矢崎総業株式会社
矢崎エナジーシステム株式会社(本社:東京都港区、社長:矢﨑 航)は、温水焚吸収冷温水機「アロエース」と冷却塔、蓄熱槽、ポンプ、配管、制御機器等の付帯設備をユニット化した、世界最小クラス*の冷却システムを発売いたしました。
*自社調べ(吸収冷温水機競合5社比)/2025年9月時点
本システムは、発電機やコンプレッサーから排出される廃熱等の未利用エネルギーや太陽熱などの再生可能エネルギーから得られる70℃~90℃の温水を利用して7℃の冷水を生成し、業務用空調や産業用プロセス冷却などの冷却需要に対応するシステムです。従来、温水焚吸収冷温水機はランニングコストが低い一方で、設備投資や施工費用が課題となっていました。今回、温水焚吸収冷温水機と付帯設備を工場であらかじめユニット化することで、施工費用を約30%削減し、現地での施工期間も従来の4日から2日へ大幅短縮を実現しました。さらに、従来製品比で約70%の省スペース化も実現し、猛暑による冷却需要が高まる農業分野をはじめ、工場や公共施設など多様な現場での活用が期待されます。

この度、三重県多気町の農業法人、株式会社ポモナファームにて、閉鎖型農業システムで共同実証試験に取り組んでいる株式会社Cultivera(本社:沖縄県恩納村、社長:豊永 翔平)と連携し、トマト栽培用農業ハウスに本システムと太陽熱集熱器を組み合わせたソーラークーリング冷却システムが採用されました。今回の導入概要は以下の通りです。
・農地の一角(約100m²)に太陽熱パネル60m²を設置し、約90℃の温水を生成
・温水焚吸収冷温水機「アロエース」(17.6kW×1基)で7℃の冷水を製造
・約1,930m²の太陽光型トマト栽培用農業ハウスを冷却し、猛暑下でも安定した栽培環境を実現
・約2,000m(28m×36列の栽培棚に往復)の冷水配管を培地に敷設
午前中の光合成が活発な時間帯のみ冷却を行うことで、最小限のエネルギーで効果的な暑熱対策を可能にしました。この培地冷却方式は、三重県や奈良県をはじめ全国の、複数農業施設で実績があり、既に夏秋トマトの収量拡大に貢献しています。
本システムは暑熱の原因である太陽熱を冷却エネルギーとして有効活用するという「逆転の発想」により、エネルギー利用量の削減とカーボンニュートラルの両立を実現しました。
矢崎エナジーシステム株式会社は、本システムを含め、地球沸騰化に適応した農業システムのPRとして、2025年10月1日(水)~3日(金)に幕張メッセ(千葉市美浜区)にて開催される「農業WEEK(通称、J-AGRI)」に出展いたします。
第15回 農業WEEK 開催概要
【会期】
2025年10月1日(水)~3日(金)
【会場】
幕張メッセ (千葉県千葉市美浜区)
【ブース位置】
9ホール34-44
【大会公式サイト】
■矢崎エナジーシステムについて
1963年に創業。矢崎総業のグループ会社で、電線やガス機器など生活環境機器の開発・製造から販売まで一貫体制で行う企業です。
「あらゆるエネルギーの総合プロデュース企業」を目指し、電力・ガス・太陽光・石油などのインフラ設備から、やさしい環境づくりに貢献します。
