花王株式会社(Kao Beauty Brands)
~分析に基づき、新たな3つのメイクスタイル「進化型ミュート」「大人dolly」「Neo Y2K」をメイクアップアーティストが考案~

花王株式会社のビューティリサーチ&クリエーションセンター(以下、花王BRCC)では、国内外の最新メイクやファッション、カラートレンドのリサーチや、1998年から継続しているストリートの定点観測を通じて、ビューティトレンドの予測や美容情報の提案をしています。このたび、BRCCのメイクアップアーティストが、従来のトレンドリサーチに加えて、アジアで活躍するメイクアップアーティストや美容高感度層へのインタビューを実施し、今の日本、韓国、中国のメイクトレンドを分析しました。これに基づき、今後の国内メイクアップスタイルに関する3つのテーマをご提案いたします。
日本・韓国・中国の2025年メイクトレンド
アジア各国のメイクアップトレンドは多様化し、それぞれの文化や美意識を反映したスタイルが登場しています。各国のメイクスタイルのトレンドを探り、アジアの多様な美意識を理解することは、個性と自信を引き出す美しさの創造に繋がります。
■日本メイクトレンド
日本では、肌なじみの良いくすみカラーを使った「ミュートメイク」や、透け感とつやを兼ね備えた「大人バブみメイク」が人気を集め、さらには、2000年代のギャル文化を取り入れた「Y2Kメイク」、健康的な印象を与える「多幸感メイク」なども注目されています。
ミュートメイク:全体的に肌なじみのよい、くすみカラーを使用し、ワントーンでまとめたナチュラルで上品なメイクスタイル。アイメイクやリップはピーチベージュなどの柔らかいカラーを使い、ベースは透明感のある肌に仕上げる。
大人バブみメイク:赤ちゃんのような愛らしさやかわいらしいピュアな印象を与えつつも、大人の上品さや色っぽさを兼ね備えたメイクスタイル。透けるような肌、つやのあるリップ、青みピンクの滲みチークでピュアさと血色感を演出するのが特徴。
Y2Kメイク:2000年代初頭のギャル文化をベースに、キラキラとしたラメや鮮やかな色使い、涙袋やつけまつげなど、個性的で遊び心のあるメイクスタイル。
多幸感メイク:つや×血色カラーで、内側から、あふれ出るような幸福感や健康的な印象を与えるメイクスタイル。
■韓国メイクトレンド
韓国では、白い肌にふんわりとしたカラーを用いる「ポヨンメイク」や、元の顔立ちを活かす「ミュートメイク」が広がりを見せ、さらには「ドウインメイク」が若者の間で話題です。また、自分の唇より少し鮮やかな色合いを表現する生ぬるいトーン「MLBB(My Lip But Better)」が数年前より高い人気が続いています。トッキヒョリップ(うさぎの舌のようなホワイティッシュピンクのリップ)や、タンフル リップ(りんご飴のように、みずみずしくつやのある唇)等が注目です。
ポヨンメイク:白い肌にいちごミルクのようなふんわりとしたカラーを使ったナチュラルなメイクスタイル(ポヨンとは韓国語で白みたっぷりのパステルカラーを表現した言葉)。さらに、ピンク系だけではなく、マットローズやオレンジ系、コーラル系など新しい色も取り入れ、涙袋をプラスして個性を出したスタイルも。
ミュートメイク:肌になじむような淡い色合いでまとめるメイク。元の顔立ちを活かし、自然な美しさを引き出すメイクスタイル。透明感とつや感のある肌に仕上げる。日本のミュートメイクとは異なり、肌なじみのよいミュートカラーをベースにつややラメのあるアイシャドウやリップを取り入れていることも特徴。
ドウインメイク:中国版TikTok「ドウイン」で流行っているメイク。目もとを強調したセミマットな白肌で、鮮やかなリップやハイライトなどで仕上げるスタイル。
■中国メイクトレンド
中国では、華やかで人形のような美しさを追求する「ワンホンメイク」が若者に支持される一方、伝統を意識した「新中華メイク」なども注目されています。また、「寒冷地メイク」や日本同様2000年代のメイクがベースとなった「Y2Kメイク」なども話題です。
ワンホンメイク:中国のインフルエンサー(ワンホン)のような華やかで人形のような美しさを表現するメイクで、特に若年層の学生に人気。陶器のようなセミマット肌、チークは高めで鼻先にも入れ、ハイライトシャドウで骨格を強調。さらに、唇の輪郭を実際よりも大きく見せるオーバーリップや、目幅を強調するために、目尻を猫の目のように跳ね上げたキャットライン、涙袋も特徴。
新中華メイク:中国の民族衣装に合う古典的な美しさ、懐かしさのあるナチュラルなメイクスタイル。薄めで化粧っぽさがないのが特徴。
寒冷地メイク:東ヨーロッパの寒い地域のメイクからインスパイアされた寒色系カラーを使用し、しっかり作り込んだメイクで、パーツをはっきりさせ骨格をより際立たせるスタイル。
Y2Kメイク:日本のY2Kメイクとは異なるアジアと欧米のミックスメイク。2000年代に流行ったメイクを参考に、スモーキーなブラウン系の囲み目やマットで陶器肌のようなベースが特徴。特に、若い世代に注目されている。
これからの日本のメイクアップスタイル提案
多様性の時代で、「個性を重視したり、機能性を追求したりする新しいメイクスタイル」が登場しています。SNSでの「マイクロトレンド」だけに影響されるのではなく、自分独自のよりパーソナルなスタイルを確立するようになりました。メイクは、単なる美しさの追求に留まらず、自己表現の重要な手段にもなってきています。そこで、花王BRCCのメイクアップアーティストより、個性を活かし自分を表現するこれからの時代に合った3つの新しいメイクスタイルを提案します。
■テーマⅠ.Meta-Demure
上品でエレガントなニュートラルカラーに、近未来的な輝きをプラスした進化型ミュート

