カールツァイス株式会社
カールツァイスが研究支援する海獣学者 田島木綿子による、海洋保全を考えるトークセッションも展開
カールツァイス(本社:ドイツ・オーバーコッヘン、CEO:アンドレアス・ペッチャー)は、2025年9月9日から9月13日までの期間、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」ドイツパビリオンにおいて、ドイツのアーティスト集団 Magnificent Matterによるパフォーマンスイベントに協賛しました。また同期間中、カールツァイスが研究支援を行う海獣学者 田島木綿子氏によるトークセッションも行われました。

カールツァイスは、光学技術を通じて科学研究や産業界を支えると同時に、アートや文化活動への協力を通じて社会に新たな視点を提供しています。大阪・関西万博では、最先端の顕微鏡ソリューションを用いたライブパフォーマンスおよびトークセッションを通じ、万博テーマでもある「いのち輝く未来社会のデザイン」について考える機会を提供しました。
■顕微鏡が映し出す「ミクロの世界」と音楽が融合した圧巻のステージ

ドイツ館のステージには、顕微鏡や液体の入ったグラス、キーボードなど独特な装置が並び、非日常的な雰囲気に包まれました。ピアニスト兼作曲家 Sofi Paez による幻想的な歌声で幕を開けたステージ。アーティスト集団 Magnificent Matterが、ZEISSの最新モデル「ZEISS Axioscope 7」を通して、多様な液体がリアルタイムに混じり合う様子をスクリーンに映し出します。ピアノの旋律とともに流れの速さを変える液体は、時に宇宙の銀河のように、時に血液や川の流れのように姿を変え、観客を圧倒しました。
パフォーマンスでは、ミクロの世界に潜むダイナミズムが、音楽と融合することで壮大な物語を描き出し、センセーショナルなクラシック音楽と透き通る歌声は、生命の強さや儚さを想起させ、ミクロの世界と人間社会をつなげる示唆に満ちたパフォーマンスとなりました。
約1時間にわたる圧巻のステージは会場を魅了し、曲間や終了後には大きな拍手が沸き起こり、大盛況のうちに幕を閉じました。

■座礁したクジラが問いかける、持続可能な未来への課題
ドイツ館のステージスクリーンにて「三宅島クジラ鼻水プロジェクト」を紹介する映像が上映され、ZEISSの顕微鏡を活用した研究協力の取り組みが紹介されました。

その後、国立科学博物館で動物研究を行う田島木綿子氏が登壇し、日本が世界でも有数の「クジラ大国」であることや、年間約300件発生するクジラのストランディング(座礁)の現状を説明。海洋プラスチックなどの環境問題がクジラに及ぼす影響についても言及しました。
田島氏は「まずは知ることが大切」と強調し、海棲哺乳類研究を通じて持続可能な未来を考える重要性を呼びかけました。講演は、大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に直結する内容として、多くの来場者に深い気づきを与えました。

■Magnificent Matter / マグニフィセント・マターについて
Magnificent Matterのアートは、ミクロの世界と人生の大きな問いをつなぐ架け橋です。微生物から着想を得た彼らは、自然の儚い美しさや人と人とのつながりを映し出す魅惑的な作品を創造します。その作品は、あらゆる生命の相互依存を探求し、私たちがより大きな全体の一部であることを思い起こさせてくれます。
https://www.magnificentmatter.com/
■Sofi Paez / ソフィ・パエズについて
ピアニスト、歌手、作曲家であるソフィ・パエズは、デビュー・アルバム『Silent Stories』で陰影と光に満ちた宇宙を表現しています。彼女の楽曲はクラシックとモダンなサウンドを融合させ、喪失や希望、相反する感情の調和といった深い物語を描き出します。
■田島木綿子について
国立科学博物館 動物研究部 脊椎動物研究グループ 研究主幹。博士(獣医学)。
NHK「ダーウィンが来た!」(自然番組)や小学館『へんなものみっけ!』(週刊ビッグコミックスピリッツ・漫画)などでもおなじみ。クジラやイルカなど海棲哺乳類の漂着個体を解剖・標本化し、環境変化や汚染影響を研究。
著書に『海獣学者、クジラを解剖する。』『クジラの歌を聴け』(山と溪谷社)などがある。
■ドイツパビリオンについて
大阪・関西万博は、国際社会が一堂に会し、最新技術や革新を通じてSDGsの達成に貢献することを目的としています。テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」は、健康・持続可能性・デジタルイノベーションといった分野における国際協力を重視し、「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」という3つの副題を通じてさらに深く探求されます。
ドイツパビリオンのテーマは「循環型経済」、タイトルは「わ ! ドイツ」です。パビリオン自体が循環型で持続可能な建築の展示施設となっており、建築・景観・展示が一体化した空間を通して、循環型社会の未来への道を提示します。
https://expo2025germany.de/startseite-jp/
■ZEISSについて
ZEISSは、1846年にドイツで創業した光学技術を用いた事業を多角的に展開する国際的なリーディングカンパニーです。日本には1911年に設立したカールツァイス株式会社、カールツァイスメディテック株式会社、カールツァイスビジョンジャパン株式会社の3つの法人があります。4つのセグメント(半導体製造技術、産業品質・研究、医療技術、消費者市場)で事業を展開し、売上高100億ユーロを超えるグローバル企業です。工業計測、品質保証、ライフサイエンス、材料研究、眼科、マイクロサージェリーなど、様々な分野で革新的なソリューションを提供しており、世界中で高い評価を得ています。2024年現在、売上高の15%を研究開発に投資しており、約46,000人の従業員、35の生産拠点、60以上の販売・サービス拠点、約40の研究開発施設を擁し、約50カ国で事業を展開しています。また、オーナーであるカールツァイス財団は、科学の振興を目的とするドイツ最大級の財団です。
■カールツァイス株式会社 リサーチマイクロスコピーソリューション(顕微鏡部門)について
リサーチマイクロスコピーソリューション(RMS: Research Microscopy Solutions)は、主に研究に使われる顕微鏡を開発・製造・販売する事業部門です。ライフサイエンス、材料、工業研究、教育向けに、光学・電子・X線顕微鏡システム、相関顕微鏡、AI技術を活用したソフトウェアなど、幅広いソリューションを提供しています。