琴平バス株式会社
デジタルノマドの聖地・チェンマイの人気コリビング「Alt_」と協業。「マインドフルネス」をテーマに1か月間の長期滞在プログラムを11月に開催。
琴平バス株式会社(本社:香川県琴平町、代表取締役社長:楠木泰二朗)は、世界中のデジタルノマド(*1) が集うタイ・チェンマイの人気コリビング(*2) 施設「Alt_」を運営するColiving Concept(コリビング コンセプト)社(本社:タイ・チェンマイ、代表取締役社長:John Ho)との協業連携を発表しました。
この連携により、同社が運営する職住一体型コリビング「コトリ コワーキング&ホステル」にて2025年11月10日(月)から12月10日(水)までの1か月間、デジタルノマド向け長期滞在プログラム「Alt_Kotori Digital Nomad Program」を琴平町で開催します。
1956年の創業以来、琴平バスは地域交通と観光事業を通じて琴平町の発展に寄与してきました。来年で創業70周年を迎える節目に、江戸時代から一生に一度は訪れたい“こんぴら参り”の地として旅人を迎えてきた琴平町として、国境や文化を超えて人々が集う「デジタルノマドの聖地」への挑戦を推進します。

■ 実施の背景

「一生に一度はこんぴら参り」と言われるように、琴平町は海の守り神・金刀比羅宮を中心に栄え、江戸時代から全国の旅人や参拝客を迎えてきました。しかし現在、町は消滅可能性自治体にリストアップされ、人口も将来的に半減すると予測されています(*3)。観光客数もピーク時の年間約520万人から2019年には約260万人まで落ち込み(*4)、平均滞在日数は1.13泊と短期化が進んでいます(*5)。こうした背景から、かつての賑わいを取り戻すためには、従来の観光依存型のまちづくりにとどまらない新たな取り組みが不可欠となっています。
その解決策のひとつとして注目したのが、ITを活用して世界を旅する「デジタルノマド」の誘致です。デジタルノマドは観光客とは異なり、中〜長期型の滞在をしながら旅をするという特徴があります。短期的な観光消費ではなく、一定期間滞在し繰り返し町を訪れる「関係人口」として地域に関わってもらうことで、安定した経済効果と持続的な交流を生み出すことが期待されます。特に琴平町は、江戸時代に全国から旅人を迎えていた歴史を持ち、「旅人を受け入れる文化」が根付いている土地です。その文化を現代的に再解釈し、新しい旅人=デジタルノマドを迎えることは、町の伝統を未来につなぐ挑戦でもあります。
さらに、本連携により国際的な誘客導線を確立することで、アジア有数のノマド拠点と琴平町を結ぶとともに、海外からの認知度を高め、継続的な往来を促進します。単なる観光滞在ではなく、地域住民や地元企業との共創を通じて学びや挑戦が連鎖する仕組みをつくることにより、琴平町のコワーキングスペースの価値を「ただ働く場所」から「自己成長と共創の場」へと進化させていきます。
本プログラムを通じて、琴平町は“こんぴら参り”の地としての歴史を土台に、“デジタルノマドの聖地”として新たな可能性を拓き、地方創生・観光地再生・持続可能な地域づくりのモデルケースとなることを目指しています。
■ 「Alt_Kotori Digital Nomad Program」について

Mindful Work, Local Connection. ―自分と向き合い、地域とつながる旅。
本プログラムでは、「マインドフルネス(*6)を日常の働き方にインストールする」ことをテーマに、集中・内省・対話を通して、自身の生産性と創造性を高める時間を提供します。
毎週月曜のワークショップでは、自己理解と相互理解を深める学びの場を提供し、金曜のコミュニティディナーで一週間の気づきを共有するサイクルを構築。参加者と地域住民が共にマインドフルネスを実践しながら学び合います。さらに、プログラムの後半には善通寺でのお遍路体験を実施予定です。これまでのワークショップで得た学びを踏まえてお遍路に挑戦することで、より深い自己内省を促し、終了後には参加者同士が気持ちを分かち合うセッションを設けます。
また、参加者と地域住民が集まる「ファミリーミーティング」を定期的に開催し、アクティビティの提案や滞在時の改善点を共有し合う機会を設けます。このように参加者同士でプログラムを作っていく仕組みにすることで、ただの観光ではなく地域の文化や人々との深いつながりが育まれる滞在体験を目指します。

<プログラム概要>
プログラム名:Alt_Popup in Japan(琴平デジタルノマド長期滞在プログラム)
期間:2025年11月10日(月)〜12月10日(水)
テーマ:マインドフルネス、共創、地域との交流
拠点:Kotori Coworking & Hostel
主催:琴平バス株式会社
連携先:Alt_(チェンマイ、タイ)

