株式会社松屋
■会期:9月26日(金)~10月13日(祝・月)■会場:松屋銀座8階イベントスクエア■主催:日本デザインコミッティー
松屋銀座開店100周年を記念する特別企画の一環として、日本デザインコミッティー主催による、『Tsu-tsu-mu展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法』を上記の会期・会場にて開催いたします。 テーマは「包む」。 しかしそれは、単なるパッケージデザインや伝統的な包装技術の紹介にとどまりません。卵やおにぎりといった自然物や日常の風景から、日本の伝統的な「折形」、現代のプロダクト、さらには建築に至るまで―。本展では、さまざまな事象に潜む「包む」という概念に、ケアの視点を見出し、デザインの方法論として多角的に捉え直します。会場では、「包む」をめぐる7つのテーマを設定し、約90点に及ぶ作品や事例を通じて、その本質と新たな可能性を紐解いてまいります。

■本展のコンセプト
鳥類の新しい生命は、卵の殻に包まれています。手から手へわたすプレゼントは、紙で包まれています。人々の暮らしは、建築によって包まれています。そして社会は、あらゆるものを包むことで豊かになります。包むものと包まれるものの絶え間ない循環から、この世界は成り立っているのかもしれません。「包む」という行為は、過剰なものや本質的でないものと見なされることがあります。
しかし、むきだしの何かがバラバラに存在している状態は、どんな物事についても最適といえるでしょうか。
本展は、他者をケアしながら内側と外側を繋ぐ「包む」をデザインの新しいタイポロジー(類型)としてとらえます。そして、「包む」にまつわるさまざまな作品や活動をあらためて取り上げ、その可能性を紐解いていきます。
そこに世界を良い方向へ進めていくための手がかりがあるのではないか、という希望をこめて。
■展覧会ディレクター
色部 義昭 (いろべ よしあき)
アートディレクター/グラフィックデザイナー/色部デザイン研究所主宰

グラフィックデザインをベースに平面から立体、空間、映像まで幅広くデザインを展開。主な 仕事にOsaka Metro、国立公園などのVI、市原湖畔美術館、東京都現代美術館など公共 施設のサイン計画、Sony Park展などの展覧会のグラフィックデザインなどがある。2025年大阪関西万博では日本政府館のアートディレクションを担当。主な受賞歴に亀倉雄策賞、 ADC賞、SDAサインデザイン大賞、One Show Designゴールドペンシルなどがある。
■見どころ
①第一線で活躍するデザイナーが集う、日本デザインコミッティー約6年ぶりの展覧会
本展は、日本のデザイン界で活動を続ける日本デザインコミッティーによる約6年ぶりの企画展です。
日本デザインコミッティーの企画展は、デザインの視座を中心に据えながら、メンバーの知見を持ち寄って、1956年から今日まで断続的に展開されてきた活動です。今回の「Tsu-tsu-mu展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法」では、メンバーでグラフィックデザイナーの色部義昭が中心となり、「包む」という新たな視点でメンバーの作品を選び出し、会場構成から書籍の編集まで多岐にわたるディレクションを進めてまいりました。 また「クリエーターたちのTsu-tsu-mu学」では日本デザインコミッティーのメンバーでもある8人のクリエイターにTsu-tsu-muの技について尋ねたインタビューもご覧いただけます。
●展示品出品(一例):
深澤直人(SIWA A4 light)、原研哉(歌麿 The Beauty)、平野敬子(小沢健二 “dogs” CDジャケット)、岩崎一郎(Closer)、川上元美(O-Bath F)、喜多俊之(WINK)、小泉誠(kehai)、隈研吾(浮庵)、黒川雅之(GOMシリーズ)、松永真(スコッティ ウェットティシュー・スコッティ ティシュー)、三澤遥(RB_DRAWING SCARF and RB_DRAWING BEANIE package)三谷龍二(鞠椀)、永井一史(ヘルプマーク)、佐藤卓(イッセイ ミヤケのショッピングバッグ)、妹島和世(うめきた公園 大屋根施設)、柴田文江(電子体温計 MC-681 けんおんくん)、須藤玲子(布の迷路)、鈴木元(Glow)、山中俊治(RAMI 3Dプリンター製アスリート用義足)
●クリエイターたちのTsu-tsu-mu学(VTR):
深澤直人、原研哉、小泉誠、隈研吾、面出薫、佐藤卓、柴田文江、須藤玲子
②:空中に浮かぶ茶室、隈研吾氏の《浮庵》が銀座に出現

