ICEYE Japan株式会社
従来、数時間から数日を要した情報・監視・偵察サイクルを数分単位に短縮し、防衛部隊の現場における意思決定の即応力と確実性を強化
世界最大級の小型SAR衛星コンステレーションで防衛・防災を支援する「ICEYE」は、NATOによる演習で実証されたISR運用の可搬型ユニット「ISR CELL」の提供を開始いたします。本製品はコンテナ型の可搬型ユニットで、防衛部隊が現場で直接SAR衛星を運用できる仕組みを備えています。これにより、情報収集から解析、情報発信に至る一連のISR(情報・監視・偵察)サイクルを従来の数時間単位から数分単位へと大幅に短縮し、現場で即時に活用可能とすることで、意思決定の速度と確実性を飛躍的に高めます。

提供背景
ISRサイクルにおいて最大の課題は、SAR衛星から得られる膨大かつ複雑なデータをいかに迅速かつ確実に処理し、現場で即座に活用可能な情報へと変換できるかという点にあり、従来は司令部拠点での解析に数時間から数日を要しており、現場での即応性を阻害する要因となっていました。このような課題を克服し、現場部隊が自律的にISRを運用できる体制を強化するため、ICEYEは新たに「ISR CELL」の提供開始に至りました。
可搬型ユニット「ISR CELL」について
「ISR CELL」は、コンテナ型の可搬式ユニットであり、現場部隊が直接SAR衛星を運用し、情報収集から解析、情報配信までを一貫して完結できる仕組みを備えています。従来は司令部に限定されていた衛星情報の活用を現場レベルにまで拡張し、数時間から数日かかっていた処理を数分単位に短縮することで、防衛部隊の意思決定を迅速かつ確実に支援します。
さらに、本製品は暗号化通信を通じた安全な情報共有、AIによる解析補助、独立した衛星受信機能を備えており、高リスク環境にも迅速に展開可能です。固定式地上局の障害時には予備系統として機能し、現場におけるISRの冗長性と柔軟性を高めます。航空システムによる情報収集が距離や電子戦の制約を受けやすいのに対し、本製品は宇宙からの情報を直接現場に届けることで、即応性と信頼性を格段に向上させます。
今後の展望
ICEYEは近年、防衛分野における地位をさらに確固たるものにしています。ポーランド軍、ポルトガル空軍、オランダ空軍、フィンランド国防軍に対し、SAR衛星技術およびISR能力を提供する契約を締結しました。さらに、NATO連合軍司令部へのSAR衛星のデータ提供に関する契約も別途締結しており、同盟国の安全保障に不可欠な情報基盤を担う企業としての信頼を確立しています。こうした国際的な実績を基盤に、ICEYEは日本においても防衛・安全保障分野での貢献を一層強化してまいります。
ICEYE 共同創業者 兼 CSO ペッカ・ラウリラのコメント
「本製品は、防衛組織が重要な情報にアクセスする方法を根本から変える大きな飛躍です。これまで数時間から数日を要していた宇宙から情報を、数分で指揮官の手元に届けることを可能にし、現代の作戦計画と遂行のあり方を根本的に変革します。本製品はすでに量産体制に入り、最初の顧客への納入は2026年初頭を予定しています。この基盤的な能力は、最新世代のSAR衛星「Gen4」と組み合わせることで、SAR衛星情報をより効率的に、そしてあらゆる意思決定拠点から直接利用可能にします。これにより全軍規模で、より迅速かつ信頼性の高いISRサイクルを実現します。」
ICEYEについて
ICEYE(アイサイ)は、フィンランドに本社を置く、小型合成開口レーダー(SAR)衛星のリーディングカンパニーです。世界最大級の合成開口レーダー(SAR)衛星コンステレーションを所有するICEYEは、客観的でほぼリアルタイムの洞察を提供し、昼夜を問わず、また厳しい環境条件下でも行動可能なデータへの無比のアクセスを確保します。
世界において政府や商業産業の信頼できるパートナーとして、ICEYEは防衛・情報、保険、自然災害対応・復興、セキュリティ、海事モニタリング、金融などの分野でインテリジェンスを提供し、コミュニティのレジリエンス(回復力)や持続可能な開発に貢献する意思決定を支援しています。
日本法人の他、ICEYEはフィンランド、ポーランド、スペイン、英国、オーストラリア、UAE、ギリシャ、米国に拠点を持ち、国際的に事業を展開しています。700人以上の従業員が、地球観測における「真のデータ供給者」となることで地球上の生活を改善するという共通のビジョンに基づき活動しています。
