ニッコー株式会社
飛鳥IIIが掲げるテーマ「サステナブル」「アート」と、NIKKOの「環境配慮」と「品質へのこだわり」の姿勢が重なり実現

1908年創業の老舗食器ブランド・ニッコー株式会社(本社:石川県白山市、代表取締役社長:三谷明子、以下NIKKO)は、郵船クルーズ株式会社(本社:横浜市、代表取締役社長:西島裕司)が就航した新クルーズ船「飛鳥Ⅲ」へ、オリジナルの食器をご採用いただきました。飛鳥IIIが掲げる「サステナビリティ」と「アート」というテーマと、NIKKOの「環境配慮」と「品質へのこだわり」の姿勢が重なり、今回の食器開発に至りました。
2025年7月20日に就航した「飛鳥Ⅲ」は、総トン数は5万2000トン、乗客定員740人、客室数381室を有する日本船籍最大の新造クルーズ客船。
日本のクルーズ文化を牽引してきた、飛鳥クルーズの3番目となる「飛鳥Ⅲ」は、「つなぐ、ちから。」をコンセプトに、和のおもてなしを継承しながらも、多彩なダイニング、エンターテイメントやウェルネスなど心身を満たすさまざまなプログラムを備えています。また、“地球にやさしい 最新鋭のエコシップ”として、環境負荷の低減を目指しています。


飛鳥Ⅲの“サステナブル“なクルーズに貢献
飛鳥IIIの重要なテーマのひとつとして挙げられている「環境負荷の低減」。日本初のLNG(液化天然ガス)に対応したクルーズ船であり、石炭や石油に比べて環境への負荷が少ない燃料に対応しています。さらに寄港地によっては陸上電源の供給を受けることが可能であり、接岸せずに船の位置を制御できるD.P.S.(ダイナミック・ポジショニング・システム)を採用。このシステムは日本のクルーズ船としては初めての導入であり、海底植物などへの損傷を最小限に抑えることが可能です。
また、専用アプリの導入や、各客室のタブレット端末での案内、共有スペースのデジタルサイネージの設置などにより、船内の紙の配布物や掲示物を大幅に削減しています。
今回、飛鳥IIIでNIKKO食器が選ばれた背景には、NIKKOの行うサステナブルな取り組みが高く評価されたことがあります。
NIKKOでは、大量生産・大量廃棄を前提とするリニアエコノミー(直線経済)から、資源を繰り返し利用し廃棄物を減らす「サーキュラーエコノミー(循環経済)」の実現を目指しています。そのために、長く使える良質な食器づくりをはじめ、アップサイクル商品の開発やコミュニティの設立など、さまざまな取り組みを進めています。
NIKKOのサステナビリティ:https://www.nikko-company.co.jp/sdgs/


2022年には、NIKKO食器の素材である「NIKKO FINE BONE CHINA(ニッコーファインボーンチャイナ)」の原料(牛骨の灰)に含まれるリン酸三カルシウムが肥料として有効なことから、食器を肥料化してリサイクルする技術を確立。世界初(※)の、捨てられる食器から生まれたサステナブルな肥料「BONEARTH®(ボナース)」として発表しました。
食器由来の肥料を生産者に還元し、肥料を使用して育てた作物がレストランに届き、料理として再びNIKKOの食器の上に盛られて提供される。そのような循環を目指して、さまざまなパートナーと共に活動しています。
今回の就航にあたり、こうしたNIKKOの取り組みを飛鳥IIIの皆さまに知っていただいたことから、オリジナル食器の開発がスタート。ご採用いただいたNIKKO食器は全て、NIKKO FINE BONE CHINA製の食器です。
※陶磁器業界、肥料業界の主要企業では世界初となるリサイクル肥料(ニッコー(株)調べ 2023年10月)
捨てられる食器から生まれた肥料「BONEARTH®」: https://www.table-source.jp/nikko-circular-lab/bonearth/
船内のそれぞれの空間に合わせ、食器を開発
さらに、飛鳥Ⅲでは日本が誇る著名なアーティストによる美術品や工芸作品の数々を船内の至るところに展示した空間演出を体験できることも大きな特徴です。船内には、6つのレストランと9つのバー&ラウンジがあり、それぞれの場所で空間や料理に華を添えるアートや器を楽しむことができます。
今回、NIKKOの食器は下記のレストランとカフェにてご採用いただきました。その他にも、ルームサービスの一部や、全ての客室(ペントハウス・スイート・バルコニー)に置かれるカップ類を納品しています。
レストラン
-
Noblesse(ノブレス)厳選した食材を「飛鳥キュイジーヌ」に仕上げる唯一無二のフレンチ。
-
Four Seasons Dining Room(フォーシーズン・ダイニングルーム)四季折々の和食と西洋料理晩餐
-
EMS Garden(エムスガーデン)世界の美食を一堂に集めたガーデンダイニングブッフェスタイルのレストラン
カフェ
-
Gallery Cafe(ギャラリーカフェ)アートや工芸作品を鑑賞しながらくつろげるラウンジ。




