デイブレイク株式会社
日本食の魅力発信や輸出拡大への貢献を目指し、冷凍寿司の更なる研究を推進
特殊冷凍ソリューション事業を展開するデイブレイク株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:木下昌之)は、2025年を冷凍寿司の時代の幕開け「冷凍寿司元年」と位置づけ、高品質冷凍寿司の価値や可能性を発信魅力を伝えるイベントを、2025年9月19日(金)、Tokyo Innovation Base(東京・有楽町)で開催しました。本イベントのレポートをお届けします。

【開催背景】「寿司は冷凍できない」という常識を超えて、新時代へ
魚の鮮度やシャリの食感の繊細なバランスが求められる寿司は、従来冷凍が難しいとされてきました。しかし近年、冷凍技術とレシピ開発の革新により、握りたてに迫る高品質な冷凍寿司が実現。新たな成長市場として注目を集めています。2025年には、ミシュランの星を持つ「銀座おのでら」ブランドや「六本木 鮨 ちかなり」、北陸を代表する「金沢まいもん寿司」、全国で親しまれる「ちよだ鮨」など名だたる寿司ブランドが参入。冷凍寿司は寿司の楽しみ方を大きく変える存在となっています。今回のイベントでは、こうした先駆的事業者が集結し、アートロックフリーザーで凍結した寿司を数量限定販売。冷凍寿司の進化と未来を広く発信しました。
【実施内容 前半パネルトーク】名店が語る挑戦とこだわり
本イベントは、冷凍寿司に取り組む事業者が一堂に会する、業界初の機会となりました。前半では出展各社によるパネルトークを開催。各社が自社の強みや研究ポイントを披露するとともに、解凍技術やシャリの品質保持、輸出への取り組みといったテーマを掘り下げて議論。「なぜ冷凍寿司の開発に至ったのか」「どの工程を特に研究してきたのか」といった問いかけを軸に進行し、会場からは「非常に勉強になった」「各社の取り組みを直接聞けるのは貴重」といった声が寄せられました。

【クロストーク登壇各社のコメント(抜粋)】
-
江戸前寿司ちかなり(ご登壇者:株式会社ちかなり 代表取締役 近成善行様)
お店と同等の品質のお寿司を、「食べたい時にすぐ提供できる」よう、解凍方法の研究に注力しました。自社で専用パックを開発し、電子レンジ2分と15分の蒸らしで召し上がれる商品を実現。冷凍寿司は、フードロス削減や板前の労働環境改善、職人志望者の増加にも寄与すると考えており、冷凍寿司の普及が、寿司業界全体の発展につながることを期待しています。
-
鮨 銀座おのでら(ご登壇者:株式会社ONODERAフードサービス 商品開発管理統括 鬼久保好崇様)
お店の味をいかに再現できるかを研究し、特に課題の多いシャリについては水分量や配合の最適化を継続的に行っています。消費者向け商品からスタートしましたが、今後は宿泊施設やスーパーなどでの展開も視野に入れており、展開するにあたって難しいのは解凍です。提供先の設備に合わせ、美味しく解凍できる仕組みをマニュアル化し、どこでも安定した高品質を実現することを目指しています。
-
金沢まいもん寿司(ご登壇者:株式会社エムアンドケイ 専務室 室長兼商品開発部 今井健介様)
シャリに最も注力し、国内外どこでも安心安全に冷蔵解凍できるシャリを開発しました。本日の提供品も12時間の冷蔵解凍で仕上げており、店舗同様の品質を体験いただけます。寿司は世界的に注目される一方、職人を常時抱えられる場は限られます。冷凍寿司であれば、幅広いシーンで提供可能です。日本食の魅力を広げるために、冷凍寿司を世界のスタンダードにして、より多くの人に寿司を楽しんでもらいたいと考えています。
-
ちよだ鮨(ご登壇者:株式会社ちよだ鮨 商品開発部長 小野寺大樹様)
誰が解凍しても同じ品質を保ち、安心安全に提供できるよう、冷蔵解凍に対応した寿司を研究しています。最大の課題は、江戸前寿司特有の合わせ酢の風味を損なわずに解凍できるかという点です。「いつ、どこで食べても美味しい江戸前寿司」という理想に向け、着実に進化を重ねています。冷凍寿司の流通によって、これまで寿司を食べたくても食べられなかった人への提供や、ホテル・観光業における人手不足の解消に貢献することを目指しています。
-
デイブレイク(登壇者:デイブレイク株式会社 副社長 片山良宏)
レシピ開発には工夫を重ねてきましたが、海外輸出においてもう一つ重要なポイントはコールドチェーンの構築です。同じ段ボール内でも置き場所によって温度差が生じ、一部が白蝋化してしまう事例もありました。特殊パッケージで現地まで白蝋化が発生しないレベルに到達しましたが、引き続き重要な研究テーマと位置づけています。また、アメリカでは今月よりハワイのミツワマーケットプレイスでも販売を開始しました(※1)。寿司の巨大市場のなかで、冷凍寿司はまだごくわずかなシェアに留まっていますが、今後大きな可能性を秘めています。事業者との連携を深めながら、冷凍寿司の市場を発展させていきたいと考えています。
(※1)デイブレイクの冷凍寿司、ハワイのミツワマーケットプレイスで販売開始

