エデンレッドジャパン
~来年の「制度改正」の実現に向け、月額3,500円から月額8,000円への引き上げを要望~
飲食店、食事補助支給企業、食事補助サービス事業者、あわせて1,140者・社で構成される「食事補助上限枠緩和を促進する会」(幹事社:株式会社エデンレッドジャパン)は、 2025年9月18日(木)に食事補助の非課税上限額引き上げの実現を目指し、政府へ要望書を提出したことをお知らせいたします。
経済産業省は、8月29日(金)に「令和8年度税制改正要望(以下、税制改正要望)」を公表し、食事補助制度における非課税限度額の引き上げを正式に要望しました。これは、私たちが長年訴え続けてきた課題がついに政府・与党の公式な議論のテーブルに上がったことを意味し、食事補助非課税限度額引き上げの実現に向けた大きな前進であると捉えています。そこで当会は、具体的な引き上げ額を提示するため、今回の要望書提出に至りました。

■要望書提出の背景
1984年に竹下登大蔵大臣(当時)の下、従業員の月額食事代6,800円を根拠として、食事補助に係る所得税の非課税限度額は月額3,500円へ引き上げられました。以後、すでに40年以上が経過しています。その間、食料の消費者物価指数は1984年平均に対し2025年1~7月平均で64.6ポイント上昇しており、現行の月額3,500円という水準は、もはや実態にそぐわないものとなっています。
実際に当会が「食事補助」に関する実態調査を行ったところ、企業の半数超が4,000円以上の食事補助支給を行っており、食事補助を支給している企業の8割超が「非課税限度額が引き上げられれば、従業員への食事補助を増額したい」と考えていることが判明。また、現在の昼食予算は月額11,358円である一方、物価高の前と同等の昼食を摂るためには、月額15,493円を必要としていることが明らかとなりました。

これを踏まえれば、本調査で得られた現在の昼食予算が妥当(6,800円*164.6%=11,193円)である一方で、物価高において昼食予算を約40%も節約をしている実態が浮き彫りになりました。
そこで当会では、こうした状況を踏まえ、企業で働く従業員の節約の実態と今後のさらなる物価上昇も考慮に入れた十分な限度額として、昼食予算の半額を超える8,000円への引き上げが適切であると考え、要望書を提出しました。来年の制度改正の実現に向け、今後も関係機関と連携しながら取り組みを進めてまいります。
■「食事補助上限枠緩和を促進する会」幹事社エデンレッドジャパン 代表取締役社長天野のコメント

当会は政府に対し、食事補助制度の非課税限度額の引き上げを求める要望書を提出しました。1984年の改定以降40年以上据え置かれてきた月額3,500円を、物価動向を踏まえ8,000円へ見直すことを求めるものです。
食事補助は、従業員の生活支援や実質手取りの改善、また人材の確保・定着に資するだけでなく、外食産業の需要喚起にもつながる制度です。日本経済の持続的な成長に向けては、賃上げだけでなく、働く人々の生活を直接支える制度の拡充が欠かせません。食事補助制度の非課税枠拡大は、企業・従業員・地域社会の三者に利益をもたらす施策であり、健全な消費循環を促すものと捉えています。
当会としては、制度改正の実現に向けて引き続き関係各所と連携し、社会全体で恩恵を享受できる環境づくりに取り組んでまいります。
■当会が要望している主な内容
食事補助非課税枠月額3,500円を8,000円まで拡大すること
<食事補助非課税枠上限 拡大のメリット>
① 従業員の実質的な手取り賃金の増加による物価高への対応
② ランチの欠食の解消、より健康的な食事の選択、共食の促進など、大人の食育の推進
③ 中小企業の人材課題解消、労働生産性改善、非正規雇用労働者の待遇改善
④ 平均ランチ代が引き上がることによる、飲食産業に対する消費拡大
■現行の食事補助制度「非課税上限」の仕組みについて
食事補助制度における「非課税上限」とは、企業が従業員に食事代を補助する際、一定の条件を満たせばその金額に税金が発生しないという制度です。国税庁が示す「所得税基本通達36-38の2」に記載されている運用ルールでは、月額3,500円までの食事補助であれば非課税扱いとするとされており、これを「食事補助の非課税上限」と呼んでいます。
この非課税の適用を受けるには、以下2つの条件を満たす必要があります。
①企業からの補助額が月額3,500円以下であること
②従業員が食事代の半額以上を自己負担していること
つまり、企業が月額3,500円までを補助し、同じ金額以上を従業員が支払えば、その補助分は非課税扱いとなります。
■食事補助上限枠緩和を促進する会について
当会の有志一同は、松屋、吉野家、ハイデイ日高など従業員の食事を支える外食事業者68者・社、健康経営の推進や人材確保等を目的として食事補助を提供する事業者1,068社・団体、ならびに株式会社エデンレッドジャパンなど食事補助の福利厚生利用を支援するサービス事業者4社など、合わせて1,140者/社より構成される任意の集まりです。私たちは、食事補助非課税上限の拡大が、賃上げ施策を補足し、物価高対策につながるとともに、中小企業の人材課題解消・労働生産性改善、外食など飲食産業の活性化、労働者の食育等に貢献すると確信しており、現行の食事補助非課税上限の拡大のための要望および啓発活動を2024年より継続して行っております。