アートとともに旅する贅沢なひととき、純白の食器にアートを再現
NIKKOの食器は、原材料の調合から製品の出荷に至るまで石川県にある自社工場で一貫生産しています。また、NIKKO食器の素材である「NIKKO FINE BONE CHINA(ニッコーファインボーンチャイナ)」は、群を抜いた透光性と気品あふれる純白色で知られ、美しさを追求しつつも優れた強度を兼ね備えているのが特徴です。
今回飛鳥Ⅲへ納品したNIKKO食器は、それぞれの空間のコンセプトや展示されているアートに合わせて、さまざまなアーティストがデザインしたもの。
例えば、フランス料理レストラン「ノブレス」で使用されているショープレートと「ギャラリーカフェ」のカップは、日本を代表する日本画家・平松礼二(ひらまつ れいじ)氏のデザイン。岩絵具、墨、コラージュなどの多彩な技法で知られる平松氏の作品を、NIKKOの高度な転写絵付け技術を駆使することで、食器の上に再現しています。
平松礼二氏の作品は、最上級客室や階段アートをはじめ、ノブレスの入口とレストラン内の壁面にも展示されており、食器とともに、世界を魅了するジャポニスムの美を鑑賞することができます。



「ギャラリーカフェ」で使用されるカップには、日本画家・土屋禮一(つちや れいいち)氏の作品を再現。深みのある色彩と重厚な画面に込められた深い精神性とともに、だれもが心の奥底にもっている「なつかしさ」を追い求める土屋氏の作品。純白のNIKKO FINE BONE CHINA製の食器だからこそ、土屋氏の奥行きのある美しい色合いを表現することができました。
土屋氏の作品は、船内前方の5デッキから13デッキまでつながる階段を彩る階段アートとしても登場。パステル画の原画をもとに制作された作品は、階を移動するごとに空の表情、モチーフが変化していく構成です。
また、それぞれのカップのソーサーには、船体に掲げられている揮毫(きごう)をデザイン。力強く躍動感にあふれる
「飛鳥Ⅲ」の書体は、世界的に著名な書家である矢萩春恵(やはぎしゅんけい)氏によるものです。



NIKKOではその他にも、日本画家の千住博(せんじゅ ひろし)氏、洋画家の田村能里子(たむら のりこ)氏の作品が描かれたカップも作成。千住氏の「ウォーターフォール・オン・カラーズ」のフレスコ画が飾られたギャラリーカフェで、お使いいただいています。
NIKKO FINE BONE CHINA とは

NIKKO FINE BONE CHINA(ニッコーファインボーンチャイナ)の特徴でもあり、トップシェフから支持される大きな理由はその「薄さ」と「白さ」にあります。日本工業規格(JIS)では素地中に30%以上の骨灰(ボーンアッシュ)を含むものをボーンチャイナとして定めていますが、NIKKO FINE BONE CHINAはその含有量を約50%にまで高めています。
また、通常は骨灰の含有量が50%を超えると成形が難しくなるとされていますが、NIKKOは研究を重ねてこれを克服し、商品化を実現しました。厳選した原材料を使用し、石川県の自社工場で徹底した管理のもと、純白の美しいボーンチャイナを生み出しています。
ニッコー株式会社について

1908年(明治41年)に創業した陶磁器ブランド。ホテルやレストランなど高品質や耐久性を求められるプロフェッショナルな方々に、長きにわたりご愛用いただいています。⽯川県の⾃社⼯場で、原料から最終製品まで一貫生産を行い、次の100年も持続可能なものづくりを続けるため、リニア型の大量生産から、資源を循環させ廃棄物を削減するサーキュラー型のビジネスモデルへの転換を目指しています。そのひとつとして、⾷器が廃棄されることなく循環する社会の実現のため、ボーンチャイナを肥料にリサイクルする技術を確⽴。レストランや農家、消費者と連携して「食」を支える循環型社会の実現に取り組んでいます。
会社名:ニッコー株式会社
所在地:〒924-8686 ⽯川県⽩⼭市相⽊町383
コーポレートサイト:https://www.nikko-company.co.jp/