《浮庵》
日本を代表する建築家で、日本デザインコミッティーメンバーの隈研吾氏のモバイル茶室《浮庵(ふあん)》を特別展示します。ヘリウムガスを充填したバルーンに、世界で最も軽いとされる布「スーパーオーガンザ」をかけて空間を創り出すこの茶室は、ふわりと宙に浮かびます。物質的な重さから解放されたミニマルな構造でありながら、布のドレープが内部の気配を柔らかく「包み」、身体が浮く感覚を生み出します。伝統的な茶室の概念を更新し、現代における新しい「包む」かたちを体現した《浮庵》。その繊細で詩的な佇まいを間近でご体感いただける貴重な機会です。
※入室時間に限りがございます。
③:小泉誠が空間計画するカフェで、企画展の余韻に浸る
展覧会に併せて、松屋が京都・大垣書店と取り組む期間限定のオフィシャルブックカフェ「Tsu-tsu-mu Café by OGAKI BOOKSTORE」がオープンします。日本デザインコミッティーのメンバーで、家具から建築まで手掛けるデザイナー・小泉誠氏が空間計画を行いました。マルニ木工の椅子や能作、菅原工芸硝子の器など、デザインにこだわる企業ととも生まれた空間。一杯のコーヒーとともに、デザインがもたらす心地よさを五感で感じながら、企画展の世界の余韻に浸ることができる特別なスペースです。
●Tsu-tsu-muどら焼き

本展の開催を記念し、滋賀の和菓子店「菓心おおすが」と共同で、塩川いづみ氏の「包」の文字を焼印した限定どら焼きをカフェにて販売します。
展覧会のテーマである、「包む」という行為。それは、餡を生地でそっと包み込む和菓子の姿にも通じます。食べる人の記憶を豊かにすることを理念とする「菓心おおすが」の、もち粉を使ったもちもちの生地が特徴のどら焼きが、本展のテーマを美味しく表現してくれました。
見て、食べて、企画展の世界観をお楽しみいただける特別な一品です。1個324円(税込)
■展示
●会場イメージ


●展示コンセプト
1章:包むをデザイン作法としてとらえなおなします Tsu-tsu-mu=「包む」行為にあるケアの視点を、あらたなデザイン作法として提案。
2章:Tsu-tsu-muは自然生まれ 卵、バナナ、鳥の巣。自然界にあるTsu-tsu-muのお手本たち。


3章:Tsu-tsu-mu、こんなところにいたのか おにぎりや苺大福など、食のシーンの意外なところで働くTsu-tsu-muをCTスキャンや断面展示で可視化。




4章:Tsu-tsu-muの思考、Tsu-tsu-mareruの形 たまごつと、Aiboのパッケージ、PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE BASICS、ECLISSE、Organic Chair、田根剛「Tane Garden House」など。パッケージ、プロダクト、家具、建築まで。デザインのなかにあるTsu-tsu-muを収集。




5章:クリエイターたちのTsu-tsu-mu学 日本デザインコミッティーのメンバーでもある8人のクリエイター(深澤直人、原研哉、小泉誠、隈研吾、面出薫、佐藤卓、柴田文江、須藤玲子)に、Tsu-tsu-muの技について尋ねたインタビュー。



