株式会社パシフィックボイス
映像・映画産業の未来を切り拓く、信頼と透明性のデジタル基盤構築へ

株式会社ビジュアルボイス(本社:東京都渋谷区、代表取締役 別所 哲也)は、株式会社NTT Digital(本社:東京都港区、代表取締役社長 濱名 健一)と共同で、分散型識別子(DID)と検証可能なデジタル証明書(VC)を活用したweb3サービスの実証実験を2025年秋より開始することをお知らせいたします。
本実証実験は、ビジュアルボイスが主幹となり、NTT Digitalが技術面で協業することで、映像・映画産業における、著作権管理の複雑化、クリエイターのスキルや実績の不透明性、作品の流通における信頼性確保、そしてファンエンゲージメントの深化といった従来の課題を解決し、クリエイター、バイヤー、企業、ファン、そして教育機関や地方自治体に至るまで、多様なステークホルダーに新たな恩恵をもたらすことを目指します。
本実証実験の背景と目的:これまでの課題をDID/VCで解決する
映像・映画産業は、デジタル化とグローバル化の進展に伴う 多くの課題に 対し、DIDとVCを基盤とするweb3サービスは、「情報の信頼性と透明性の向上」、「権利関係の厳格な管理と自動化」、そして「個人によるデータ主権の確立」という点で画期的な解決策を提供します。
DIDは個人が自身のデジタルアイデンティティを管理・制御することを可能にし、VCは学歴、職歴、スキル、受賞歴、作品の権利情報など、第三者機関が発行する改ざん不可能なデジタル証明書やデジタル登記簿として機能します。本実証実験では、これらの技術を組み合わせることで、映像・映画産業の様々な側面に効果的な改善をもたらすことを期待しています。
DID/VCがもたらす恩恵:誰が、どう変わるのか
本実証実験で構築するサービスは、ビジュアルボイスが運営する、ショートフィルムを中心にコンテンツ・データアセットマネジメントができる権利管理プラットフォーム「LIFE LOG BOX(LLB)」を基盤とし、当初はショートショート フィルムフェスティバル & アジア (SSFF & ASIA) の受賞者やノミネート者、および専門学校・専門職大学の修了生、そしてコンテンツ購入を検討する企業やバイヤーを主な対象とします。
この取り組みを通じて、DID/VCは以下の層に具体的な恩恵をもたらします。
● クリエイター(監督、脚本家、俳優、スタッフなど)
– 信頼性のあるキャリア証明: 映画祭での受賞履歴、作品制作への参加履歴、映画関連イベントへの参加履歴、学校の修了証明、資格、職歴、特定のスキルや使用ツールに関する証明など、自身の多様な実績や能力をVCとして安全に、かつ改ざんされにくい形で提示できます。これにより、経歴の真偽を巡る懸念が解消され、適切な人材マッチングが促進され、新しいプロジェクトへの参加やキャリアアップが容易になります。現場経験が少ない場合でも、能力が示せればスムーズに契約や採用が行われる環境が整います。
– 著作権・権利の保護と適切な収益分配: 映像作品の所有権や著作権、配給権や二次利用権などがDID/VCで管理され、権利保有者や権利状態が確認できます。今後これらを利用し権利状況が明確になることでスマートコントラクトにより、作品の二次利用や収益分配が自動化され、効率的かつ透明性の高い収益分配が実現します。特に配給や二次創作においては、権利の有無や有効期限をVCで検証することで、権利侵害を抑制し、安心してコンテンツの利活用を推進できる環境が整います。
– 作品価値の向上: 作品の受賞歴や制作過程のメタデータがDID/VCで管理されることで、作品の信頼性が向上し、社会的な評価が可視化され、より適正な価値での取引が期待できます。
● バイヤー・企業(映画製作会社、配給会社、投資家など)
– コンテンツ権利の確実な検証: 作品の著作権や利用許諾範囲がVCで明確に示されるため、権利関係の透明性が高まり、安心してコンテンツを購入・配給できます。これにより、フィルムバイヤーへの作品提供時の商談を円滑に進める一助となり、不正取引のリスクを低減します。
–信頼できる人材の発見とチーム組成: クリエイターの経歴やスキルがVCで証明されるため、プロジェクトに最適な人材を効率的に見つけ、信頼性の高いチームを組むことができます。
–効率的な資金管理と透明性: 映画製作における権利関係者の紐付けがVCで証明され、権利関係や状態が透明化され、投資家やスポンサーへの信頼性が向上します。
● 学校(教育機関)
–デジタル修了証・資格証の発行: 学生の修了証や各種資格をVCとして発行することで、証明書の改ざん耐性を高め、信頼性を向上させます。
– 就職支援の強化: 学生の学歴、経歴、スキルが安全かつ信頼性の高い形で証明されるため、企業へのアピールが容易になり、就職活動における競争力が高まります。
-エンジニア、クリエイターとして: 自らのスキルを学校や映画祭などの第三者機関が証明してくれることで自身や作品の価値や信頼性、評価が横断的に可視化され、活躍の場が広がります。
–地方自治体(より広範な将来性として)
–行政手続きの効率化と信頼性向上: 自治体が発行する各種証明書をVCで管理することで、行政サービスの効率化と透明性、信頼性の向上が期待できます。これにより、地域振興やイベント招致など、多様な分野での連携が促進されます。

今後の展望
本実証実験は、2025年10月にSSFF & ASIA 2025の受賞者へのVC発行から開始し、2026年にはLLB上のコンテンツマーケットでの配給・売買を含む本格的なサービス提供を目指します。
ビジュアルボイスとNTT Digitalは、DID/VC技術の社会実装を通じて、映像・映画産業が抱える長年の課題を解決し、クリエイターがその才能を最大限に発揮できる環境、バイヤーが安心して取引できる市場、そしてファンがより深く作品と繋がれる未来を創造してまいります。この革新的な取り組みにご期待ください。
以上
[株式会社ビジュアルボイスについて]
米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」と連動して2006年に誕生し、ショートフィルム専門のブティック型映画館の運営をはじめ、ショートフィルムを軸としたさまざまな事業を行ってきました。マルチメディア化が進んだ現代において、映像の持つ力はますます大きくなっています。「あなたの声を映像に載せて」というコンセプトには、映像・映画の力を様々な人や組織が活用しメッセージを伝えられる世の中の実現を目指す私たちの想いが込められています。 私たちはこれからも、映像で「新しいなにか」に挑戦しようとしている皆様と一緒に、ビジネスを創造してまいります。
[株式会社NTT Digitalについて]
NTTドコモ・グローバルグループの一員である株式会社NTT Digitalは最先端のデジタル技術の社会実装に向け、個人や企業がブロックチェーン技術などを容易かつ安全に利用できる環境づくりをweb3イネーブラーとしてグローバルに推進してまいります。
※LIFE LOG BOXとは…?

国内外10万人以上のクリエイターとのネットワークを持つSSFF & ASIAと連動した、スマートフォンやSNS、動画配信サービスなどの充実により、誰もが一クリエイターとしてコンテンツを創作し発信できるweb3時代の動画運用プラットフォームです。データを預けストレージサービスを軸にクリエイターが活躍できるサービスを展開しています。世界中のクリエイターやファン、企業にクリエイター情報、作品情報を発信するポートフォリオや視聴権などを出品でき、クリエイターに利益を還元するNFTマーケットプレイスに預けたデータがつながります。