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「仕事への責任の重さで差がつく時」なら納得感がある:62.7% ~しゅふJOB総研~
仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関『しゅふJOB総研』(運営会社:株式会社ビースタイル ホールディングス 本社:東京都新宿区、代表取締役:三原邦彦)は『男女の賃金格差』をテーマに、主婦層を中心とする就労志向の女性にアンケート調査を行いましたので以下にご報告します。(有効回答数:874件)
■調査結果概要
1.女性と男性との間で賃金差があり、不公平を感じたこと「ある」53.8%
2.女性と男性で賃金差があり不公平を感じたことあるか:2025年と2022年の比較
3.「男性の方が賃金が高い」82.9%、「どちらかが高い場合もある」11.7%
4.賃金差がついても納得感がある理由「仕事への責任の重さで差がつく時」62.7%
5.男女の賃金差の公表義務づけによる変化「賃金差縮まった」13.7%
6.フリーコメントより
1.女性と男性との間で賃金差があり、不公平を感じたこと「ある」53.8%

2.女性と男性で賃金差があり不公平を感じたことあるか:2025年と2022年の比較

3.「男性の方が賃金が高い」82.9%、「どちらかが高い場合もある」11.7%

4.賃金差がついても納得感がある理由「仕事への責任の重さで差がつく時」62.7%

5.男女の賃金差の公表義務づけによる変化「賃金差縮まった」13.7%

6.フリーコメントより
◇フリーコメントより抜粋(年代:就業形態)
<同じ仕事をしているのに、女性と男性との間で賃金差があり不公平だと感じたことが「ある」と回答した人>
・同じ経験年数、成果でも男性の方が昇進しやすい。なんなら、男性は大黒柱だからとか、意味わからない理由で、評価に差をつけられたことがある(40代:フリー/自営業)
・そもそも出世の機会が女性に少ないので差がつくのも当たり前(50代:パート/アルバイト)
・女性の賃金が男性より低いのは女性にも問題がある場合が多い。家庭優先で、重責を担うことを避ける女性が多いから仕方ないと思う(60代:正社員)
・体力の違いはあれど、いまだに日本では男尊女卑のマインドが根づいていると思うことから、賃金差が生じていると感じる(50代:フリー/自営業)
・女性が主に家事育児を負担するという世の中の当たり前がなくならない限り、女性が会社や社会で活躍できないので、いつまでも賃金差がなくならないと思う(40代:正社員)
・女性は育児が優先になるので、残業NGな場合が多く、賃金差が出てしまいます(60代:派遣社員)
・同じ職種であっても、女性に対しては「結婚して養ってもらえること」が前提であるかのように、低賃金であることが当然とされがちです。女性には雑用のような業務が割り当てられやすく、その仕事は正当に評価されず、周囲に気づかれることも少ないのが現実です。にもかかわらず、そうした業務は「男性にはできない仕事」とされることもあります(30代:パート/アルバイト)
・昔に比べれば改善されたのではないかと思います(50代:今は働いていない)
・男性というだけで優遇され、公平な感じは一切しない。扶養という考え方に女性も甘えている部分がある。国の制度も女性の方が低賃金というのが基盤となっているのではないかと思う(60代:パート/アルバイト)
・同じ仕事の筈だが仕事に関係ある雑事を女性がやる事になるのが多く感じる(60代:今は働いていない)
・職種によっては差があるのは仕方ないと思う(40代:フリー/自営業)
・体力的な事や、出産や生活の変化で仕方ない事もある(50代:パート/アルバイト)
・昔からの流れなので、時間はかかるがだんだん縮まっていくと思う(40代:派遣社員)
・我が社で言えば、男性の場合ある程度の収入がないと生活が厳しいだろうという理由で高い賃金が設定されているが、女性の場合そのような考えにならない。私はシングルマザーなので生活が厳しいのに、一般的な女性(専業主婦または、夫や自分以外で収入がある人と同居している)という括りにされていて、ずっとダブルワークから抜け出さないでいる(50代:契約社員)
・賃金のみならず、仕事内容にも格差をつけられて、出世等視野を広げる仕事から遠ざけられてしまう現状が賃金に影響しているようで、悔しいと思う(40代:派遣社員)
<同じ仕事をしているのに、女性と男性との間で賃金差があり不公平だと感じたことが「ない」と回答した人>
・男性の方が責任が重い仕事をしていることが多いと思うので、賃金差は仕方ないことだと思う(50代:今は働いていない)
・体力面ではしょせん男性には勝てないと思う(50代:パート/アルバイト)
・女性が出産育児を主に行うのでやむを得ないと思う(40代:派遣社員)
・私が今まで働いてきたところでは、あまり女性と男性の働き方に違いを感じなかったが、一般的な風潮で感じるのは、女性と男性の賃金差というよりも女性が上の立場に上がる機会が少ないこと、そうした事を周りの人たちがあまり好意的に見ないこと、出産や育児、女性特有の身体的な問題に関して理解やサポートがないこと。その結果、女性の収入(賃金)が少ないのではと思う(30代:今は働いていない)