6章:日本生まれのTsu-tsu-muの精神 折形デザイン研究所の監修のもと、折形に込められた7つの精神を紐解く。



7章:世界にTsu-tsu-muというデザイン作法を 小説家の平野啓一郎氏の寄稿『包むことの豊饒』。
■図録のご紹介

『Tsu-tsu-mu 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 Tsu-tsu-mu:Design Typology for Care and Inclusion』
制作:日本デザインコミッティー
構想:色部義昭、土田貴宏、田川欣哉、鈴木元
編集:テキスト:土田貴宏
執筆:土田貴宏、長瀬香子
アートディレクション:色部義昭
装丁・デザイン:本多万智
発行:株式会社パイインターナショナル
価格:2,800円(税抜)
言語:日本語・英語
■「Tsu-tsu-mu Café by OGAKI BOOKSTORE」 オープン
展覧会に併せて、京都・大垣書店と取り組む期間限定のオフィシャルブックカフェ「Tsu-tsu-mu Café by OGAKI BOOKSTORE」が併設してオープンします。 ●私が影響を受けた一冊コーナー 日本デザインコミッティーメンバーの協力のもと、「私が影響を受けた一冊」と題した選書コーナーを展開。それぞれの選書には、メンバーによる貴重なコメントも添えられ、訪れる人々に新たな本との出会いをもたらします。 ●とっておきのカフェメニューでおもてなし 大垣書店オリジナルブレンドのエスプレッソドリンクをはじめ、京都・亀岡産はんなりばななを使ったサンドウィッチやスイーツメニューをご用意。皮で”包まれた”バナナのスイーツやバンズに”包まれた”ハンバーガーなど、展覧会の余韻を楽しんでいただけるフードメニューも豊富です。
※詳細ページ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000163.000067027.html
■Tsu-tsu-mu ワークショップ

折形デザイン研究所によるワークショップ
山口信博氏・山口美登利氏による初心者向けのワークショップ。折形の精神や歴史を学び、年末の贈答に向けて書籍を包む「平きものの包み」と、筒を包む「丸きものの包み」を体験いただきます。 日時:10/5(日)14:00–16:00 人数:15名 参加費:6,600円(税込) ※参加費には、書籍『折形のコードとモード』代が含まれす。 お申し込みはこちらから→https://tsutsumu-origata.peatix.com

HOW TO WRAP_によるワークショップ
現代に適した新しい「包み方」を考えるブランド「HOW TOWRAP_」の 山本考志氏によるワークショップです。 日時:9/27(土)14:00-16:00 人数:20名 参加費:3,850円(税込) お申し込みはこちらから→https://tsutsumu-howtowrap.peatix.com
■日本デザインコミッティーのご紹介
日本デザインコミッティーは、戦後の日本デザイン界を牽引したデザイナーや建築家、評論家らによって1953年に設立された団体です。デザインの啓蒙を掲げ、松屋銀座を拠点に活動。優れたデザインを選定・紹介する「デザインコレクション」や、企画展を開催する「デザインギャラリー1953」の運営などを通じ、現在31名のメンバーで日本のグッドデザインの発展に貢献し続けています。

■「デザインコレクション」70周年 松屋銀座7階にある「デザインコレクション」は、1955(昭和30)年にオープンした、デザイン・セレクトショップの先駆け的な存在です。商品を選定しているのは、日本のグッドデザイン運動の展開を趣旨として、1953年に設立された日本デザインコミッティー(発足時は国際デザインコミッティー)のメンバーたちで、創立メンバーには剣持勇氏や岡本太郎氏など、日本のデザインを牽引してきたメンバーが名を連ねています。そして「デザインコレクション」は現在に至るまで、その中心的な活動のひとつとなっています。現在も2ヵ月に1度選定会を行い、商品が入れ替わっており、コミッティーメンバーの目で選び抜かれた、機能的で美しいデザインの生活用品の数々が約700点並んでいます。


オーガニック チェア


■開催概要
タイトル:「Tsu-tsu-mu展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法」
会 期:9月26日(金)~10月13日(祝・月) 11:00~20:00 *最終日は17:00閉場・入場は閉場の30分前まで
*営業日・営業時間の詳細は松屋ウェブサイトをご覧ください。
https://www.matsuyaginza.com/jp/ginza/floor
会 場:松屋銀座8階イベントスクエア
〒104-8130 東京都中央区銀座3-6-1 電話03-3567-1211(代表)
入場料:一般 2,000 円(1,800 円)、高校生 1,500 円(1,300 円)、小中学生 1,000 円(800 円)税込
*( )内は前売り料金
*チケットはローソンチケット(Lコード:38835)にて発売中。https://l-tike.com/tsu-tsu-mu/
主 催:日本デザインコミッティー
企画・構成:色部義昭+色部デザイン研究所
構想:色部義昭、土田貴宏、田川欣哉、鈴木元
アートディレクション:色部義昭
編集:土田貴宏
空間デザイン:中原崇志、HIGURE 17-15cas
公式サイト:https://designcommittee.jp/event/2025/08/tsutsumu_ten.html
●提供画像素材と使用の際の注意事項
ご使用の際は画像タイトルとクレジットの記載をお願いします。