を体験。人とアバターが共に暮らす未来を身近に体感いただきました。 |
フューチャーライフヴィレッジその他のトピックス
TOPICS1:「しゃべりかけるミャクミャク」コーナーが新設!
首相官邸にも設置されており大きな話題となった「しゃべりかけるミャクミャク」の同型モデルがフューチャーライフヴィレッジに設置されました。写真撮影ができるほか、ミャクミャクへのメッセージボードが設置されているので是非お立ち寄りください。

TOPICS2:Welcome to Japan:漫画家メッセージボード展開催中
4月30日から5月2日にかけて開催された「Cool Japan Showcase Anime Manga Tourism Festival」(主催:内閣府知的財産戦略推進事務局)において展示され好評を博した、漫画家の皆さまから寄せられた万博来場者の方々へのメッセージボード(色紙)を、フューチャーライフヴィレッジで9月4日(木)まで再展示中です。
『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦氏や『キングダム』の原泰久氏など、総勢95名もの日本を大代表する漫画家の描き下ろし色紙が一堂に会する貴重な展示です。是非ご覧ください。



【フューチャーライフヴィレッジについて】
フューチャーライフヴィレッジは、2025年大阪・関西万博のテーマ、「いのち輝く未来社会のデザイン」を基に、人類共通の課題解決を世界で共有し、英知を集め、アイデアを交換し、未来社会を共創することを目指し、さまざまな参加者が「未来の暮らし」、「未来への行動」をコンセプトとする多種多様な「問い」と「提案」を持ち寄ることで、参加者同士や来場者との対話が生まれ、未来社会はどんな姿かをみんなで考え、共に創り出していく共創(co-create)を実現する場です。「未来の食」「未来の文化」「未来のヘルスケア」を中心に、日々の暮らしに近い分野の展示や発表するフューチャーライフエクスペリエンスと、参加者が「主人公」となり、「未来への行動」を宣言することで、発表者と来場者が「対話」し、未来社会の実現に向けた新たな「共創」を生み出すことを目的とした「TEAM EXPOパビリオン」、世界が抱える問題提起や、課題を解決する良質なプロジェクトが展示・発信される「ベストプラクティス」があります。