カテゴリー

全国の一般社員・管理職2,106名へのアンケート調査 転職経験者の61.8%が転職に満足、「前の会社の方が良い」は7.8%のみ

  • URLをコピーしました!

株式会社スコラ・コンサルト

転職意向が高いのは「若い年代」と「女性」、「転職意向あり」5割、「3年未満に転職したい」2割 全体の11.8%が他の社員の「リベンジ退職」※を経験 (※退職に伴う報復的行為)

このたび、株式会社スコラ・コンサルトは、全国の社員100名以上の企業に勤める一般社員・管理職2,106名を対象に、転職や働くことに関する意識についてアンケート調査を実施しました、その結果、転職経験者の61.8%が総合的な評価として「今の会社の方が良い」と満足している一方で、「前の会社の方が良かった」と不満をもつ人はわずか7.8%であることが明らかになりました。転職意向は、「3年未満に転職したい」が2割、転職意向合計は5割に達します。特に若い年代と女性の転職意向が高い傾向があります。そのほか、全体の11.8%が上司・同僚・部下による「リベンジ退職」(退職に伴う職場への報復的な行為)を経験していることが分かりました。本調査結果を受けて、人材定着や転職の背景、対策の方向性について解説します。

【調査結果の要旨】

Topic1.「働く会社を選ぶ際に重視すること」と「今の会社で満足していること」の上位3要素は「給与・賞与・福利厚生」、「残業の少なさ・休みのとりやすさ」、「人間関係」で共通。「給与・賞与・福利厚生」と「人間関係」はさらに満足度を高める余地あり

Topic2.転職意向が高いのは「若い年代」と「女性」、「転職意向あり」が5割、「3年未満に転職したい」が2割

Topic3.社員が長期に定着する要因と考えられるのは「残業の少なさ・休みのとりやすさ」、「人間関係」、「自由度や裁量」

Topic4.転職経験者の61.8%が転職前の会社より「今の会社の方が良い」と評価、「前の会社の方が良い」は7.8%のみ

Topic5.転職の「総合的な評価」が高い転職タイプは「ブラック逃避型転職」81.2%、「組織に失望型転職」75.6%、「環境不適応型転職」74.6%、「人間関係ストレス型転職」71.0%、「ビジョンと実態の乖離型転職」70.0%

Topic6.全体の11.8%が他の社員の「リベンジ退職」を経験

Topic7.転職経験者が転職して良かったと思ったこと(自由回答の抜粋)

Topic8.上司・部下・同僚が退職した際に困ったこと・嫌だったこと(自由回答の抜粋)

Topic1.「働く会社を選ぶ際に重視すること」と「今の会社で満足していること」の上位3要素は「給与・賞与・福利厚生」、「残業の少なさ・休みのとりやすさ」、「人間関係」で共通。
「給与・賞与・福利厚生」と「人間関係」はさらに満足度を高める余地あり

次の表は、重視する割合と満足している割合が高い項目です。上位3項目は共通しています。

Q.あなたが今、働く会社を選ぶとしたら、どのようなことを重視しますか。当てはまるものを5つまで選んでください。(複数回答)

Q.あなたは今の会社のどのようなところに満足していますか。当てはまるものを5つまで選んでください。(複数回答)

表:「働く会社を選ぶ際に重視すること」と「今の会社で満足していること」の上位5項目(「分からない・答えられない」を除く)

2つの設問の結果から、「働く会社を選ぶ際に重視すること」(横軸)と、「今の会社で満足していること」(縦軸)の関係を分析しました(図1)。点線は項目の分布傾向を表す近似線で、重視割合に対して7割ほどの満足割合になっている項目が多いことが分かります。赤字で示した上位3要素のうち、「残業や休日出勤が少ない、代休・有休休暇など休みがとりやすい」は近似線より上にありますが、「給与・賞与・福利厚生」と「上司・同僚・部下の人間関係」は近似線の下に位置しています。そのため、これら2つの要素は、満足度を高める余地がまだ残されていると言えます。

図1:働く会社を選ぶ際に重視すること(横軸)×今の会社で満足していること(縦軸)

Topic2.転職意向が高いのは「若い年代」と「女性」、「転職意向あり」が5割、「3年未満に転職したい」が2割

全体の22.1%が「1年未満に転職したい」、または「1年~3年未満に転職したい」と考えています(図2)。10年以上先まで含めると転職を考えている人は50.2%、一方、「転職はまったく考えていない」人は49.8%と二分されています。

若い年代ほど転職意向が高いです。また、20代から40代までは女性の方が男性よりも転職意向が高い傾向があります。

Q.あなたはこの先、転職することを考えていますか。(単一回答)

