パナソニックグループ

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社(以下、パナソニック)は、神戸市立工業高等専門学校 機械工学科 鈴木 隆起教授との共同研究により、小型高濃度ファインバブル(以下、FB)発生デバイスを開発しました。
FBとは直径100 μm未満の微細な気泡の総称であり、表面がマイナスに帯電しているため、異なる極性の物質を引き付け、同じ極性の物質を反発させる電気的相互作用を持っています。さらに、油性物質を表面に集める疎水性相互作用や、気泡の消滅時に発生する衝撃波による圧力変化など、さまざまな作用が研究されており、洗浄効果や美容・健康分野において高い期待が寄せられています。
FBの発生手法の1つとしてベンチュリ構造が用いられていますが、高濃度の気泡を発生させるほど流路抵抗が増し、圧力損失による流量低下が課題となっていました。今回開発したFB発生デバイスは、ベンチュリ管の入口部に球体を設置する独自構造を採用することで、水流速度を高めつつ圧力損失を抑制。さらに内部構造の精密設計により、FBの発生効率を大幅に向上させ、流量低下を防ぐことに成功しました。また、水流モードの切り替えにより、ウルトラファインバブル(以下、UFB)とマイクロバブルのバランスを調整できるため、目的に応じたFB数の発生が可能です。
さらに、FBの美髪効果についても検証を実施。水道水に含まれるカルシウムなどの金属イオンが毛髪表面に吸着し(※)、トリートメント剤の浸透を阻害する現象を確認しましたが、UFBが金属イオンによる妨害を低減するとともに、UFBの増加により剤の吸着を促進する効果が認められました。モニター評価においても、本デバイスを組み込んだシャワーヘッドに切り替えることで、「まとまり感」「やわらかさ感」「ツヤ感」などの実感効果が得られ、ヘアケアの品質向上に寄与する技術として高く評価されています。
パナソニックは、今後も新たなヘアケア習慣を提案するとともに、さらなる技術革新を通じて、お客様一人ひとりが輝く美しさと健やかさの実現に貢献していきます。
※A.O.Evans, J.M.Marsh and R.R.Wickett, The structural implications of water hardness metal uptake by human hair. International Journal of Cosmetic Science, 2011, 33, 477-482.
全文は以下プレスリリースをご覧ください。
▼[プレスリリース]小型高濃度ファインバブル発生デバイスを神戸市立工業高等専門学校と共同開発(2025年9月24日)