株式会社NOLTYプランナーズ
■調査背景
中高生のスマートフォン(スマホ)依存・ネット依存は、学業への集中力低下や生活習慣の乱れ、精神的な不調を引き起こすなど、深刻な社会問題となっています。こうした課題に対しては、ただ制限を設けるのではなく、子どもたちが自律的に時間を管理し、デジタルデバイスと賢く付き合う力を育むことが重要です。
株式会社NOLTYプランナーズは、紙の手帳の使用有無が中高生の時間管理と学習習慣に与える影響について調査を実施しました。当社は、生徒の自己管理力の育成と自己肯定感の向上を目的に開発されたNOLTYスコラ手帳を全国の中学校・高等学校に提供しています。
今回の調査では、中高生の保護者600名を対象に「家庭・学校での学習・生活サポートに対する意識調査」を実施。子どもの手帳使用の有無は、保護者が認識する子どものデジタルデバイス利用状況、学習面・生活面の成長実感にどのような影響を与えているかをアンケート結果を通じて明らかにしました。
■調査概要
-
調査対象:中学生もしくは高校生の子どもを持つ保護者
-
調査方法:インターネット調査
-
調査時期:2025年8月
-
有効回答数:600名
-
グループA (手帳使用者保護者):子どもがスケジュールやタスク管理のために手帳を「使っている」と回答した保護者 300名
-
グループB (手帳非使用者保護者):子どもがスケジュールやタスク管理のために手帳を「使っていない」と回答した保護者 300名
-
■主な調査結果
●スマホなどデジタルデバイスを1日平均4時間以上使用する割合が、手帳使用者は10.7%、手帳非使用者は21.7%と約2倍の差
子どものデジタルデバイス(スマートフォンやタブレットなど)の1日平均使用時間について尋ねたところ、「4時間以上」の長時間利用の割合がグループBは21.7%、グループAは10.7%とその差は約2倍に達していました。
手帳で日々のスケジュール管理を習慣化することで、子ども自身が時間の使い方を意識しやすくなり、その結果、過度なデジタルデバイス利用の抑制につながる可能性が示されています。

●手帳を使用する中高生の保護者は、子どもの「時間・自己管理能力」の向上を顕著に実感
子どもが小学生・中学生の頃に比べ、現在成長したと感じる点について質問したところ、グループAの保護者は「時間を意識して行動ができるようになった」「忘れ物などが減り、持ち物や提出物を管理できるようになった」といった時間管理・自己管理に関する成長を高く実感していることが判明しました。
-
「時間を意識して行動ができるようになった」:グループAが544ポイント、グループBが331ポイントと、グループAが213ポイントも大きく上回り、最も顕著な差を示しました。
-
「忘れ物などが減り、持ち物や提出物を管理できるようになった」:グループAが265ポイント、グループBが159ポイントと、グループAが106ポイント上回りました。

●学校で手帳を導入することで、時間意識の向上をより顕著に実感
先の質問で「時間を意識して行動ができるようになった」と回答した保護者の内、(現在の使用有無にかかわらず)学校が導入した手帳を使用した経験がある子どもの保護者の方が時間意識向上を顕著に実感していることがわかりました。
単に手帳を使用するだけでなく、学校が導入主体となり、その活用を促す環境があることが、子どもたちの時間意識の向上に大きく貢献している可能性が示唆されます。
学校全体として手帳を活用する体制が整うことで、今まで時間管理が上手にできなかった子どもにとっても時間意識を持つきっかけとなり、効果的にその成長を促進したと考えられます。

●手帳を使用する中高生の保護者は、学習面・生活面のサポートに積極的
子どもの学習面および生活面における家庭でのサポート状況について質問した結果、グループAの保護者は、両面において各項目で「意識的にサポートしている」の割合が高く、能動的に関与している傾向が見られました。
-
学習面・生活面ともに、グループAの保護者は「意識的にサポートしている」の割合が高い一方、グループBの保護者は「特に今のところサポートの必要はない」の割合が高い傾向にありました。
手帳の活用によって、子どもの学習・生活状況やタスクが可視化されやすくなり、保護者が現状を把握しやすくなることで、より具体的なサポートへの意識や行動が促されている可能性がうかがえます。


●手帳を使用する中高生の保護者は、子どもの「自主性・自立心」や「自己管理力」をより重視
子どもに今後身につけてほしいと思う力として、グループAの保護者は「自分で考えて行動する力(自主性・自立心)」「正しい生活習慣や自己管理の力(自己管理力)」といった自律的・主体的な能力を重視する傾向が強く見られました。
一方、グループBの保護者は「他人と協力し、コミュニケーションをとる力」など、社会性に関わる能力をグループAよりも重視する傾向が見られました。
グループAの保護者は子どもが手帳を活用し計画を立てて、スケジュールを管理して、実行するプロセスを経験しているため、これらの能力の重要性をより深く認識している可能性があります。一方グループBは他者との関わりや社会性に関わる能力をグループAよりも重視しているが、両グループとも「自分で考えて行動する力」を最も重視している点は共通しています。

■調査結果より
今回の調査の結果、中高生の保護者は、子どもが手帳を活用することで、デジタルデバイスの利用時間の適正化や、時間管理能力、自己管理能力といった自律的な成長をより強く実感していることが明らかになりました。これは紙の手帳が、子ども自身に「PDCA(計画→実行→振り返り→改善)」のサイクルを意識させ、自分の行動を可視化・意識化する習慣を育むことで、非認知能力の一つである「自己管理力」の向上に大きく寄与しているものと考えられます。
また、手帳の活用は子どものデジタルデバイス利用時間の適切化を促すだけでなく、保護者の学習・生活サポートへの積極的な関与を後押しし、子どもの学習・生活習慣に影響を与えていることが示唆されました。これは、手帳が単なるスケジュール管理ツールではなく、子どもと保護者間のコミュニケーションを促進し、家庭教育全体の質を高める「成長支援ツール」としての役割を果たす可能性を示しています。
株式会社NOLTYプランナーズ
日本能率協会マネジメントセンターより2011年に分社化。主な事業は社員用手帳や販促用手帳のビジネスツール事業、社内での知識定着や浸透を支援するSDGs支援事業、中高生の資質能力を育む学校向け人材育成事業。成長することを求め目標に向けて歩む全ての人と組織を支援し続けます。
会社概要
社名:株式会社NOLTYプランナーズ
本社所在地:東京都中央区新川1-4-1 住友不動産六甲ビル3階
代表取締役社長:細野 肇
HP:https://www.noltyplanners.co.jp/
NOLTYスコラ®
「生涯、成長を楽しむ力の育成」をコンセプトに、中学校・高校を中心とする学校を対象に様々な商品、サービスなどのコンテンツを提供しています。生徒一人ひとりが成長を通して社会で活躍できる人材になることを支援しています。