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アーツカウンシルしずおか、「高齢者の文化芸術振興に関する提言書」を発表——超高齢社会における文化芸術の役割と可能性を提言

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公益財団法人静岡県文化財団

高齢者の生きがい創出と健康長寿の実現に向けた7つの提言を公表

アーツカウンシルしずおか(所在地:静岡市駿河区、担当:櫛野展正)は、この度、超高齢社会における高齢者の生きがいと健康長寿の実現を目的とした「高齢者の文化芸術振興に関する提言書」を発表しました。

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本提言書は、アーツカウンシルしずおかの事業実績と調査研究に基づき、高齢者の健康寿命延伸などに資する文化芸術の関与についてまとめたものです。

目次

■提言の背景

静岡県における65歳以上の高齢者人口は2024年に約110万人となり、高齢化率は30.7%と過去最高を更新しました。団塊の世代が85歳以上となる2035年には、県民の3人に1人が高齢者となる見通しです。このような超高齢社会の到来は、一般に社会的課題として語られますが、アーツカウンシルしずおかは、文化芸術が高齢者の健康寿命延伸や、人とのつながりなどの社会関係づくり、自己肯定感の増進、新たな生きがい発見に有効であると判断し、その活用を提言します。

■提言の主なポイント

提言書では、以下の7つの提言を通じて、高齢者の文化芸術活動を促進し、心身の健康と地域社会での健やかな暮らしを支援することを目指します。

1.高齢者自らが主体的に文化芸術に関与する機会の創出

高齢者が主体的に文化芸術活動へ関与するために、文化施設や地域の拠点において、高齢者が気軽に集い、参加できる環境の整備を望む。高齢者が自ら表現したり、他者とコミュニケーションを図ったりすることができるような「参加型」「共感型」の文化芸術活動を展開することで、心身の健康の維持・向上や社会的孤立の防止につながることを期待する。

2.高齢者を対象にした対話型鑑賞プログラムの充実

高齢者が過去を語る機会は減っているが、それは自我の統合に重要であり、対話型鑑賞は高齢者の自由な表現や回想を促進し、心身の健康に寄与する。文化施設や高齢者施設での対話型鑑賞の機会を広げ、ファシリテーター派遣など支援体制の充実を求める。

3.高齢者施設等における文化芸術活動の導入

これまで展開されてきた芸術療法は、高齢者の実態に合わない場合も多く、自由な表現の場が不足している。高齢者の主体性を引き出すような文化芸術活動が高齢者施設で導入されることを望む。そのためには、ケアと芸術の橋渡し役となる専門人材の育成・配置も必要であり、医療・福祉・芸術の連携強化が期待される。

4.超老芸術の認知拡大

高齢者による独創的な表現である「超老芸術」は生きる力を高める。展覧会やメディアなどでは注目されてきたが、県内での認知度は低い。より多くの高齢者の創造性を引き出すため、「超老芸術」の普及と、県内美術館などで高齢者が作品発表できる場の拡充を求める。

5.高齢者が自らの人生を語ることを起点にした取り組みの普及

要介護高齢者も含めた支援では、生きる意欲を支えるつながりの回復が重要となる。そのためには、対話型鑑賞に加え「ナラティブ・アプローチ」による高齢者が人生を語ることへの支援が有効となる。具体例として「聞き書き」や「人生紙芝居」などがあり、これらは被介護者や家族の自己理解やコミュニティ形成に寄与する。地域の記憶を次世代へ継承し、敬老精神の醸成にもつながるため、普及推進を望む。

6.オンデマンド交通の充実

免許返納後の高齢者の移動手段が不足し、文化芸術へのアクセスが一層困難となっている。実施したアンケート調査では「移動手段がない」ことが文化芸術活動に参加しない大きな理由となっていた。全国的に敬老パス見直しの動きもある中、予約型の乗り合い公共交通(オンデマンド交通)の導入例はあるが、まだ十分ではない。文化芸術利用促進のためにも交通サービスの充実が急務となる。

7.文化芸術の活用による高齢者支援と健康長寿の推進

約8割の高齢者が文化芸術活動に「生きがい」を感じており、精神的充足や生活の質向上に寄与している。高齢者医療費の増加を踏まえ、予防医療や医療提供効率化が求められる中、文化芸術を活用した健康長寿推進は重要な施策である。高齢者の社会参加や認知症予防にも効果が期待され、文化芸術の役割を一層強化することが必要となる。

アーツカウンシルしずおかは、これらの提言が関係部署との連携を通じて各種政策に反映されることを期待し、文化芸術を通じた高齢者の生きがいと地域での健やかな暮らしを支援することで、静岡県の「幸福度日本一」の実現に寄与していきたいと考えています。

■本件に関するお問い合わせ先

アーツカウンシルしずおか(公益財団法人静岡県文化財団内)

担当:櫛野展正 

TEL:054-204-0059(9:00〜17:00 土日祝を除く)

Mail:info@artscouncil-shizuoka.jp

Web:https://artscouncil-shizuoka.jp/

出典:PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ (2025年9月10日 15時00分)

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