<プログラム内容>
・職住一体型コリビングでの生活・仕事環境提供
・地域の伝統文化体験や地域事業者との交流プログラム
・地元住民や事業者との共創イベント
・四国各地への文化・自然体験ツアー
・マインドフルネスワークショップ
・ファミリーミーティング
■ コトリ コワーキング&ホステルについて
2024年2月、香川県琴平町にオープンした、コワーキングスペースと宿泊施設を兼ね備えた中長期滞在が可能な宿泊施設です。宿泊者と地域住民が共に利用できるコミュニティスペースは、子どもから大人まで幅広い世代が集い、仕事場だけでなく出会いと交流の場所としても賑わいを見せています。
コワーキングスペースでは高速Wi-Fi、個室会議室、追加モニターなどが充実しており、集中して仕事をしたいデジタルノマドにとっても快適な環境が整っています。さらに、観光名所である金刀比羅宮や門前町へ徒歩でアクセスできる立地の良さに加え、四国各地への交通利便性も大きな魅力です。
また、施設には常駐のコミュニティマネージャーが在籍しており、国際交流のサポートや地域とのつながりづくりを後押ししています。
https://www.kotori-japan.com/
■ Alt_について
デジタルノマドの聖地と呼ばれるタイ・チェンマイに拠点を置く、コワーキングスペースのある共同宿泊施設です。現在、「Alt_ChiangMai」と「Alt_Pingliver」の2施設を展開しています。
世界各国から集うデジタルノマドやクリエイターに快適な居住空間と仕事環境を提供し、国際色豊かなコミュニティを形成しています。アジア有数のノマド拠点として知られ、地域との共創イベントや交流活動を積極的に展開しています。
https://www.altcoliving.com/

■ 琴平バス代表 楠木泰二朗コメント
“創業70周年という節目を迎えるにあたり、琴平バスは琴平町が育んできた歴史と文化、そして地域の人々の温かさを広く伝えていくとともに、観光とモビリティ分野で常に「Something New」に挑み続けてきた先人、そして現在を担う仲間に深い敬意を表します。コロナ禍という危機を乗り越えた今、私たちが次の時代に掲げる挑戦の中心は「国際的な関係人口の創出」です。訪日外国人旅行者が増える中で、私たちが大切にしたいのは“一見さん”を呼び込むことではなく、何度も訪れていただけるファンやリピーターを丁寧に育てることです。その核となるのが「デジタルノマドの誘致」です。長期滞在するデジタルノマドに、地域に溶け込む暮らしを提供し、愛着を育み、関係人口の一員として共に地域づくりに関わっていただく。そして、その輪を広げることで、世界にその名が届く「琴平」を築いていきたいと考えています。この実現において欠かせないのが、KotoriとALT_との連携です。人材交流や相互プロモーションを通じて、琴平町をモデルとした取り組みを日本全国へ、そして世界へと広げ、「Local to Global」への挑戦を加速させてまいります。”

■ コリビング コンセプト社 John Ho氏 コメント
“今回のKotoriとAlt_の協業を通じて、地域内外の人々が長く続く関係を築けるような有意義な機会が生まれ、文化交流によって双方が豊かになることを願っています。また、この取り組みが日本の観光経済を多様化し、その恩恵が大都市だけでなく地方のまちやコミュニティにも広がっていくことを期待しています。”
*1デジタルノマド:デジタルツールを使い仕事をしながら世界を旅する人たち
*2 コリビング:共同生活型滞在施設「暮らす、働く、交流する」という3つの要素を備えた滞在拠点
*3 香川県では4市町に「消滅する可能性」 若い女性の人口減少率が県内最大…東かがわ市の課題は?-KSBニュース
https://news.ksb.co.jp/article/15245488
*4 令和6年 香川県観光客動態調査報告
https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/56233/kankoukyakudoutai_houkokusyo_20250731.pdf
*5 琴平町観光基本計画(P9)-琴平町観光商工課
https://www.town.kotohira.kagawa.jp/uploaded/attachment/3592.pdf
*6 マインドフルネス:心を落ち着けてリフレッシュし、ありのままを感じる力
【琴平バスについて】
琴平バス株式会社は、香川県を代表する観光地である琴平町を拠点に、70年にわたりバス・タクシー事業、旅行代理業を展開。貸切観光バス、ツアーバスをはじめ「うどんタクシー」や定額乗り合いタクシー「mobi(モビ)」の運行など、地域に密着した観光・交通の一端を担っている。また、自社のコアバリューとして「Somethig New」を掲げ、新たな事業領域への挑戦を続けている。その中で2020年、コロナ禍において観光バスの運行が困難な状況下で取り組んだ「オンラインバスツアー」は社会の注目を集め、「日本サービス大賞」の地方創生大臣賞や、香川県の「かがわ21世紀大賞」、第1回全国シェアリングシティ大賞 観光部門 「優秀賞」などを受賞。琴平町の地域活性化事業「こんぴら十帖」プロジェクトなどにも積極的に貢献している。
https://www.kotobus.com/