株式会社AGRI SMILE
ー日本の農業残渣が原料のバイオスティミュラント資材を活用 日越農業協力対話で覚書発表ー
株式会社AGRI SMILE(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:中道 貴也、以下 AGRI SMILE)は、株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:籔田 健二、以下 三菱総合研究所)、THE PAN GROUP JOINT STOCK COMPANY(Head office:Tay Ninh Province, Vietnam、CEO:Nguyen Thi Tra My、以下 PAN)とともに、「バイオスティミュラント資材を活用したベトナムにおけるコメ生産の気候変動対策・肥料吸収効率化の実証」を実施しています。9月4日、日越農業協力対話(官民フォーラム)において、小泉農林水産大臣・ベトナム国タン農業環境大臣立会いのもと、本取り組みに関する3者での覚書を発表しました。

本実証の背景・目的
近年、気候変動の被害が日本のみならず、世界の農業の生産性に深刻な影響を及ぼしています。また、農産物の収量を確保しようと肥料を大量に投入することによって土地の肥沃度が低下するなど、自然環境への影響も大きな問題となっています。肥料の大量投入は肥料価格の高騰と相まって経済効率の悪化も招いており、低肥料で持続可能な農業生産を実現する方策が社会的に求められています。
こうした背景を受け、AGRI SMILE、三菱総合研究所、PANの3者は、気候変動下においてもコメの収量確保と品質の維持・向上を図り、かつ低肥料での農業生産を実現するため、経済産業省の令和5年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査:三次公募)」 を活用し、ベトナム北部フンイエン省で、熱帯・亜熱帯環境下での気候変動対策・肥料吸収効率化に関するコメ生産の技術実証に取り組んでいます。

本実証の概要
本実証では、AGRI SMILEが提供するバイオスティミュラント資材を用いてコメ生産の気候変動対策・肥料吸収効率化などの効果を評価します。バイオスティミュラント資材は、植物に散布することで植物の免疫力を活性化する効果があり、同社のバイオスティミュラント資材は、他の資材と比較して以下のような特徴があります。
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AGRI SMILEが有する特許技術により、植物内の作用メカニズムが科学的に解明されている
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農業残渣(ざんさ、本来は廃棄される農作物のこと)を原材料としているため、日本国内で処分が課題となっている農業残渣を資源として有効活用できる
2025年8月に実施した生育調査において、減肥料でバイオスティミュラントを施用した試験区では、慣行区と同等の根重量が確認され、効果の発現が明らかとなりました。さらに、慣行区にバイオスティミュラントを施用した場合には、根重量が有意に増加する結果が得られました。
【三者の役割】
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AGRI SMILE:バイオスティミュラント資材の提供、圃場実証でのアドバイス、ベトナムでの流通に向けた各種手続きの遂行
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PAN:圃場実証の遂行・管理、ベトナムでの流通に向けた各種手続きに関する助言
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三菱総合研究所:現地子会社と連携した、関係機関との連携・調整支援
2025年秋以降にはベトナム南部カントー市での実証も予定しています。並行して、AGRI SMILEのバイオスティミュラント資材のベトナムでの流通に向けた取り組みを進めます。これらを通して日本・ベトナムの農業および関連産業の振興に寄与し、地域の活性化に貢献します。ベトナム政府が主導するメコンデルタ地域において100万ヘクタールの低排出・高品質米を持続的に開発する計画に関して、すでに数万ヘクタール規模で低排出米の栽培を進めるPANとともに取り組みを加速させます。

【バイオスティミュラントとは】
バイオスティミュラントは、植物への接触により植物に刺激を与えて、植物自らの作用を促す資材の総称です。バイオスティミュラントを植物に散布すると、植物の「生理機能」に刺激を与えます。植物の組織はその刺激を受けて、自ら生理機能を活性化して、環境ストレスを乗り越えるための体づくりを行います。その結果、栄養成分の取り込みや利用効率を改善したり、高温などの環境ストレス(非生物的ストレス)に対する耐性を改善します。
バイオスティミュラントは、地球温暖化による栽培課題の対策として期待されており、特に欧米では、気候変動対策による普及が拡大しており、2012年に、世界で初めて政府関連文書として、欧州委員会(European Commission)が、バイオスティミュラントの基礎となる定義を発表して以降、バイオスティミュラントに関わる定義やルール化が進められてきました。日本では農林水産省が2025年5月30日、農業者にとって効果のあるバイオスティミュラントを安心して選択・使用できる環境を整えるため、事業者がバイオスティミュラントを取り扱うに当たって留意すべき事項を取りまとめた「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」を策定しました。
【株式会社AGRI SMILE 概要】
代表者:代表取締役 中道 貴也
事業内容:農産業DXサービス、脱炭素に資するバイオテクノロジーの開発及び提供
設立:2018年8月31日
所在地:〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3丁目28-5 axle御茶ノ水102
会社URL:https://agri-smile.com/
株式会社AGRI SMILEについて
AGRI SMILEは、「テクノロジーによって、産地とともに農業の未来をつくる」を経営理念に据え、豊かな経験を持つ産地と、進化を続けるサイエンステクノロジーを融合することで、環境に優しい魅力あふれる農業の実現に取り組んでいます。
国内最大規模の産地ネットワークを活かし、データサイエンス技術による農業DXソリューション、最先端バイオテクノロジーによる生産技術、産地のブランディング支援などを展開しています。また、技術創出の源泉であるアカデミアの交流を活発化するプラットフォームを提供し、社内外で技術を連携させています。今後も、産地と調和した革新的なサービスを通じて、笑顔(SMILE)のある未来を創造し続けてまいります。
【株式会社三菱総合研究所 概要】
代表者:代表取締役社長 籔田 健二
事業内容:シンクタンク・コンサルティングサービス、ITサービス
設立:1970年5月8日
所在地:〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
会社URL:https://www.mri.co.jp/
【THE PAN GROUP JOINT STOCK COMPANY 概要】
代表者:CEO Nguyen Thi Tra My
事業内容:農業・水産・食品流通事業
設立:1998年
所在地:Lot A1-9, Road VL3, Vinh Loc 2 Industrial Park, My Yen Commune, Tay Ninh Province, Vietnam
会社URL:https://thepangroup.vn/