EYES -クラシックエレガントなミュートカラーと放射状ハイライトのメタリック感で表現する光と立体

►アイシャドウは肌なじみのよいミュートカラーでグラデーションを作り、目を中心として目頭側・目尻側を、偏光パールを含むハイライトで放射状に囲む。
►目の下にはパール・ラメ感のあるアイライナーを、ラインストーンのように点置きすることで目もとの輝きと個性をプラス。
LIPS -ふんわりセミマットと肌なじみの良いコーラルカラーで息吹を感じる生命感を

►口もとはセミマットでふんわり輪郭をぼかし、目もとやハイライトのパール・ラメ感とのコントラストで、控えめながらもフレッシュな印象を演出。
►肌なじみの良いコーラルカラーを使用し、中央に色を重ね塗りすることで、じんわりと肌から発色するようなグラデーションを作る。
BRUSH -すっきりとしたセミマットベースに滲み出るようなシェードチークでエレガントに

►ベースはつやを残しつつ部分的にフェイスパウダーで押さえ、すっきりとした印象に。
►やや紫みのあるチークカラーをこめかみからシェーディングのように縦に入れることで血色感のある影を作る。
■テーマ Ⅱ.Clear Nostaldolly
トーンを抑えたピンク×コーラルカラーに、ウエットな質感をプラスしたチークが主役の大人dollyなメイク

BASE・BRUSH -明るく透明感のある肌にWチークで遊び心を

►ラベンダーカラーの下地を使用し、明るさと透明感を引き出す。
►ファンデーションは明るめで、やわらかなフォギー質感に仕上げる。
►コーラルカラーで甘さを控えめに、Wを描くように目の下から鼻にかけてチークを入れ、あごや鼻先、目頭にも軽くのせる。
►ふんわりとノーズシャドウを入れ、鼻先にはハイライトをのせる。
EYES -質感MIXで甘すぎず抜け感のある目もとに

