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日本CTX研究会、ドラッグ・ロス等の解消を目指し第二期提言を公開

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株式会社三菱総合研究所

「国内治験の効率化・迅速化」と「医療機関におけるDCT(治験の分散化)の実装」に注目

株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二、以下 MRI)は9月11日、主催する日本CTX研究会の第2期活動の一環として、以下2つの提言書を公開しました。

  • 国内治験環境の効率化・迅速化に向けた提言:症例集積性の向上に向けた4つの提言をとりまとめ

  • DCT導入推進のための治験環境整備に向けた提言:DCT導入に必要な機能・役割に関する4つの提言をとりまとめ

目次

1. 背景

近年、国内におけるドラッグ・ロス※1が問題となっており、国の検討会等でも危機感が示されています。要因の一つに、国際共同治験への日本の参加率の低さが挙げられます。(2023年に実施された国際共同治験836件に対して日本の参加率は26.9%※2)。ドラッグ・ロスを解消し新薬へのアクセスを確保するには、日本が国際共同治験に参加できる、すなわち「治験に選ばれる」ために国内の治験環境を整える必要があります。その実現には、治験形態の転換(Clinical Trial Transformation:CTX)が不可欠です。

CTXとは、治験をより効率的・効果的に実施するために、治験の組み立て方や、運用、通例等の形態を転換することです。海外では、治験の分散化(Decentralized Clinical Trial:DCT※3)による効率化と患者の治験参加機会増加、治験計画段階からプロセスの作りこみによって品質を管理するアプローチ、および適正な市場価値に基づく費用算定などの検討が進んでいます。日本はこのような国際的な流れに後れを取っていましたが、近年、DCTを用いた治験事例の増加や、複数施設で実施する治験における倫理審査の集約化に関する検討、医療機関における治験業務の負担の把握等、治験の効率化に向けた取り組みが本格化しています。このような国内の動きをさらに加速し、国際共同治験への参加率を向上させることが求められます。

2. 研究会の概要

MRIは、ドラッグ・ロスへの危機感と、それに伴う国際的な潮流への対応も含めた国内の社会課題解決の必要性から、2023年10月に日本CTX研究会を立ち上げました。2024年9月に公開した第1期活動の提言書ではDCTに注目し、「相互理解の促進」と「実績・エビデンスの創出を促す環境づくり」について議論した成果をとりまとめています。

日本CTX研究会 https://j-ctx.mri.co.jp/ 

2024年10月に開始した第2期では、DCTに限らず、より大きな視座に立った治験の迅速化・効率化と、DCT実装のため医療機関に必要なソフト面での環境整備(第1期の継続)の2つのテーマで分科会を設置し、会員との議論や会員外の医療機関との意見交換を重ね、成果として提言書をとりまとめました。

3. 提言の概要

「国内治験環境の効率化・迅速化に向けた提言」では、治験プロセス全体から迅速化・効率化のボトルネックを抽出し、特に重要な3つのトピックについて、解消に向けた方策を4つの提言にまとめました。

「DCT導入推進のための治験環境整備に向けた提言」では、DCT導入には「仕組みづくり」だけでは不十分であることから、導入のために誰が・何をする必要があるのかを議論し、医療機関に必要な機能・役割を整理して4つの提言としました。

国内治験環境の効率化・迅速化に向けた提言

リアルワールドデータ(RWD)・レジストリ※4の利活用促進

  ① 既存レジストリを効率的・低負担で利活用できる体制の構築

  ② 新規レジストリ構築に関する事例共有と持続可能な運営モデルの検討

治験ネットワークの活用促進

  ③ 症例集積性の向上につながる治験ネットワークの構築

治験に関する国民・患者・医療機関への啓発/情報提供促進

  ④ 治験に関する情報が届いていない層に向けた業界横断的で長期的な啓発活動の推進

「国内治験環境の効率化・迅速化に向けた提言」の概要

DCT導入推進のための治験環境整備に向けた提言

共通機能

  ①DCT実施環境の整備
   DCT資料・雛形整備、連携方法・体制検討、ワークフロー整備、トレーニング内容検討等を整理

個別機能

  ②トレーニングマネジメント
   説明資料整備、トレーニング管理・運用等を整理

  ③リクルートマネジメント
   リクルートプラン作成・症例数管理、広報・治験情報窓口等を整理

  ④パートナー医療機関マネジメント
   施設の立ち上げ・調整・ロジ、スタッフ・試験進捗管理等を整理

「DCT導入推進のための治験環境整備に向けた提言」の概要

4. 今後の予定

2025年10月からの第3期活動では、以下の2つを目的とする分科会をそれぞれ立ち上げます。

1.医療機関の高負荷状態を改善し、新たな治験の取り組みに参加できる医療機関を増やすこと

2.治験に関する情報が届いていない患者・家族、国民、医療従事者に情報を届け、治験に対する社会全体での理解を深めること

これに伴って第3期会員を募集します。新規参加等、日本CTX研究会にご関心のある方は事務局(下記「内容に関するお問い合わせ先」)までご連絡ください。

※1:海外で承認・使用されている医薬品が国内では未承認で使用できないこと。

※2:医薬産業政策研究所(2024年11月)「近年における国際共同治験の動向調査―2023年までの動向とアジア地域について―」政策研ニュース No.73

※3:分散化臨床試験。デジタル技術を活用し、治験の中心となる医療機関に出向くことなく治験参加者の自宅やかかりつけ医などの遠隔地で実施する治験。オンライン治験やリモート治験とも呼ばれる。

※4:RWDとは、保険データ、電子カルテデータ、レセプトデータ、ウェアラブル等から得られるデータ等、日常的に収集される患者の健康状態又は医療提供に関するデータのこと。

(引用:国立研究開発法人日本医療研究開発機構 「医療機器開発におけるリアルワールドデータ(RWD)の活用事例に関する調査 最終報告書」 https://www.amed.go.jp/content/000127540.pdf)。

レジストリとは、RWDのうち特定の疾患、疾患群、健康状態又は暴露について、医療情報又は健康情報の収集を行うシステム、又はそれによって構築されたデータベースのこと。

(引用:国立研究開発法人国立国際医療研究センター 「CIN 構想の加速・推進を目指したレジストリ情報統合拠点の構築」事業 レジストリ作成と運用の手引き 第1.0版)。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社三菱総合研究所

〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号

【内容に関するお問い合わせ】

  ヘルスケア事業本部 「日本CTX研究会」事務局 折居、江本、永野、川上

  メール:jctx@ml.mri.co.jp

【報道機関からのお問い合わせ】

  グループ広報部 

  メール:media@mri.co.jp

出典:PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ (2025年9月11日 11時00分)

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