【実施内容 後半冷凍寿司販売】冷凍寿司の最前線を体感
パネルトーク後の冷凍寿司販売会では、各ブランドのこだわりが詰まった寿司が並び、来場者はその味を実際に確かめ、冷凍寿司の可能性を体感する時間となりました。
【出展各社が販売した冷凍寿司】
※販売価格は税抜です
-
江戸前寿司ちかなり
まぐろ(販売価格:200円)、サーモン(販売価格:150円)、六本木鮨ちかなり監修100年の孤独焼酎漬け 生赤海老(販売価格:200円)
-
鮨 銀座おのでら
やま幸まぐろ赤身、金目鯛昆布〆(販売価格:各400円)
-
金沢まいもん寿司
加賀百万石まいもん紅白握り
能登塩で食べる「能登ふぐ」、金沢醤油で食べる「金沢甘エビ」(販売価格:各300円)
-
ちよだ鮨
まぐろ、サーモン、真鯛(販売価格:各100円)
-
デイブレイク
アメリカ輸出の実績を持つサーモン、ハマチ(販売価格:各150円)
【冷凍寿司販売の様子】




【試食者からの反響】期待の声が多数。実力を示した冷凍寿司
当日は約150名が来場し、1日で約500貫を販売。また、来場者からは、「想像よりはるかにおいしくて驚いた」「シャリもべちゃべちゃ感やネタのぱさぱさ感もなく、飲食店で出されても問題ないレベルだと感じた」「ぜひ世界に日本の寿司のおいしさを広めてください」「日本の国民食を世界へ届けてほしい」といった声が寄せられ、冷凍寿司に対する関心と期待を喚起する時間となりました。
【今後の展望】日本の食文化を世界へ。輸出拡大と持続可能な産業づくりを目指す
冷凍寿司は、日本の食文化を守り広げる新たな取り組みとして注目を集めています。農林水産省が主催した「コメ加工品の輸出拡大に向けた試食会」においても、小泉進次郎農林水産大臣から冷凍寿司が高く評価を獲得(※2)。冷凍寿司は、日本の輸出政策における成長ドライバーとしても期待される、将来性の高い取り組みです。デイブレイクは、今後も事業者間の連携を一層深め、切磋琢磨しながら冷凍寿司の魅力を発信し、国内外の市場活性化を図ります。そして、寿司をはじめとする日本食文化の国際的な価値向上と、持続可能な食産業の発展に寄与してまいります。
(※2)デイブレイク、農林水産省「コメ加工品の輸出拡大に向けた試食会」に出展。小泉進次郎農林水産大臣が冷凍寿司を高く評価
デイブレイクの特殊冷凍機「アートロックフリーザー」について
「アートロックフリーザー」は、デイブレイクの食材研究データを踏襲し、独自に開発した特殊冷凍機です。2021年10月の発売以降、導入先は約700社を越え、多くの食品事業者に支持されています。一般的な冷凍の場合、細胞内の水分が氷に変わるときに細胞が損傷。特殊冷凍は、急速かつ均一に凍結することで氷結晶が小さく生成され、細胞の損傷を減らし、うまみ成分の流出を防ぎます。さらに、冷風の循環に技術が加わり、食品に与えるダメージを低減。素材本来の風味や食感を保ち、調理済みの食品も、できたての味を再現します。「アートロックフリーザー」は、これまで難しいとされていた食品の冷凍を可能にするとともに、従来を上回る高品質な冷凍食品を生み出しています。

デイブレイク株式会社について
「作り手から食べ手までのより良い未来を創造する」をミッションとして掲げ、特殊冷凍機に特化した国内唯一の専門会社として2013年創業。食品事業者への特殊冷凍機の販売および導入支援、特殊冷凍食材「アートロックフード」の流通事業など、特殊冷凍テクノロジーを活用した「Freezing as a Service®(FaaS®)」を展開。デイブレイクは、これからも特殊冷凍のパイオニアとして、食品流通のあらゆる課題を解決する事業を展開・推進してまいります。