・正社員時代、特に男女による賃金格差を感じることはありませんでした。その代わり、何時まででも同様に残業し、お客様の接待にも日を跨いでも付き添い、同じように必死に働く必要がありました(50代:派遣社員)
・性別による賃金差は今までの就業で感じた事はありません(50代:フリー/自営業)
・賃金に差がある求人を見たことがない(40代:今は働いていない)
・職業によって、まず男性は力が有る。男性は一生仕事。重い責任を背負う事が多い(個人差有り)女性もその傾向が有るが、未だ少ないと思う(50代:正社員)
・専門分野を活かす仕事をしていた為賃金差というより男女差についても感じずに済んだのだと思う(50代:パート/アルバイト)
・時短することで賃金の差が出ること。時短にしたとしても、男性やフルで勤務してる人と同じくらいの業務をこなしています。勤務時間で月給が変わることにあまり納得できません(20代:正社員)
・30年前よりは随分改善されたと思います(50代:今は働いていない)
・性別による格差は、ほぼ解消されている。問題は子育て世代が雇用されにくい現実と、雇用しても制限が多いため任せられる仕事にも制限がかかるということ。働ける時間や密度が低いのにフルタイムの正社員と同じだけ働けてると思ってるほうが間違い(50代:派遣社員)
・子育てをしていると、どうしても短時間パートでしか働けない期間がある。収入の柱は長期間に渡って男の人なのでは、、、。と思うので私個人的には、男女間での賃金差に不公平差を感じません(40代:パート/アルバイト)
・男女平等ということがそもそも難しいと思う。なので全ての分野での平等は無いと考えている(60代:派遣社員)
・今まで女性の多い職場で働くことがほとんどでした。なので差はあまり感じた事はありません。アルバイトの採用をしていた頃も賃上げについて男女差はつけてません。が、アルバイトから社員登用となるとやや男性の方が有利な気がします。それは結婚や出産による退職がないと上司が判断していたからです。この差は大きいと思います(40代:正社員)
■しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎より
常用労働者301人以上の企業に「男女の賃金の差異」の公表が義務化されてから3年。主婦層を中心とする就労志向の女性に「同じ仕事をしているのに、女性と男性との間で賃金差があり不公平だと感じたことはありますか」と尋ねたところ、53.8%が「ある」と回答しました。3年前の調査(※)と比較すると、8.2ポイント減少しています。性別による賃金の不公平感は、減少する傾向にあるようです。「ある」と答えた人にどのような不公平を感じたかを尋ねると、82.9%が「男性の方が賃金が高く、女性は低い」と回答しました。一方「女性の方が賃金が高い場合も、男性の方が高い場合もある」は11.7%、「女性の方が賃金が高く、男性は低い」も1.3%いました。
また「同じ仕事をしているのに賃金に差がつくとしたら、どういう理由であれば納得感がありますか」との質問に対しては、「仕事への責任の重さで差がつく時」が最も多く62.7%。続いて「深夜など働く時間帯の違いで差がつく時」54.0%、「雇用形態の違いで差がつく時」50.1%でした。「いかなる理由であれ、納得感はない」は5.0%で、多くの人は賃金に差がついたとしても理由次第で納得できるケースがあるようです。また、女性と男性の賃金差を公表することが法律で義務づけられたことによる変化を問うと「何も変わらない」「わからない」が合わせて8割を超え、「女性と男性の賃金差が縮まった」との回答は13.7%に留まりました。ただ、賃金差で不公平を感じたことがある人の比率が減っていることを踏まえると、女性と男性の賃金差が縮まる方向へ進める機運は醸成されてきているのかもしれません。一方、フリーコメントには女性であることが低賃金の仕事につながりやすいことを憂う声がいくつも見られます。女性と男性の賃金格差是正はまだまだ道半ばであることが伺えます。
※2022年調査:https://www.bstylegroup.co.jp/news/29509/
しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎 プロフィール
1973年三重県津市生まれ。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業管理職、業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼編集委員などを経て、2010年に株式会社ビースタイル(当時)入社。翌年、調査機関『しゅふJOB総合研究所』を起ち上げ所長就任。これまでに、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層を中心にのべ50000人以上の声を調査・分析し、300本以上のレポートを配信。2021年に独立し現職の他、ワークスタイル研究家として解説記事の執筆・講演、広報ブランディング活動のアドバイザリーなどに携わる。