図2:転職意向 性年代別

Topic3.社員が長期に定着する要因と考えられるのは「残業の少なさ・休みのとりやすさ」、「人間関係」、「自由度や裁量」

 Topic1の「今の会社で満足していること」を転職意向別に分析しました(図3)。

・「残業や休日出勤が少ない、代休・有休休暇など休みがとりやすい」、「上司・同僚・部下の人間関係」、「自由度や裁量があり、自分らしく働ける」の3つの項目は、今の会社により長く務めたいと考える人や転職を考えていない人ほど満足する傾向があるため、社員の長期定着を左右する重要な要因と考えられます。

・「給与・賞与・福利厚生」と「仕事内容が希望や興味に合う」の2つの項目は、転職希望時期の長短とはそれほど関連しませんが、「転職はまったく考えていない」人において割合が高くなっています。そのため、転職せずに会社に定着するための要素と言えるかもしれません。

Q.あなたは今の会社のどのようなところに満足していますか。当てはまるものを5つまで選んでください。(複数回答)

図3:今の会社で満足していること 転職意向別

Topic4.転職経験者の61.8%が転職前の会社より「今の会社の方が良い」と評価、「前の会社の方が良い」は7.8%のみ

転職の「総合的な評価」について、満足合計(「今の方が良い」+「どちらかと言えば今の方が良い」)は61.8%、不満合計(「前職の方が良い」+「どちらかと言えば前職の方が良い」)は7.8%でした(図4)。個別の項目で満足合計が高いのは「残業時間・休日出勤・柔軟な働き方」65.5%、「給与や福利厚生」62.3%でした。

Q.前職と今の会社を比べると、それぞれの項目についてあなたはどちらが良いと思いますか。 この設問は、これまでに転職したことがある方にお聞きします。(各単一回答)

図4:前職と今の会社の比較

Topic5.転職の「総合的な評価」が高い転職タイプは「ブラック逃避型転職」81.2%、「組織に失望型転職」75.6%、「環境不適応型転職」74.6%、「人間関係ストレス型転職」71.0%、「ビジョンと実態の乖離型転職」70.0%

Topic4の転職の「総合的な評価」を転職のタイプ※別に分析しました(図5)。

・今の会社の満足合計が高いのは「ブラック逃避型転職」81.2%、「組織に失望型転職」75.6%、「環境(価値観・風土・働き方)不適応型転職」74.6%、「人間関係ストレス型転職」71.0%、「ビジョンと実態の乖離型転職」70.0%でした(平均は61.8%)。

・「燃え尽き型転職」「ライフステージ変化型転職」では、満足合計は5割ほどにとどまります。

※転職のタイプ分類については、8月4日配信のプレスリリース【「静かな退職者」は全体の16.3%、性別・年代問わず均等に存在】をご参照ください。

図5:転職の「総合的な評価」 転職タイプ別

Topic6.全体の11.8%が他の社員の「リベンジ退職」を経験

「上司・同僚・部下が退職した際に困ったこと・嫌だったこと」として、回答が多いのは次の項目です(図6)。
・「退職した人が担当していた仕事を分担することになり、自分や職場のメンバーが忙しくて大変だった」29.0%
・「自分のモチベーションが下がった」22.6%
・「自分も会社を辞めたくなった」20.5%
・「上司や会社に対する不信感が高まった」20.0%
・「業務調整やシフト変更などが急に発生した」19.0%

会社に対する不満から、退職時に会社への報復的な行動を伴って退職する「リベンジ退職」が注目されています。本調査では次の3つの選択肢が「リベンジ退職」に該当します。「職場への報復的な行動を伴って退職した」、「退職前に、その人が担当していた業務のデータが消されていた」、「退職前に不満や悪口を職場の一斉メールやチャットで送られた」。これらの選択肢を1つでも選んだ人は11.8%いました。具体的なリベンジ行為の内容はTopic8で紹介します。

Q.あなたがこれまでに、上司・同僚・部下が退職した際に経験して困ったこと・嫌だったことはありますか。当てはまるものをすべて選んでください。(複数回答)

図6:上司・同僚・部下が退職した際に困ったこと・嫌だったこと

Topic7.転職経験者が転職して良かったと思ったこと、Topic8.上司・部下・同僚が退職した際に困ったこと・嫌だったこと、の自由回答は以下のPDFに掲載しています。

d73818-34-ca1edbc7bcf076d543695aad7afdf653.pdf

【スコラ・コンサルト解説】

社員の2人に1人が転職を考えています。しかも、本調査によると、転職して「前の会社の方が良かった」と不満をもつ人はわずか7.8%に過ぎませんでした。「失敗しないなら転職してみようか」と考えるのは当然の流れかもしれません。一方、人事担当者など会社の立場から見れば、転職が当たり前になるなかで、社員のリテンションや新たな人材採用のために、会社の魅力度アップが課題になってきます。