►マットなベージュで立体感をつくり、透明感のある青みのあるピンクを目尻中心にすっきり横長を意識していれる。
►目頭にハイライトを重ね、まぶた中央につや感のあるアイシャドウを重ねる。
►下まぶたはパール感のある明るいラベンダーとなじみのよいシャドウでラインを描き、涙袋を強調。
►眉は毛流れを活かしながら、アイブロウマスカラで明るくブリーチしたような抜け感のある印象に仕上げる。
LIPS -ミルキーな血色カラーとつやのグラデーションリップ

►唇の色と近い色のリップペンシルでオーバーリップに仕上げる。
►口角が上がって見えるように上唇はインカーブに描き、全体の輪郭をふんわりとぼかす。
►外側はふんわりとマット質感のピンクベージュ、内側にミルキーな血色カラーをオンし、最後にグロスを中央から横長に重ねてグラデーションリップに仕上げる。
■テーマ Ⅲ.Composite Modernity
マットな影と湿度感のある光、対極な要素をレイヤードし自然な立体を表現したNeo Y2K

EYES -マットなアイベースにウエットなつやをMIXした質感で目もとの立体感を強調

►ベースにマットなベージュ系を仕込むことで彫りの深い骨格を作り、目尻には透け感のあるダークカラーを入れる。
►その上に、濡れたようなつやのあるグリーンをプラスし、異なる質感を組み合わせ重ねていくことで陰影をつくる。
►Y2Kテイストのやや長めなキャットラインを、その人の目の形に合わせて上げるのがポイント。
BRUSH -メイクを引き立たせるマットなベースと、目もとと一体化し滲み出るCゾーンチーク

►目を囲むCゾーンにやや赤みのあるベージュチークを仕込み、その上にグラデーションになるように青みのあるピンクを重ねる。
►Cゾーンに繋がるように、目の下にもじんわりとピンクを滲ませる。
LIPS -青みダークなニュアンスを潜ませるプルつや湿度感リップ

►唇の輪郭を消すようにコンシーラーなどで修正し、ベースを整える。
►リップライナーで部分的に唇の形をオーバーに描き(下唇は船底型、上唇はM字型)トレンドのぷっくりした唇を表現。
►青み系リップにグロッシーなつやを重ね仕上げることで抜け感を出す。
〈花王BRCC メイクアップアーティストの紹介〉

〈使用したおすすめアイテム〉

■LUNASOL クラリティフロウリクイド (テーマⅠ使用)
https://www.lunasol-official.com/categories/new-limited/new/p/4973167524855
水のようなつやを秘めて、清らかに。ふわり、ひと塗りで、クリアな光が巡りだす。肌の動きに寄り添うしなやかな膜が、肌と一体化するように軽やかにフィットします。

■KANEBO ムードブースティングブラッシュ02 (テーマⅡ使用)
https://global.kanebo.com/ja/categories/colormake/facecolor/p/4973167549599
高揚カラーと鎮静カラー。色幅のある2色が生み出す色彩効果で、生命感やムードまでもブーストするチーク。

■KATE ザ アイカラー 063 見たまま発色マット (テーマⅢ使用)
https://www.nomorerules.net/pickup/the_eyecolor/
無限に生まれる”欲”を満たす、ザ アイカラー。
【花王 ビューティリサーチ&クリエーションセンターについて】

花王化粧品事業部門の中で、科学的エビデンスや生活者リサーチ、美容トレンドに基づき、Kao Beauty Brandsの全ブランドの基礎となる美容情報や技術を開発。Kao Beauty Brandsのサイトにおいて、美容の情報も監修しています。
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ビューティコミュニティサイト「Kao Beauty Brandsプレイパーク」では、美容に関するさまざまな情報を公開しています。 https://member.kao-kirei.com/jp/kbbplaypark/
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