実務経験分野は、人材派遣・紹介・アウトソーシングなど人材サービス事業に20年以上従事し、役員・管理職として営業や新規事業の立ち上げ、広報ブランディング、経営企画、人事など事業現場の最前線から管理部門まで管轄するなど多岐にわたる。人材マネジメントから法規制まで、雇用労働分野の幅広いテーマについて多数のメディア出演などを通して意見提言を行う。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。
Facebookページ:『ヒトラボ』編集長(2011年~)/Facebookグループ:『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰(2016年~)/すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役/日本労務学会員
◇委員等 厚生労働省 委託事業検討会委員
民間人材サービス活用検討事業「民間人材サービス事業者のノウハウを活用した女性の復職
促進検討会」(平成29~30年度)
労働者等のキャリア形成・生産性向上に資する教育訓練開発プロジェクト事業「プログラ
ム検討委員会」(平成29~31年度)
日本人材派遣協会 派遣事業運営支援部会員(平成20~21年、24年)、内閣府 規制改革会
議雇用WG勉強会(平成26年)など
◇メディア出演 NHK『あさイチ』解説、テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』パネラー、
フジテレビ『みんなのニュース:ふかぼり』解説などのテレビ出演の他、
ラジオ・新聞・雑誌・ビジネス系ウェブメディアなどでコメント多数
◇執筆・その他 ITメディア連載『働き方の見取り図』/JBpress連載『ワークスタイルの行方』他、
日本経済新聞、日経MJ、時事通信、BUSINESS INSIDER JAPAN、プレジデントオン
ライン、J-CASTニュースBizなど執筆・寄稿記事多数。大学や地方自治体、男女共同
参画センターなどでの講演、パネルディスカッションのモデレーターも務める
■調査概要
調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数:874名 ※女性のみ
調査実施日:2025年5月19日(月)~2025年5月31日(土)まで
調査対象者:ビースタイル スマートキャリア登録者/求人サイト『しゅふJOB』登録者
※当リリースに関して、研究顧問 川上へのインタビューのご要望があれば広報までご連絡ください
<しゅふJOB総研について>
「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」そんな志から始まった2011年設立の研究所です。ライフスタイルと仕事の望ましいバランスに対する社会の理解を高め、女性のみならず誰もが働きやすい職場をより多くつくっていくために、定期的なアンケート等の調査を実施し結果を社会に発信しています。
※過去の調査結果はこちら⇒https://www.bstylegroup.co.jp/news/category/report/
※しゅふJOB総研は、東京大学SSJDAに過去の調査データを寄託しています⇒http://bit.ly/2n8jHIJ

<ビースタイルグループについて>
『時代に合わせた価値を創造する』という存在意義 -PURPOSE- のもと、その時代の社会問題や人々の不便を革新的な事業によって解決しようと取り組んでいます。創業以来、しゅふの雇用をのべ20万人以上創出してきた「しゅふJOB」や多様な働き方×ハイキャリアを実現する「スマートキャリア」など人材サービス事業を主軸に、業務自動化支援にも取り組み、目指す未来 -VISION- 『かかわる全ての人がしあわせ』を実現してまいります。