調査結果から、社員の長期定着には、「給与」や「休みのとりやすさ」のほかに「人間関係」も影響していることが分かりました。転職のタイプの中で多い「ブラック※逃避型」(※長時間労働やパワハラ)や「人間関係ストレス型」の退職をされないために、まず関係性づくりに取り組むことは必須といえるでしょう。

「ブラック逃避型」と「人間関係ストレス型」の転職者は、「転職総合評価」が高い傾向があります。働き方や人間関係が「悪すぎる職場」だったために、「まあまあ良い職場」に移れただけでも満足しているという背景があるように思われます。また、企業側に目を向けると、どこの会社も法令に反するようなブラック状態や理不尽な人間関係は改善しようと取り組んでいることが推察されます。社会全体が良くなることは望ましいですが、他社と同じような改善では、差別化されないまま人材を奪い合う構図に陥ります。 

この構図から抜け出すヒントが調査結果の中に2つあります。1つは、社員の長期定着を左右する要素として「自由度や裁量」も挙げられること。もう1つは、「燃え尽き型」と「ライフステージ変化型」の転職者の「転職総合評価」が相対的に低いことです。

この2つのタイプには、「会社の状況が悪いから別の会社に移る」というよりは、自身の状態やとりまく環境の変化が原因でやむを得ず退職した人が含まれるでしょう。次の転職先も十分に満足いくものではなかった可能性があります。また、データは掲載していませんが、働く際に重視する点として、「燃え尽き型」の27.9%が「自由度や裁量」を挙げています(全体2106名の平均は18.4%)。

自分の判断で柔軟に働ける環境があれば、この人たちは離職せずに済むかもしれません。転職先がそういった環境であれば、安心して再スタートを切れる可能性が高まります。採用する側にとっても、ターゲット層の拡大につながります。

自由裁量を活かすには、個人の高い自立度が求められます。難しさを感じる人もいるでしょう。また、「自立度の高い個人が集まると、お互いにコミットしない関係になってしまう」と心配する人もいるかもしれません。逆に、個人で判断する領域を少なくし、上位下達で統制すれば計画的に達成できることもあるでしょう。しかし、やりがいを失う人や依存心の高い人を生み出してしまうかもしれません。自由と統制は、「あちらを立てればこちらが立たず」のトレードオフの議論になりがちです。

自由な環境を活かそうとする個人同士が、お互いに貢献し合える関係を築くにはどうしたらいいでしょうか。カギを握るのは「目指す方向性への共感」です。給与や働きやすさだけではない、「自分が今ここにいる前向きな理由」がチームや会社の方向性とつながることが必要です。本調査によると、働く際の重視点として「会社が目指す方向性への共感」を意識している人は少ないのが現状ですが、今後認識を高めていくとよい、重要な要素だと考えます。

転職では、給与や制度といった分かりやすい条件に注目が集まりがちです。しかし、人と組織が持続的に発展していくためには、「人間関係」、「自由裁量」、そして、人々をつなぎ合わせる「方向性への共感」も欠かせないのです。

【調査概要】

調査主体:株式会社スコラ・コンサルト

調査方法:調査会社のインターネットアンケートモニターによる回答

調査期間:2025年5月23日~2025年5月26日

有効回答数:2,106人

 ・性別・年齢内訳:右表のとおり

 ・役職内訳:一般社員・係長1,868人 

         管理職(課長・部長)238人

■株式会社スコラ・コンサルトの会社概要

※当社の社名「スコラ・コンサルト」は「スコラ・コンサルタント」と誤認されがちですので、表記にはご注意ください

社   名 :株式会社スコラ・コンサルト

本   社 :東京都品川区東五反田5-25-19 東京デザインセンター6F

代 表 者 :代表取締役 簑原 麻穂

事 業 内 容 :プロセスデザインによる企業風土改革コンサルティング

人 員 数 :プロセスデザイナー34名、スタッフ11名(2025年3月現在)

設   立 :1986年1月

資 本 金 :4,000万円

決 算 期 :12月

ホームページ:https://www.scholar.co.jp/

出典:PR TIMES

本プレスリリースの内容や詳細についてのお問合せは以下までご連絡ください。

企業プレスリリース詳細へ (2025年9月4日 13時00分)

大手通販サイトのあらゆる商品の価格を比較、最安値を検索!

まずはお好きなキーワードや商品名を入力して探してみましょう
×
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次