株式会社コマド
– The Form of Quiet –
20世紀後半の工業デザインを語る上で欠かせない存在、BraunとDieter Rams。
「より少なく、しかしより良く(Less but better)」という理念は、単なる造形美を超えて、私たちの生活の在り方そのものに問いを投げかけます。
そのシンプルで持続的なデザインは、今日においても新鮮で現代的であり、デザインの根本を示す普遍的な作品群です。
本展では、ドイツ中を巡り集めたBraun製品が一堂に並びます。革新的なデザインのSKシリーズやAtelierシリーズをはじめ、端正なAudioシリーズ、Lシリーズのスピーカー、真空管ラジオRCS9やRT20、コンパクトなTシリーズ、そして存在感あるPCS51などのAudio類に加え、卓上ライターや時計といった日用品も展示/販売されます。そこに宿るのは、Dieter Ramsが追い求めた「Less but better」の思想に基づく優れたデザインです。
その個体が辿ってきた物語とともに、Ramsの理念を感じ、日々の暮らしの中で楽しんでいただけたら嬉しく思います。
BRAUN Audio
The Form of Quiet
会期 2025年 10月18日(土) – 26日(日)
営業時間 12:00~20:00
定休日 木曜日
※デバイスは全てメンテナンスされ、外部入力端子とBluetoothレシーバーが付属します。
お持ちのiPhoneやPCから現代的に音楽をお楽しみいただけます。


Opening Listening Event
10月17日(金)のオープニングイベントでは、複数のBraun Audioを組み合わせた実験的なリスニング体験を企画しています。サウンドディレクションは、Mashu Yokoyama / KEI 敬が手がけます。
Roedeliusをはじめとするドイツ・アンビエント音楽や環境音を融合したサウンドが展示空間を彩り、Braun Audioとアンビエント音楽の新たな関係性を描き出します。
「Less but better」の精神のもと、時代や場所を超えて音とデザインが交錯する非日常の一夜をお楽しみください。
日時 2025年 10月17日(金) 16:00~21:00
Admission ¥1,000- (with 1drink)
Sound Direction Mashu Yokoyama / KEI 敬
Organic Food & Drink AMBESSA & CO
※イベントでは展示品すべてが購入可能です。
翌10/18(土)からの一般発売に先駆けてお買い求めいただけます。
COMMON UNCOMMON Gallery
東京都世田谷区経堂5丁目28−17 美濃三ビル1F
Minosan Building 1st floor, 5-28-17 Kyodo, Setagaya-ku, Tokyo
営業時間 12:00~20:00
定休日 木曜日
TEL 070-1327-7620
instagram@commonuncommon_gallery


Dieter Rams / BRAUN Frankfurt, Germany
1932年、ヨーロッパ最古の温泉地として知られるドイツ・ヴィースバーデンに生まれたディーター・ラムスは、ヴィースバーデン美術大学を卒業後、1953年から建築家オットー・アペルの事務所に勤務します。この期間の修行と実務経験が、彼のデザインアプローチの基盤を築く重要な時期となりました。
1955年、BRAUNにデザイン部門が設立されると、その年にラムスは入社。翌1956年には、後にBRAUNとラムスの代名詞となるSKシリーズの初代「SK4」を発表します。透明なアクリルと金属ボディに天然木を組み合わせたその構造は、家庭用オーディオの在り方に革命をもたらしました。
設立当初3人でスタートしたBRAUNのデザインチームは、1956年にラムスが責任者となると60年代には15名規模にまで拡大。その後もチームを率い続け、1995年までBRAUNの製品開発を牽引。1997年に同社を退社しました。
BRAUNの製品はチームによって生み出されたものですが、ラムスは単なる一員を超えた存在感を放ち、20世紀ドイツにおいて最も影響力のある工業デザイナーのひとりとして知られるようになります。
1981年から1997年まではハンブルク美術大学で工業デザインの教授を務め、デザインプロセスにおけるチームワークの重要性を強調。
BRAUN社は彼の指導する学生たちをインターンとして受け入れるなど、その哲学は実務と教育の両面で息づいていました。ラムスは1977年、デザインに対する姿勢を次のように述べています:
「まず第一に、人々が本当に必要としているデバイスはどのようなものか、そしてそれらはどのような外観であるべきかを、私はより深く理解しようと努めました。そして今もなお、そうし続けています。常に自分自身に、そして他者にも問いかけてきました。“本当に、こうでなければならないのか?”と。」
彼の信条「より少なく、より良く(Less but better)」は、ただの美的原則ではなく、変化を生み出すためのモットーであり、すべての人々と環境にとってより良い未来を築くための鍵であると言えるでしょう。

